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12月05日-一般質問-03号

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  1. 上田市議会 2017-01-31
    12月05日-一般質問-03号


    取得元: 上田市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-10
    平成29年 12月 定例会(第4回)議事日程 第 1 一般質問   (1)市政について   (2)市政について   (3)教育行政について   (4)市政について   (5)地域おこし協力隊のこれまでの課題と現状及び今後の展開について   (6)国民健康保険について   (7)市政について   (8)東信州次世代産業振興について   (9)国民健康保険について   (10)住みたい・住み続けたい上田市にするためについて   (11)市政について   (12)市政について   (13)市政について   (14)市政について   (15)市政について   (16)市政について   (17)市政について                                              本日の会議に付した事件 日程第1(1)から(9)まで                                              出席議員(30名)    1番   林     和  明  君     2番   佐  藤  論  征  君    3番   山  田  英  喜  君     4番   成  瀬     拓  君    5番   松  尾     卓  君     6番   小 坂 井  二  郎  君    7番   金  子  和  夫  君     8番   土  屋  勝  浩  君    9番   松  山  賢 太 郎  君    10番   井  沢  信  章  君   11番   松  井  幸  夫  君    12番   宮  下  省  二  君   13番   原     栄  一  君    14番   池  田  総 一 郎  君   15番   古  市  順  子  君    16番   金  沢  広  美  君   17番   三  井  和  哉  君    18番   下  村     栄  君   19番   西  沢  逸  郎  君    20番   安  藤  友  博  君   21番   尾  島     勝  君    22番   土  屋  陽  一  君   23番   佐  藤  清  正  君    24番   小  林  隆  利  君   25番   南  波  清  吾  君    26番   久 保 田  由  夫  君   27番   渡  辺  正  博  君    28番   半  田  大  介  君   29番   池  上  喜 美 子  君    30番   深  井  武  文  君                                              説明のため出席した者     市    長   母   袋   創   一   君     副  市  長   井   上   晴   樹   君     秘 書 課 長   室   賀   久   佳   君     政策企画部長   小 野 塚       究   君     総 務 部 長   神   代   芳   樹   君     行政管理課長   海   瀬   寿 美 男   君     財 政 部 長   山   口   武   敏   君     財 政 課 長   倉   島   弘   一   君     市民参加協働   片   岡   文   夫   君     部    長     上田地域自治     セ ン ター長     生活環境部長   山   口   泰   芳   君     福 祉 部 長   近   藤   聖   一   君     福祉事務所長     健 康 こども   小   林   一   彦   君     未 来 部 長     商工観光部長   倉   島   義   彦   君     農 林 部 長   中   澤   勝   仁   君     都市建設部長   翠   川       潔   君     消 防 部 長   長 谷 川   好   明   君     丸子地域自治   谷   仲   英   彦   君     セ ン ター長     真田地域自治   山   宮   正   久   君     セ ン ター長     武石地域自治   木   藤   忠   彦   君     セ ン ター長     会 計 管理者   樋   口   孝   子   君     上下水道局長   宮   澤   正   彦   君     教  育  長   小   林   一   雄   君     教 育 次 長   中   村   栄   孝   君                                              事務局職員出席者     事 務 局 長   金   井   浩   一   君     事 務 局次長   中   村       史   君     議会担当係長   星   野   陽   一   君     主    査   鈴   木   康   平   君     主    査   徳   永   頼   信   君     主    事   福   澤   雄   史   君          午前 9時30分   開議 ○議長(土屋陽一君) これより本日の会議を開きます。                       ◇ △日程第1 一般質問(1)市政について ○議長(土屋陽一君) 日程第1、一般質問を行います。 まず、質問第10号、市政について、久保田議員の質問を許します。久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) さきに通告しました2項目について順次質問いたします。 1つ目は、上田市が重要課題の一つとして推進しております地域内分権についてであります。この間丸子まちづくり会議の地域組織である長瀬地区会議にかかわってきた私の経験を踏まえて、地域内分権の到達点と課題について質問いたします。2つ目は、平成25年3月長野県が打ち出した信州ワインバレー構想と、その一翼を担っております千曲川ワインバレー構想について、ようやく上田市内に初めての大手ワインメーカーメルシャン株式会社によるワイナリーが建設されることが公表されましたこの機会に、私の思いを含めて質問いたします。 まず最初に、地域内分権の到達点と課題について伺います。全国の自治体の中でも地域内分権に取り組んでいる自治体がたくさんございます。地域内分権を進めている自治体について、財政支援の方法について私なりに調べたところ、三重県伊賀市のように交付金で行っているところ、新潟県上越市のように補助金で行っているところ、愛知県高浜市のように当初予算で対応しているところの3つに大別されます。上田市は交付金として財政支援をしておりますけれども、どのような考えからか伺います。 次に、市の交付金制度は基準額プラス人口規模加算額プラス地域連携加算額の3つから構成されておりますけれども、まちづくり組織の実績等に対応して増額を含めた柔軟な対応をすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。 次に、地域協議会とまちづくり会議についての質問であります。地域協議会とまちづくり会議の違いは幾つかあると考えます。私が理解しているのは、市長の諮問に応じて論議し、答申する、また当該地域の課題を自主的に調査研究して、その成果を提言する組織が地域協議会であると考えています。これに対して、調査検討もするが、何よりも実行組織であるのがまちづくり会議だと思っておりますが、市の見解はどうか伺います。 以上3点について伺い、最初の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 片岡市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 片岡 文夫君登壇〕 ◎市民参加協働部長(片岡文夫君) おはようございます。地域内分権につきまして幾つかご質問をいただきました。順次お答えを申し上げます。なお、ご質問の中のまちづくり会議につきましては、答弁において住民自治組織として申し上げます。 まず、財政支援を交付金とした考え方でございます。議員ご指摘のように、地域内分権組織への財政支援の手法としましては、交付金によるもののほか、補助金や事業ごとの予算対応が考えられます。いずれの手法を選択するかはそれぞれの市町村の考え方によって異なっております。上田市が進めます地域内分権におきましては、住民自治組織ごとに策定をされます地域まちづくり計画に基づきまして自主的な取り組みが行われることから、使い道が限定される補助金や事業ごとの予算措置ではなく、多様な事業に迅速かつ柔軟に対応できるよう、予算の使い道を地域の裁量に委ねることができる交付金の形態を選択いたしたところでございます。 次に、交付金による支援について、実績に応じて柔軟な対応をというご質問でございます。現在の交付金は主に組織設立後におきます事務局体制の整備、地域まちづくり計画の策定、地域住民へ周知を図るための広報の発行等に要する経費を対象としております。交付金の算定に当たりましては、1組織250万円を基準額とし、組織内の人口が1万人以上の組織には100万円の加算を行い、複数の地区自治会連合会の範囲で組織される場合には、1地区当たり50万円を加算しております。現在それぞれの住民自治組織では地域まちづくり計画の策定が進められ、来年度以降に組織の活動も次第に本格化していくことが見込まれます。現行の交付金の活用状況や組織の活動状況を見きわめまして、より有効な財政支援となりますよう、基準の見直しの検討を進めてまいります。 次に、地域協議会とまちづくり会議についてでございます。地域協議会は市の附属機関としまして、上田市地域自治センター条例の規定に基づき設置をされており、議員のご質問にありましたとおり、市の諮問に対する案件の審議、まちづくりの調査研究に加えまして、わがまち魅力アップ応援事業の審査などに取り組んでおります。一方、住民自治組織は、自治会の枠を超えたさまざまな地域課題の解決、地域振興に資する事業を行うため、地域住民、NPO法人など多様な団体が主体となって参画をし、自立的に活動をするという、議員ご指摘のとおり、実働的な役割を担う組織と位置づけているところでございます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) 財政支援については、交付金の制度は、使い道が限定される補助金ではなく、地域の裁量に委ねるという点で自由度が高い交付金制度を上田市はとっているということでございました。その特徴を生かしてさらに推進されるように期待しているところであります。 次に、自治会とまちづくり会議に関する質問であります。まちづくり会議を立ち上げるに当たり、自治会との関係がまず議論をされます。私が参加したまちづくり会議の準備会において実施したタウンミーティングにおいても、参加者からは新たな自治組織について質問や議論がたくさん出されました。これは私の考えの一つなのですけれども、この自治会とまちづくり会議をどういうふうに説明するかという点でございますが、私は年金制度と同じで2階建てだというふうに考えております。自治会は基礎年金部分であり、まちづくり会議は報酬比例部分だと考えております。したがって、自治会もまちづくり会議もどちらも必要であり、重要であります。それぞれ充実を図ってこそ市民の暮らしを支え、コミュニケーションを図り、地域課題の解決につながると考えます。 人口減少社会では市民力、地域力、行政力の3つの中で、行政力の比重よりは市民力、地域力が重要になってきていると考えます。行政力について言えば、税収が減ることによる財源確保や職員数など職員体制はこれまでと同じく確保するということはかなり難しくなってきます。これからは市民力、地域力、行政力はそれぞれの力を発揮しなければならないと考えております。新しい自治組織であるまちづくり会議については、市はどのように説明してご理解を得るようにしているかを伺います。 次に、地域課題について幅広く議論してその課題解決に取り組むことがまちづくり会議の目的の一つでありますけれども、今でも大変な自治会役員の負担がふえることが懸念されております。地域課題の解決と自治会役員の負担をこれ以上ふやさないことと両立させるにはどうするか、これが課題だと考えますけれども、市の見解を伺います。 次に、自治会役員の負担をふやさず地域課題を解決するには、地域づくりに意欲のある団体や個人をどのように発掘し、組織化し、交付金を上手に活用するかにかかっていると実際にまちづくり会議にかかわってみてわかりました。そこで、今後のまちづくり会議の事業展開を考えた際に、かつて地域貢献度私立大学部門ナンバーワンであった公立大学法人化した長野大学の協力や、丸子地域で進めております上田市と上田市商工会、丸子修学館高校のパートナーシップなどが大きな力になってくると考えております。長野大学や丸子修学館高校が上田市におけるまちづくりに貢献している主な実例の紹介とあわせて市の見解を伺います。 次に、まちづくり会議の将来像についてであります。まちづくり会議は長い歴史と伝統のある地縁の組織である自治会と違い、新しい地域課題に取り組む新しい自治組織であるために、今後の可能性を秘めている組織だと考えております。例えば、非営利団体であるNPO組織などに進む可能性についてどのように考えるか伺います。 以上4点を伺います。 ○議長(土屋陽一君) 片岡市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 片岡 文夫君登壇〕 ◎市民参加協働部長(片岡文夫君) まず、自治会とまちづくり会議の関係というご質問でございます。市はどのように説明しているかということでございます。自治会は最も身近な地域コミュニティーとして、安全、安心で快適に暮らせる住みよいまちづくりにご尽力をいただいておりまして、市にとりましてもまちづくりの重要なパートナーと位置づけております。しかしながら、今後急速に進行する少子高齢化社会を見据える中で、自治会役員や自治会活動の担い手不足が進み、また一つの自治会では解決できない課題、例えば防犯、防災や地域福祉といった諸課題につきまして、もう一回り大きな地域という枠組みの中で、自治会や地域内で活動する諸団体等が協力し合い、主体的に考え解決していく、そのための組織が住民自治組織であると説明をしているところでございます。 少子高齢化社会におきましては、自治会と住民自治組織が相互に補完し合いながら主体的に地域課題を解決していくことが求められますことから、住民自治組織の市民力、地域力が重要になってくることは議員ご指摘のとおりでございます。設立や体制の整備に当たりましては、それぞれの役割をご理解いただけるよう、今後も丁寧な説明に努めてまいります。 次に、地域課題を解決することと自治会の負担をふやさないことをどう両立させるかというご質問でございます。現行の住民自治組織の運営体制を見ますと、準備会組織の役員であった自治会役員や地域協議会委員が引き続き住民自治組織の役員に選出される事例が多く、結果として自治会役員の負担がふえている実情がございます。住民自治組織が自治会の枠を超えて地域課題の解決や地域振興に資する事業を行うためには、地域内で活動する各種団体や地域づくりに意欲のある住民の皆様が積極的に参画していただくことが重要であり、そのような運営体制に移行していくことが議員ご指摘の自治会役員の負担軽減につながっていくと考えているところでございます。 次に、長野大学との連携、丸子地域のパートナーシップ協定での取り組み事例でございます。長野大学との連携では、武石地域での取り組みとしまして、小学生が3泊4日の日程で公民館に宿泊して共同生活を送る通学合宿の事業を長野大学社会福祉学部の学生のサポートを受け実施いたしました。また、塩田地域におきましては、今年度設立されました住民自治組織塩田まちづくり協議会にアドバイザーとして長野大学の環境ツーリズム学部が参画し、住民と連携して地域の課題解決に向けた活動を展開しております。丸子地域のパートナーシップ協定に基づいた連携では、丸子地域協議会の発案により市民協働事業として依田川、内村川の合流点に整備されましたリバーフロント市民広場周辺整備事業や、地域のにぎわい創出等を目的に丸子修学館高校の生徒が中心となりまして、丸子ファーストビル空きビルスペースを活用し開催されました「MARUSHU AKI市(まるしゅう あきいち)」の事例がございます。 地域づくりに意欲のある人材の発掘と育成が自治会役員の負担軽減につながりますことから、大学等との連携を強化するとともに、住民自治組織を通して各種団体や地域住民への積極的な働きかけを進めてまいります。市といたしましても、地域づくり人材育成講座や出前講座等を活用し、住民自治組織で活躍していただける多様な人材の育成に努めてまいります。 次に、まちづくり会議の将来像という中で、NPOへの移行の可能性のご質問でございます。平成27年度に総務省が実施しました住民自治組織の組織形態に関する調査でございますが、調査対象となりました約1,650団体のうち、約7割が法人格を持たない任意団体であり、全国的に見ても法人への移行が進んでいない状況です。一方で、法人格を持つ団体の約半数をNPO法人が占めており、以下認可地縁団体、協同組合、株式会社といった法人形態でございます。 法人化のメリットとしましては、法人格を取得することによりまして団体名義の契約や登記が行えるようになること、社会的信用が高まり、補助金や寄附金が受けやすくなることなど、組織の活動範囲が広くなることが挙げられます。また、第三者に損害を与える事態が生じた場合、法人格があれば代表者と団体の責任が明確に区分されるため、代表者の個人責任が問われることがなくなるメリットもございます。市内の住民自治組織は現時点では法人化の動きはございませんが、近隣では長野市の中条地域の住民自治組織がNPO法人に移行した例もございます。先進自治体の事例を参考にしながら研究し、組織への情報提供に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) 実際にまちづくり会議にかかわって実感していることは、これまで自治会単位で仕事を進めてきたこともたくさんありましたけれども、このまちづくり会議の設立によって自治会を超えた横の連携や、自治会役員だけでない年代を超えたやる気のある人もたくさんいることがわかりました。上田市における新しい自治組織の構築による地域内分権の推進は、現在のところ手探りの段階と考えますけれども、着実に進めるべきだというふうに思っております。市においてはわかりやすく説明する能力を高めて推進を図ることを期待しております。 次に、千曲川ワインバレー構想についての質問に移ります。この分野の質問は私自身平成25年3月議会以来の質問となります。当時の議会では、長野市内で信州ワインバレー構想について阿部知事も参加したキックオフイベントが開催されたこと、ここでは長野県産ワインのブランド力を国内トップレベルに引き上げること、長野県が3月までに信州ワインバレー構想を策定し、多彩な振興戦略を繰り出すこと、阿部知事は、ワインは長野県の大きな財産と位置づけ、未来に向けて方向づけし、県外に発信していかなければならないとワインバレー構想の推進に力を込めておりました。このイベントに陣場台地研究委員会の役員の一人として参加をして、知事の熱意と本気度が伝わってきたことを踏まえての質問でありました。 あれから4年以上たちまして、市長が議会初日の提案理由の説明でも紹介されたように、ことしの10月、大手ワインメーカーであるメルシャン株式会社によるうれしいニュースが発表されました。この機会に改めて信州ワインバレー構想に位置づけられる千曲川ワインバレー構想について取り上げるものであります。 まずは、ことし平成29年1月31日、上田市議会の農業政策議員連盟が上田市6次産業化等に関する戦略の策定に関する提言として8項目の提言を行いました。その中で信州ワインバレー構想の推進については、ワイン用ブドウの圃場として上田地域は最適とされています。ワイン事業者及び新規参入者のための圃場拡大のために市としてできる支援について、また意欲ある新規参入者への情報提供や技術支援、起業支援の強化について、さらに県内の4つの地域のワインバレー構想の中でも千曲川ワインバレー構想は8市町村が合同で広域ワイン特区を構成するなど、小規模ワイナリーの集積を目指す先駆的な地域となっており、上田市内にはワイナリーがありませんので、大手事業者及び新規起業者によるワイナリーの設置に向けて行政としての支援及び働きかけを強化することについての3つの点について提言したところでございます。 この3点についてどのような取り組みをされたのか、また今後の課題について市の見解を伺います。 ○議長(土屋陽一君) 中澤農林部長。          〔農林部長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎農林部長(中澤勝仁君) まず、ワイン事業者及び新規参入者のための圃場拡大のため市としてできる支援をとするご提言についてでございます。ワイン用ブドウの栽培におきましては、少雨多照で、昼夜の寒暖の差が大きく、緩斜面で風通しのよい圃場が栽培適地とされております。上田市の気候や地勢はまさにその条件を満たすことから、メルシャン株式会社では丸子地区の陣場地籍に、またマンズワイン株式会社では主に塩田地区にそれぞれワイン用ブドウの栽培地を設けております。両地区で生産されましたブドウで醸造されたワインは、日本ワインコンクールでの受賞ですとか、2016年、伊勢志摩サミット、また先日のアメリカの大統領来日の際は晩餐会で提供されるなど高い評価を受けておられることからも、ワイン用ブドウの産地として上田市は適地であると考えてございます。 こうした中、ワイン用ブドウを栽培し、将来的にはワイナリーを建設したいという高い志を持った若手の新規就農者が出てくるなど、上田市がワイン用ブドウの適地であるという機運の高まりは、農業振興、6次産業化を推進する上で一つの起爆剤になり得るものと認識しておるところでございます。新規就農者が圃場の確保、拡大を図る意向がある場合は、農地の貸し手と借り手をマッチングさせる農地中間管理事業等の活用や、圃場が耕作放棄地の場合は、国や市の遊休農地対策事業の補助金等によりまして圃場の確保、拡大の支援を行ってきたところでございます。 次に、意欲ある新規参入者への情報提供、技術支援、起業支援を強化するとのご提言をいただいております。市といたしましては、これまで新規就農者が抱える栽培技術、圃場確保、拡大、あるいは営農資金の確保等の課題に対応するため、農協の営農技術員、地域の事情に詳しい市内6地区に設置しました農業支援センターの専任推進員、地域の農業委員と連携したサポート体制を構築しておりまして、新規就農者からの相談への対応や指導を行うとともに、農業次世代人材投資事業の活用によりまして、農業経営の初期投資への資金交付を行うなど、きめ細かに対応してきておるところでございます。 さらに、ワイン用ブドウを含めた果樹経営の起業におきましては、十分な収穫量を確保するには一定の年数がかかりますことから、県の樹園地整備にかかわる補助事業や市のワイン用ブドウの苗木補助、あるいはブドウ棚の設置補助等、財政面での支援も行っているところでもございます。 続いて、大手事業者及び新規起業者のワイナリー設置への支援及び呼びかけを強化するとのご提言でございますが、まず大手事業者のワイナリー設置につきましては、市長みずから3回もメルシャン株式会社本社を訪問するなど精力的に要請活動を行ってまいりました。また、新規起業者に対しましては、先ほど答弁いたしました支援策に加えまして、議員連盟の提言を真摯に受けとめ、上田市6次産業化等に関する戦略を作成することで、国の6次産業化総合化事業計画の認定を受けた起業者が国の制度を活用してワイナリー等を設置する場合に国の交付金制度や融資制度を一層有利に活用できる環境を整えてまいりました。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) 市長の提案理由の説明のときにも言われましたし、今の答弁にございましたけれども、ワイナリーの設置の公表に至るまでの間、仕事とはいいながら市長のご尽力に対しましては改めて感謝をしているところでございます。 日本におけるワインの歴史は、約140年前にさかのぼり山梨県で始まりました。その後幾多の変遷があり、ワイン用ブドウの生産量は長野県が今では全国一となりました。長野県におけるワインづくりは今後100年以上続く新たな産業になります。市としての施策を考える場合、このことを踏まえる必要があると考えております。 質問でありますが、大手ワインメーカーメルシャン株式会社が10月17日に記者会見して公表した上田市塩川地区陣場台地にワイナリーを新設するとした事業計画は、関係者にとって長年待ち望んできたことであります。私も2003年の圃場への苗木の植えつけ前、およそ2000年ごろからこの事業にかかわっておりまして、この記者会見に立ち会えて感無量でございました。計画では2019年秋にはワイナリーを稼働したいとのことでありました。これは、東京オリンピック・パラリンピックに合わせて上田市産のマリコシリーズのワインを国内外のお客様に提供したいとするメーカー側の強い思いがあるものと考えます。市長はこの記者会見で市として最大限のサポートをし、全庁体制でプロジェクトチームを構成するとコメントされました。ワイナリーの建設にはさまざまな許認可など手続が必要ですが、上田市としてどのような支援ができるかを伺います。 次に、千曲川ワインバレーに位置する市町村にはここ数年ワイナリーが建設されてきており、ようやく上田市に初めてのワイナリーが誕生することになります。ワイナリーの建設が具体化されることにより、食事と一緒に楽しむ食中酒であるワインは、ワインに合う食材や料理、さらにはワインツーリズムなど観光にも大きなインパクトになると考えます。他の産業との連携などについて波及効果が期待されておりますけれども、その考えについて伺います。 日本ではこれまでワインを国税庁が管轄する酒税法の中で取り扱ってきました。2015年に初めて日本ワインの定義や表示ルールを制定し、その3年後である2018年、来年でありますけれども、10月30日から適用となります。ワイン法という法律はありませんが、通称ですけれども、ワイン法の概要及びワイン法によって千曲川ワインバレーを初め日本ワインの将来性について上田市としてどう捉えるか伺います。 以上3点を伺います。 ○議長(土屋陽一君) 谷仲丸子地域自治センター長。          〔丸子地域自治センター長 谷仲 英彦君登壇〕 ◎丸子地域自治センター長(谷仲英彦君) 私のほうからは、ワイナリーの建設に対する市としての支援についてご答弁いたします。 丸子地域の陣場台地に広がるブドウ畑、マリコヴィンヤードにワイナリーが建設される運びとなったことは、大変な喜びとともに各方面に大きなインパクトがあったものと感じております。このワイナリーの建設につきましては、メルシャン株式会社から発表されました内容によりますと、ワイナリーは2019年の秋までに完成させ、その年に収穫したブドウを新ワイナリーにおいて醸造し、翌2020年の東京オリンピック・パラリンピックに間に合わせる形で白ワインをリリースしたいという意向をお持ちとのことでございます。こうした意向を最大限酌み取る中においてワイナリーの建設を進めていくためには、農地の転用といった許可行為はもとより、汚水の排水計画、水道の給水計画など、タイトなスケジュールで進めていく必要がございます。 こうした状況を踏まえ、市の関係部署を網羅いたしましたワイナリー建設に係る調整会議を開催し、それぞれが所管する対応すべき課題を抽出するとともに、意見交換を行う中において許認可等に係るスケジュールの確認をし、タイムラグが生じないように連携して対応できるよう調整を図っているところでございます。 また、地元であり、一番の窓口となる丸子地域自治センターにおいても、ワイナリー設立の発表があった直後にワイナリー建設に係る丸子プロジェクトチームを設置し、メルシャン株式会社の担当者を交えながらその取り組みを開始しております。このチームにおいては、椀子ワイナリー建設に関するスケジュール表を作成するとともに、できる限りの課題の整理を行い、情報を共有し、全体の調整役としての役割をしっかり担っていくことによって遅滞なくワイナリーの建設に向けた進捗が図られるよう取り組んでいるところでございます。 ワイナリーが建設され、ワインの醸造が始まることによる市内外に及ぼすその効果は大変大きなものになると考えております。市といたしましても、陣場台地研究委員会の皆様や関係者各位のさらなるご協力を得る中において、しっかりとした体制のもとにワイナリーの建設が予定どおりに進むよう最大限のサポートをしてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(土屋陽一君) 中澤農林部長。          〔農林部長 中澤 勝仁君登壇〕
    ◎農林部長(中澤勝仁君) 私からは波及効果についてご説明申し上げたいと思います。可能性として考えられる波及効果について答弁させていただきたいと思います。 シャトー・メルシャン椀子ワイナリーは、新たな市の観光拠点として、市内外から多くの観光客を呼び込むことが期待できるところでございます。この観光客を地域内に回遊させることで飲食店、宿泊施設、景勝地などの観光産業への波及効果が期待でき、また椀子ワイナリーを拠点といたしまして近隣のワイナリーをつなぐワインツーリズムによる地域振興策としての展開も検討できるものと考えてございます。また、議員ご説明のとおり、ワインは食中酒でございまして、ワインは料理とあわせて楽しめるものでございますので、上田産のおいしい農畜産物の食材を使った料理ですとか、6次産業化による加工食品の提供などへの波及効果も期待できるものと考えてございます。 また、シャトー・メルシャンでは、ブドウ生産地、地域との共生というビジョンがございまして、地域貢献活動を積極的に実施したい旨の意向をお持ちでありますことから、市はもとより、各種団体との協力、連携によります地域活動への波及効果も大いに期待できるものと考えてございます。 以上、さまざまな波及効果が期待できますが、椀子ワイナリーで醸造されるワインはマリコ・ヴィンヤード・オムニスを初めとした高級ワインでございます。メルシャン株式会社におきましては、世界に認められる日本ワインを生み出すことを目的として、さらなる品質向上を追求していくというビジョンをお持ちでございますので、その波及効果を最大限引き出すためには、波及効果を享受する側もさらなる魅力アップを図っていくという双方向からの視点が大変重要になってくると考えてございます。 いずれにいたしましても、ワイン産業は裾野が広いため、さまざまな産業を有機的に結びつけて、地域全体の活性化を図ることができる大きな可能性があるものと考えておるところでございます。 続きまして、ワインの表示基準についてでございます。従来一般的に国産ワインと呼ばれていたものには、いわゆる国産ブドウのみを原料とした日本ワインのほか、輸入濃縮果汁や輸入ワインを原料としたものなども混在しておりました。これまでは日本ワインとそれ以外のワインの違いがラベル表示だけではわかりにくいという問題があったため、消費者が適切に商品選択を行えるよう定めたものと認識しておるところでございます。 表示基準の適用開始日は平成30年10月30日で、それ以降日本ワインと表示できるものは、国産ブドウのみを原料といたしまして、日本国内で製造されました果実酒のみとなります。また、日本ワインに限っては「日本ワイン」という表示のほか、地名、ブドウの品種名、ブドウの収穫年の表示もできることとなります。そのほか細かなルールが定められておるようでございますが、日本ワインが厳格に定められ、差別化が図られることになったことから、マリコヴィンヤードシリーズのように、丸子産ブドウを使用し、その原産地において高品質のワインを醸造することは付加価値が付与され、さらなるブランド化につながる有利な制度ではないかと考えておるところでございます。 次に、日本産ワインの将来性でございますが、日本におけるワイン消費数量は、アルコール類の消費数量が減少傾向にある中にありましても右肩上がりで推移しておるところでございます。特に平成27年度までの4年間は過去最高を連続更新しておりますことから、近年の動きはワインブームという一過性のものではなく、定着が図られたという分析がされております。今後消費数量はさらに伸び、ワインの日常化が進んでいくのではないかとの予測もされておるところでございます。 また、現在日本におけるワイン消費数量のうち、日本ワインの定義に当てはまるものはわずか5%しかないことから、希少性のある日本ワインの需要もさらに高まっていくのではないかとも予測されておるところでございます。 一方、ワインは世界各国で製造されまして、日本にも多く輸入されておりますことから、競争が激しく、日本におけるワイン消費数量の7割は輸入ワインという現実もございます。輸入ワインは低価格帯のものが多く、今後はEPAも締結される中にありまして、日本ワインは品質で勝負し、高品質のワインを安定的に製造していくことが鍵となるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員。          〔26番 久保田 由夫君登壇〕 ◆26番(久保田由夫君) あと2問質問いたします。 1つは、ワインに親しむ文化をどう広めるかについてであります。山梨県甲州市は、甲州ワインによる乾杯の推進に関する条例、塩尻市は塩尻ワインの日、そして石和温泉旅館協同組合は、お客様がワインを持ち込むことができるような、そういうシステムをつくっております。紹介した各地の取り組みなどを参考にして、今後の課題になりますけれども、ワイン文化を広げるために上田市独自の取り組みをどう進めるかについてお考えを伺います。 最後でございますけれども、10月に公表されました6次産業化等に関する戦略を見ると、新しいキーワードがたくさん掲載されております。すなわち「発酵のまち上田」とか、「上田市ブランディング支援事業補助金」とか、「直売所は6次産業化の学校」など、さらに数値目標を掲げており、6次産業化に取り組む意欲が伝わってきます。また、上田市の農業の特徴は、米や麦、大豆の栽培を初め、野菜、果実、花卉及び畜産などの多種多様な品種、品目が生産されているということであります。さらに、水産業やマツタケに代表される林産業を活性化するために、食を生かしたまちづくりを進める必要があります。各地ではフードバレー構想というものが取り組まれているところもありますが、今後の研究課題としてどう考えるか伺い、最後の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 中澤農林部長。          〔農林部長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎農林部長(中澤勝仁君) 続きまして、ワイン文化の醸成を図るために地域でのワインの一層の認知の向上と消費の拡大が必要でございまして、そして地域ぐるみで応援していくことが何よりも大切であろうと考えてございます。また、上田市は古くから日本酒、みそ、漬物などの発酵文化が根づいておるまちでございます。こういった発酵のまち上田の醸成に向けた取り組みを関係団体とともに引き続き続けていきたいと考えてございます。 近年ワイン用ブドウの栽培が市内に広がりを見せていることや、このたび椀子ワイナリーの新設という契機を踏まえまして、ワイン文化の醸成に向けて市独自の取り組みをこれから調査研究してまいりたいと考えてございます。 続きまして、食を生かしたまちづくりという広い観点からのご質問をいただきました。ご承知のとおり、上田市には古くから伝わる食文化も受け継がれておりまして、歴史ある多くの酒蔵やみそ蔵が永続企業として操業してございます。また、先ほど議員からもご紹介ございましたとおり、上田市は米、野菜、果実はもとより、伝統野菜あるいは大豆、農林水産大臣賞を2回受賞している「ナカセンナリ」、それから特徴ある肉、マツタケ、アユなどもございます。市といたしましては、安全、安心な地産地消の推進を図り、食を通じたまちづくりを進めるため、上田市地産地消推進会議におきまして基本計画を策定し、5年に一度見直しを行っておるところでございます。先ほど申し上げました上田市6次産業化等に関する戦略も策定いたしましたので、さらなる地産地消と6次産業化の推進に努めてまいりたいと考えてございます。 加えまして、全国的な発酵ブームの中、ことし10月に全国発酵のまちづくりネットワーク協議会に上田市と長野県が同時に入会いたしました。県内では木曽町を含め3団体となってございます。今後はこの協議会の皆様とも連携する中で、全国のさまざまな取り組みを参考にしながら、食を生かしたまちづくりの推進に努めてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 久保田議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前10時13分   休憩                       ◇                                午前10時30分   再開 ○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(2)市政について ○議長(土屋陽一君) 次に、質問第11号、市政について、佐藤清正議員の質問を許します。佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 通告に従い質問してまいります。 まず、平成28年度決算から見る財政状況と決算審査についてお伺いします。毎年次年度の予算編成に際し予算編成方針が示されているわけでありますが、その方針が決算に着実に反映された結果となっているのか、具体的にさきの9月議会において認定した平成28年度決算の状況を次の3点について質問をしてまいります。 1点目ですが、重点分野への優先的財源配分が強調されていますが、その効果はどうであったのか。 2点目として、行財政改革をさらに推進するとしていますが、具体的にどのように推進が図られ、その結果はどうであったか、お伺いいたします。 予算編成においては、「入りをはかりて出るを制す」の言葉があるように、歳入の確実な捕捉は最も重要な課題だと思うのですが、3点目として、予算編成方針において示された歳入見込みは決算においてはどうであったのか、お伺いいたします。 次に、決算認定に際し毎年感じているところでありますが、予算残額についてであります。とりわけ12月議会とか3月議会における補正は、決算額を見越して事業費の確定とか見込み額の精査などにより、ほとんどの科目において補正がなされ、適正な予算が確保されていますが、この平成28年度決算においても一般会計で19億2,000万円余、特別会計でも8億円余の巨額な予算残額が計上されております。よく言うと黒字決算ということになりますが、この巨額な予算残額が発生する理由、原因はどこにあるのか、お伺いいたします。 また、今年度の予算編成においても経常的経費を削減し、政策的経費に充当するために、マイナス2%のシーリングを実施してきていますが、このシーリングをマイナス2%とする根拠は何か、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 山口財政部長。          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕 ◎財政部長(山口武敏君) 28年度決算を踏まえたご質問でございます。 初めに、重点分野への優先的財源配分の効果でございますが、平成28年度予算編成方針におきまして、市の重要課題として10の分野を重点分野に設定し、財源の優先的な配分を行いました。具体的には、雇用の拡大と地域経済の活性化、魅力ある地域づくりの推進、地域医療のさらなる充実、健康、福祉の増進などでございますが、主な事業の実施状況とその効果について申し上げます。 まず、雇用の拡大と地域経済の活性化では、既存技術の応用による成長産業や新分野への進出を目指す中小企業への支援に加え、創業者に対する支援を実施し、将来の業績拡大や雇用創出につながる環境の整備を図りました。 次に、魅力ある地域づくりの推進では、平成28年度は新市発足10周年という節目の年に当たり、記念式典の開催のほか、さまざまな分野で記念事業を実施し、今後の市の発展と一体感のさらなる醸成を図ることができました。また、地域内分権の確立に向け住民自治組織に対する交付金制度を設けたことは、住民相互の連携、協力体制の定着に寄与したものと考えております。 地域医療のさらなる充実、健康、福祉の増進においては、上小地域医療再生計画に基づく施策を実施し、地域の基幹病院である信州上田医療センターの人員体制が着実に整備されてきております。さらに、健康寿命の延伸を目指した健康幸せづくりプロジェクト事業、中でも健康チャレンジポイント制度の定着に向けた取り組みにより、幅広い年代で健康づくりを実践する市民の方が年々増加しております。 このように予算編成の段階で重点分野を設定し、住民の皆様からお預かりした貴重な財源を効果的、効率的に配分することで、その時々の重点課題に迅速かつ的確に対応できたものと考えており、今後も予算の重点化には積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、行財政改革のさらなる推進でございますが、第三次行財政改革大綱の策定を見据えた取り組みとして、各種補助金について個々の事業ごとに十分な精査と検証を行うこと、施設の更新、維持管理について、施設の必要性を検証し、廃止や統廃合、また譲渡などを検討するとともに、未利用の市有財産の処分、利活用を推進すること、この3つを掲げております。このうち施設の統廃合につきましては、神川第一、第二保育園を統合した保育園と神川地区公民館を複合施設として整備する神川地区拠点施設の建設に着手し、平成28年3月に策定した公共施設マネジメント基本方針で示している公共施設のあり方の方向性に沿った取り組みを進めました。また、未利用の市有財産の処分では、平成28年11月に宅地建物取引業協会と協定を締結し、民間と連携して遊休財産の処分を推進する体制を整備いたしました。 引き続き予算編成を事務事業や施策を見直す機会と捉え、第三次行財政改革大綱に資する取り組みを進めてまいります。 次に、予算編成での歳入見込みに対する決算の状況でございます。予算編成におきましては、市が使い道を自由に決めることができるお金という意味で、一般財源の収入見込みを立てることが非常に重要となってまいります。そして、見込みを立てた一般財源の総額の範囲内でその年度の財政需要が賄えるように計画を立てたもの、これが市の予算であるといった説明をすることもできます。 平成28年度における当初予算段階での一般財源の見込みと実際の決算とを比較してみますと、一般財源総額では当初見込みの443億円余に対して、決算では444億円余となり、1億6,000万円余、率にして0.4%といった微増という状況でございます。当初見込みの決算との増減の主なものを申し上げますと、固定資産税において、新増築家屋が想定よりも伸びたことなどにより、市税全体で3億4,000万円余の増額、普通交付税と普通交付税の代替財源である臨時財政対策債において、平成28年度が初年度となった国の経済・財政再生計画の影響などによりまして、合計で2億7,000万円余が減額となったことなどがございます。 合併以後の傾向としましては、当初予算編成段階である程度手がたく歳入を見込んでいたものが、結果として国また地方ともに税収が見込みを上回り、一般財源総額が増額となる状況が続いておりましたが、平成28年度は一般財源総額では当初見込みとほぼ同額の決算と、こういう状況となっております。平成29年度以降もこの傾向が続き、一般財源の大幅な増収は見込めないという、こういう状況となっておりまして、基金を活用するなどの方策を講じて必要な一般財源を確保してまいりたいと考えております。 続きまして、予算残額についてでございますが、当初予算編成におきましては、各事業において通年で必要となる経費を見積もり、予算に計上しておりますが、予算を執行する段階では、必ずしも歳出予算全額を支出するわけではなく、最少の経費で最大の行政効果が上がるよう、常に支出の必要性を検証しながら予算の執行を行っております。この結果、必要に応じて3月補正予算において不用となる予算について減額補正をしておるという状況でございます。 一方、年度末になりますと最終の決算がほぼ固まってまいりますので、一定の基準に基づいて係数整理のための最終専決予算を編成しておりますが、全ての費目にわたって決算額に合わせた補正を行うことは不合理でありまして、また給付事業等において最終の支払額が出納整理期間の最後になるまで確定しないなど、最終専決予算時点でも決算額が見込めないと、こういった事情もございます。 歳入予算につきましては、予算は歳入歳出同額とするという官庁会計のルールがある中で、年度当初の見込みよりも増額となった収入につきましては、予算に計上せずに財源を留保しておりまして、これも収支差額につながる要因となってございます。 不用となった歳出予算の減額分と歳入予算の留保分につきましては、翌年度以降の財政需要に備えた基金積み立てに充てるなど、年度間の財源調整を行った上で、過剰な決算収支差額が生じないよう留意をして財政運営を行っております。 いずれにいたしましても、当初予算編成段階から必要経費等を適切に見積もり、多額な不用額が生じないよう精査をするとともに、不用な予算は適切な時期に減額補正をして他の必要な経費へ振りかえるなど、計画的な財政運営に努めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 続きまして、当初予算編成におけるマイナス2%のシーリングの根拠でございますが、上田市の当初予算編成は、歳出予算について、経常的経費、政策的経費、義務的経費の3つの経費に区分をして予算編成作業を行っております。このうち経常的経費につきましては、毎年度の予算がある程度一定していることから、あらかじめ部局ごとに予算要求をできる上限額を設定し、各部局が上限額の範囲内で創意工夫の上、予算要求をすることとしております。平成29年度当初予算では、平成28年度の経常的経費46億円余から2%分の9,300万円余を削減して要求上限額、シーリングを設定いたしまして予算編成を行いました。 この2%の根拠でございますが、平成29年度における合併算定替えの段階的縮減による普通交付税の減少額を1億8,000万円程度と見込みまして、この半額に当たる9,000万円程度を経常的経費の削減により対応することとして設定をいたしたものでございます。 しかし、経常的経費の中には公共施設の光熱水費や燃料費といった単価の引き上げや利用者増などの外的な要因で増額となってしまう経費が含まれておりますので、このような経費で当初予算が不足する場合には、補正予算等により対応をしております。 平成30年度当初予算編成におきましても、引き続き経常的経費を2%減額して予算編成作業を進めておりますが、経常的経費の削減にも限界がございますので、31年度以降につきましては、合併算定替えの縮減額や予算の執行状況等を分析しながら削減について検討をしてまいります。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) ご説明いただいた内容、よく理解しながら、平成30年度の当初予算の審査にも当たっていきたいというふうに考えているところでございます。 9月議会で示されました決算の概要の会計別決算額推移によりまして過去5年間の経過を見ますと、一般会計では微増の傾向にあるのに対し、国保特別会計や介護保険特別会計では大きな伸びを示しています。両特別会計の歳出総額は325億6,000万円余で、一般会計と特別会計総額の1,040億1,000万円余に対し31%を占めております。こうした状況を踏まえて、将来の財政状況をどう見ているのか、見解をお伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 山口財政部長。          〔財政部長 山口 武敏君登壇〕 ◎財政部長(山口武敏君) 国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計、また介護保険事業特別会計のいわゆる医療3会計、この歳出決算額につきましては、高齢化の進行に伴う保険給付費の増加や制度改正等によりまして、平成23年度決算と平成28年度決算との比較をいたしますと、3会計の合計で46億2,000万円余、15.5%と、議員ご指摘のように大幅な増となっております。これら保険給付費の増加等への対応としまして、特別会計独自の財源でございます保険料の引き上げを実施しておりますが、国の基準に基づく一般会計からのルール分の繰出金も増加をしておりまして、平成23年度と平成28年度との比較では、6億1,000万円余、19.5%と、こちらも大幅な増となっております。当面は保険給付費等の増加が避けられないことから、保険料の改定を適切に実施するとともに、国、県からの補助負担金が確実に確保されるよう、国の予算編成等の動向を注視してまいります。 また、次の点に議員が懸念されているものと受け取っておりますけれども、保険給付費等の増加に伴い、一般会計からの繰出金も増加しているものと見込んでおります。市全体の財政運営に対する影響は少なくないものと考えておりまして、この一般会計の負担増につきましては、本来であれば地方財政措置がなされるもの、こういうものでありますけれども、的確に地方財政計画に反映され、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額が確実に確保されるよう、市長会等を通じて国に働きかけをしてまいりたい、このように考えておるところでございますので、よろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) やはり説明いただきましたとおり、国の制度上に出てくる予算のひずみというようなことではないかというふうに思います。これは、やはり国政についての市長会を通じてというような話もありましたけれども、しっかりした対応が必要ではないかというふうに考えるところでございます。 次に、この28年度決算から一般会計について決算特別委員会を設けて審議をしました。これは、決算の認定の審議については委員会に分割して付託することはできないとする昭和28年の行政実例の議案不可分の原則に基づき、一体的に集中して審議を行ったところであります。決算審査は当該年度の予算執行状況を監視、認定することにありますが、次年度以降の予算審議の参考にすることからも非常に重要な審議となります。 そこで、執行部として今回の一般会計決算特別委員会の設置や運営に関して感想やご意見がありましたら、お聞かせいただきたいと思います。 ○議長(土屋陽一君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) 一般会計決算特別委員会審査についてのお尋ねでございます。 昨年から議会改革事項の一つとして取り組まれてきた一般会計決算審査における委員会への一括付託につきましては、慎重かつ精力的に検討され、実施に至ったものと受けとめております。地方議会におきましては、地方自治法に定められているとおり、決算の認定は執行機関を監視、評価する権限として、条例や予算などの地方自治体の基本的事項を決定する権限と同様に重要なものであると考えます。今回の新たな審査体制において、分科会ではこれまでと同様に詳細な審査が行われ、全体会ではこれを補完する形で大局的な見地からも審査をいただきました。 議案不可分の原則によって分割付託の問題を解消する今回の試みは大変意義あるものであり、あわせて予算を議決した趣旨と目的に従って適正かつ効率的に執行されたのか、さらにどのような行政効果があらわれたのかといった視点でも審査をいただいたものと捉えております。 また、今後の行財政運営において留意すべき事項としていただいた附帯意見につきましては、貴重なご意見として受けとめ、その内容を反映できるよう努めるとともに、引き続き審査結果を踏まえた予算編成や事務事業の執行に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 大変前向きな評価をいただいたのではないかというふうに思うわけなのですけれども、私的にはやはりもっと議会みずからが特別委員会を設けて決算に当たるのだというこの姿勢の中で研究、研さんを積むべきではないかというふうに思っているところでございます。 次に、近年の頻発する自然災害を踏まえて、企業に対する防災、減災の取り組みについてお伺いいたします。まず、市内に立地している企業や事業所が自然災害で罹災した場合、その罹災状況について市として把握し、対処する仕組みは整備されているかどうか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 企業に対する防災、減災の取り組みについてのご質問でございます。 災害が発生し、企業が罹災した場合の対応につきましては、上田市災害対策本部に位置づけております商工観光対策部を編成し、民間企業の施設や運輸、交通、通信施設といった産業関連インフラの被害調査及び応急対策に当たることとしております。また、災害時を想定した上田市業務継続計画、BCPでございますが、これにおきましても非常時優先業務として、商工業団体等関係団体を通じた事業者の被害状況の確認を迅速に行うこととしておりまして、上田商工会議所や各商工会を通じた情報収集にも努めているところでございます。 事業者からの通報や現地調査により、例えば浸水被害が発生した場合におきましては、必要に応じて土のうや石灰等の必要な物資を速やかに支給するとともに、被害が甚大な場合には復旧に係る人的な支援も想定するところであります。 また、自然災害により事業活動にも影響する道路ほか、電気、上下水道、都市ガス、通信などの公共インフラが途絶えた場合におきましては、上田市地域防災計画に基づき関係機関に通報し、速やかな復旧を図っていくこととしております。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 近年大規模地震災害、とりわけ首都直下型地震の発生確率が30年以内に70%とも言われる時代になってきております。関東、首都圏等に立地している企業が大規模災害に備えて、被災時に緊急避難できる事業用地を求めたり、企業間の協定により事業用地を確保するといった動きがあると聞いております。市でもあらかじめそうした企業をリサーチし、災害に強い上田市の立地環境を積極的にPRするなど、市の受け入れ態勢を整備することも重要なことだと思いますが、市のお考えはどうか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 大規模災害を鑑みた企業誘致等についてご質問をいただきました。 市といたしましては、首都圏からのアクセスのよさ、災害が少ない等の優位性をPRし、大河ドラマ放送による知名度向上を生かす企業誘致を推進するため、今年度から箱畳第二期工業団地造成に着手し、情勢を見ながら段階的な造成を検討していくこととしております。 東日本大震災以降、企業が設備投資をする際にリスク分散の考え方が高まっている中で、県内への工場等立地希望情報におきましては、業務継続計画、BCPの視点からの照会も寄せられているところであり、今後の工業団地の造成はこうした動きの受け皿にもなると考えております。今年度から長野県東京事務所に職員を派遣しているところでございますので、連携を密にとり、企業訪問をする中で、意向がある企業の情報を収集し、積極的な誘致に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 次に、漁業資源の保護と活用についてお伺いしてまいります。 この秋のやな漁の漁獲量が十数年前の60分の1に、4カ所あったやな場も2カ所になってしまったとの報道がありました。実情はどうか、千曲川水域の漁業資源の推移を市はどう把握しているのか、お伺いいたします。 また、千曲川をアユ釣りのメッカとして復活させたいとする漁業関係者や市民の希望を実現するために、市はどのようなことができるのか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 中澤農林部長。          〔農林部長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎農林部長(中澤勝仁君) 千曲川水域の漁業資源の推移をどう把握しているかとのご質問でございます。 千曲川水系は、アユ、ウグイ、マス類などの漁獲量が豊富で、古くからやな漁が盛んで、アユ釣りのメッカとして市内外から多くの太公望が集まり、つけば料理とともに上田市の夏の風物詩の一つとなってございます。こうした水産資源等の管理、アユ等の放流や増殖、水辺環境の保全につきましては、これまでも上小漁業協同組合が中心となり取り組んでこられましたが、千曲川水系における組合管内での平成24年度と平成28年度の漁獲量について確認をしたところ、平成24年度の総漁獲量は1万9,123キログラムに対しまして、平成28年度は1万3,131キログラムで、31%の減、またアユの漁獲量につきましても、平成24年度の9,499キロに対しまして、平成28年度は6,692キログラムということで、30%減少してございました。 また、千曲川水系でアユ釣り等を行うための遊漁券の発行数につきましても、平成24年度の9,467件に対しまして平成28年度は6,418件と、32%減少しているというような状況でございます。 漁獲量が減少すれば、それに伴いましてアユ釣り客が減少するということになります。千曲川水系で漁獲量が減少している原因といたしましては、魚類を捕食するカワウによる被害、あるいはコクチバス等の外来魚の増加などが考えられておりますが、はっきりとした原因はわからないといった状況でございます。全国的にもアユなどの在来魚が減少傾向にあると上小漁業協同組合からお聞きしておりますので、アユ等の餌となる藻類の減少なども河川環境の変化とともに大きな原因の一つと考えられておるところでございます。 続きまして、千曲川をアユ釣りのメッカとして復活させるために市はどのように考えているかということのご質問でございます。漁獲量の減少に対します対策といたしまして、上小漁業協同組合では毎年おおむね1万キログラムのアユやウグイ、あるいはイワナといった稚魚、成魚を千曲川及びその支流へ放流しております。市といたしましても、千曲川水系の魚類は大切な水産資源でございますので、この放流事業に対しまして事業費を補助する支援を行っております。また、放流事業とタイアップいたしまして、教育委員会と協力いたしまして、次世代を担う子供たちに千曲川への愛着を育んでいただくために、地域の小学生に放流体験と河川環境や千曲川等の生態につきましての学習をしていただいておるところでございます。また、カワウの対策につきましては、猟友会に駆除をお願いしてございまして、花火によるカワウの追い払いを行ってきておるところでございます。 さらに、上小漁業協同組合で行っております千曲川生態系維持活動の一つでございます淡水魚の産卵や繁殖の場であるヨシ帯の保全活動事業に対しましても支援を行ってきており、引き続きこうした取り組みを行ってまいりたいと考えてございます。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 次に、サケの遡上についてお伺いいたします。 議員有志でつくります千曲川水系水文化探求議員連盟では、この8月に北信地域の市議会議員や新潟県の十日町市の議員さんで構成する千曲川、信濃川の自然を復活させる会の皆さんと交流会を持ちました。西大滝ダムや宮中ダムを視察させていただきましたが、長年にわたる電力会社との交渉や稚魚の放流事業、遡上観察など熱心な取り組みに感激をしたところでございます。ことしになって長野県でも県が関与して18年ぶりにサケの稚魚の放流を行ったとのことでありますが、上田地域の千曲川へサケがたくさん遡上してくることは非常に夢のあることだと思いますが、市の考えはどうか、お伺いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 中澤農林部長。          〔農林部長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎農林部長(中澤勝仁君) 県ではかつて「カムバックサーモン」キャンペーンを県民運動として、サケの稚魚の放流を行ってきましたが、残念ながら平成12年で終焉となっております。来春から5年間一定数量のサケの稚魚の放流をしながら千曲川の河川環境調査を行い、河川の状況と課題を探り出していくという方針が出されております。市といたしましても、こうした動向を注視しながら、河川の環境改善に向けた取り組みを上小漁業協同組合など関係機関と連携しながら進めてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 一時は「カムバックサーモン」というようなことで非常に地域も盛り上がったわけなのですけれども、そうした盛り上がりをもう一度千曲川に目を注いで取り組めればなというふうに思っているところであります。 市の中心部を流れている千曲川であります。その風物詩でもありますアユ釣りや、伝統的漁法であるやな漁などは上田地域の原風景として欠かすことのできない大切な資源ではないかと思います。また、千曲川や千曲川水系は漁業資源だけではなく、その景観は信州上田を語る上で欠くことのできない地域の資源だと思っているところでございますが、市のお考えをお聞きしたいと思います。 ○議長(土屋陽一君) 翠川都市建設部長。          〔都市建設部長 翠川 潔君登壇〕 ◎都市建設部長(翠川潔君) 地域資源としての千曲川水系の評価についてのご質問でございます。 千曲川は市の中心部を東西に流れ、これに周囲の山々を源流とする依田川、神川、浦野川などが合流し、千曲川水系を形成しております。千曲川には上田橋を初めとした多くの橋梁がかかり、堤防道路が整備され、通行する機会もふえたことから、市民が千曲川を目にする機会は以前に比べ格段にふえております。河川敷には市民緑地や親水護岸が整備され、関連したイベントも多く、市民の憩いの場となっております。 平成25年3月に策定しました上田市景観計画におきましても、千曲川などの河川や上田城跡南側の尼ヶ淵に象徴される河岸段丘は景観軸と位置づけておりまして、上田市の特徴的な地形として保全、活用が必要としております。 さらに、昨年度上田市合併10周年記念事業として実施いたしました「信州上田の景観100選」においては、千曲川、依田川、神川、武石川を初めとしまして、千曲川水系の中から12点と多くの景観が選ばれております。また、初夏を告げる千曲川のつけば漁、つけば小屋、盛夏には信州上田大花火大会、さらに丸子地域におきましても信州瀑水RUNin依田川や、霊泉寺温泉クリーンフェスタなど、上田の風物詩ともなっており、多くの観光客の皆様に訪れていただいております。これら千曲川及び千曲川水系で開催されるイベント等は、市といたしましてもホームページへの掲載など積極的な情報発信に努めており、今後とも観光客誘致活動の一環としてさらなる活用を図っていきたいと考えております。 河川に対する市民の愛着も高まりを見せておりまして、千曲川クリーンウォークはことしで20回目を迎え、400人を超える市民の皆様にご参加いただくなど、環境美化活動とともに市民の景観意識の向上につながっております。 千曲川及び千曲川水系は、周囲の山並みを背景とした美しい景観を形成し、人々の心に安らぎと潤いを与えております。これらは信州上田を代表し、欠かすことのできない景観の一つであり、また生活と文化の一部でもあり、次世代に伝えていかなければならない貴重な財産であると考えております。さらに活用の視点では、千曲川と依田川の合流付近で計画をしておりますかわまちづくり支援事業等も通じまして、今後とも行政、市民、事業者一体となって美しい景観をこれまでの文化とともに地域資源として保全をし、そしてさまざまな活用を図っていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤清正議員。          〔23番 佐藤 清正君登壇〕 ◆23番(佐藤清正君) 次に、市民協働によるまちづくりについて、9月議会一般質問の答弁を踏まえてお伺いいたします。 先ごろ私の住む地域で丸子まちづくり会議による出前講座が開催されました。事業計画などの説明がありましたが、参加者の関心はどのように行政と協働するのか、行政はこれから行う地域のまちづくり事業にどうかかわってくれるのかということにありました。市の職員が一緒に問題解決に取り組む、その形が見えないということであります。 そこで、お伺いしたいのですが、さきの答弁では地域の主体的な取り組みに対する情報提供のため、地域と市のパイプ役の地域担当職員を配置しているということと、今年度は庁内の横断的連携と情報共有のための協働推進員を各課所に配置するとの説明がありました。そして、この協働推進員は地域担当職員や関係各課と連携する中で、問題解決に向けた活動支援や現場に出向いての支援など、地域と積極的に協働を進めるとのお考えが示されました。そこで、改めて次の2点についてお伺いいたします。 1点目として、各課所に配置される協働推進員の役割は何か、また各地域に設立されるまちづくり会議と具体的にどうかかわるのか。 2点目として、現場に出向いてということでありますが、協働推進員は公務としての職責を持って行政側の当事者として市民協働を行うと考えてよいものなのか、市のお考えをお聞きし、最後の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 片岡市民参加協働部長。          〔市民参加協働部長 片岡 文夫君登壇〕 ◎市民参加協働部長(片岡文夫君) 協働推進員につきまして幾つかご質問をいただきました。 平成23年に制定されました上田市の自治基本条例でございますが、この中で自治の基本理念としまして、1つとして「参加と協働による自治の推進」、そしてもう一つが「地域内分権による地域の自治の推進」、これを掲げております。そして、さらに市の職員の責務としまして、市民の視点に立った職務の遂行、そして市民の一員としてまちづくりに積極的に参加するよう努めると規定がされているところでございます。平成27年には、先ほど申し上げたこの自治基本条例の基本理念のうちの一つである「参加と協働による自治の推進」を実現するため、協働のまちづくり指針を策定したところでございます。この指針の中で協働推進員を置くこととしているものでございまして、その役割は、庁内横断的な連携や情報共有を図りながら協働の推進に取り組むというものでございます。 今年度設置を今検討しておりますこの協働推進員の役割でございますが、1つとしては、先ほどの指針を受け、協働推進に関する知識の習得と職場内での普及啓発活動、2つとして、住民自治組織を担当する地域担当職員との連携と情報共有、3つとして、自治会等の地域コミュニティーや地域住民からの協働に関する提案等への対応などを想定しているところでございます。 次に、住民自治組織とのこのかかわりでございます。住民自治組織の運営に関する相談支援は地域自治センター、また地域担当職員が現在対応し、あわせて庁内担当課とのパイプ役も務めていただいているところでございますが、今後設置を検討している協働推進員は、この担当職員への橋渡し役あるいは調整役として、またこの相談支援を行うほか、必要に応じて地域に出向いての活動支援を行うなど、地域と密接に連携できる体制となるように検討してまいりたいと考えております。 次に、協働推進員が公務かというご質問でございますが、先ほど申し上げましたように、この協働のまちづくり指針に基づいて設置をするもので、公務として協働推進の業務に携わるものでございます。なお、冒頭申し上げましたように、自治基本条例の職員の責務でございますこの市民の一員としてまちづくりに積極的に参加することが求められているということを踏まえ、積極的な参加についてまた促してまいりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 佐藤清正議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午前11時12分   休憩                       ◇                                午前11時29分   再開 ○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(3)教育行政について ○議長(土屋陽一君) 次に、質問第12号、教育行政について、池田議員の質問を許します。池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) きょう少々のどと鼻の調子が芳しくないので、お聞き苦しいところがあるやもしれません。その点はご容赦いただきたいと思います。 通告に従い順次質問いたします。まず、英語教育について伺います。今日本の英語教育は大きな転換期を迎えようとしております。大学入試ではセンター試験にかわり民間資格の英語検定やTOEFLあるいはTOEICを導入する方向で、読む、書く、聞く、話すの4技能を評価することになるようです。一方、小学校における英語教育も2020年度から、3、4年生は年間35時間の外国語活動を、また5、6年生は70時間の英語を教科として行うことが決まっております。上田市においては、2年前倒しをして来年度から先行実施をするということを決めているわけですが、この35時間あるいは70時間の授業時間をどのように確保するかということが大きな課題となっておりました。来年度の実施まで4カ月を切りましたが、授業時間の確保の仕方は、小学校に3つのオプションを示して選択をさせるというふうに聞いております。そのオプションの中身とはどのようなものか。また、教育委員会からオプションではなく、一つに絞り込んで市内の全小学校に示す考えがないかどうか。 以上お尋ねしまして、第1問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 英語の先行実施について、まずオプションについてのお尋ねでございます。 上田市では、平成32年度からの新学習指導要領への円滑な移行、また学年によって習熟度にできるだけ差が生じないよう、来年度から国が定めた全国一律の年間15時間の移行措置に加えまして、新学習指導要領による授業時間数を確保するため、さらに年間20時間を上乗せした先行実施に向け現在準備を行っております。この上乗せ分の授業時間の確保につきまして、本年度英語の免許を持つ小中学校の校長及び教頭4名、並びに3年生から6年生までの小学校学級担任12名から成る上田市小学校英語教科化推進委員会で研究が行われまして、先月の校長会及び教頭会におきまして、次年度のカリキュラム編成として3つのパターンの提案があったところでございます。 具体的に申し上げますと、本年度市内小学校では水曜日が5時間、水曜日を除く平日が6時間の合わせて29時間の授業を行っており、この授業時間数を維持したまま行う方法としましては、1つ目が、15分の授業を週3回行うモジュール授業の導入案、2つ目が、授業として行っていた児童会、クラブ活動を授業から朝の活動などへ29時間の中から移行させまして、そのあいた授業時間を活用する案、3つ目は、週の総授業時数を1時間ふやしまして、水曜日6時間、合わせて30時間とする案、この3案でございます。 その3案について教育委員会として一つに絞る考えはないかと、こういうお尋ねでございます。このパターンはそれぞれ、例えばモジュール授業につきましては、学習指導要領の内容を確実に実施できるかという面で不安な面もございまして、学力が定着しない可能性がないとも言えないと、こう考えておりまして、しっかりした指導計画をつくる必要がございます。他の2つの方法につきましてもメリットとデメリットがございまして、それぞれのパターンについては各校でしっかり研究してもらいたいと考えています。市が統一して示す考えはないかというご質問でございますけれども、各校学校規模、クラブ活動、児童会の日課など実施状況が異なります。また、次期学習指導要領実施のポイントとなるカリキュラムマネジメントという視点からも、統一せずに教育課程の責任者である学校長が各校の実情に合わせて責任を持って決定することとして、来年2月までには児童、保護者に説明をさせていただく予定でございます。 しかしながら、教育委員会としましては、先行実施期間中に各校の実施状況を集約し、成果が上がっているかどうか検証も行い、新学習指導要領のスタートに備えてどういうやり方が望ましいかは十分研究してまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 次に、ことし3月定例会の一般質問において、来年度からの小学校英語の教科化に向けて、私は上田市が市費で英語の専科教員を採用する考えがないかと、こういった質問をいたしました。これに対して教育長からは、国の方針に沿って上田市では市費採用はせず、担任の先生が対応する方針だという趣旨の答弁がございました。その後独自に市費採用している自治体を調査したところ、塩尻市では17年も前の平成12年度から英語教員免許所有者3名を市費採用し、平成18年には国際理解講師2名を増員しております。塩尻市に問い合わせをしたところ、この国際理解講師というのは、民間の語学学校などに勤務経験がある方で、教員免許の有無は問わないということです。さらに、小学校専属のALT1名を市費採用し、小学校の外国語活動に力を入れているところです。 上田市の教員の中には教えたことのない英語という教科を果たして自分は子供たちにしっかりと指導できるのだろうかと、こういった不安感はいまだ根強いようであります。塩尻市のような取り組みをしている自治体もある中で、上田市では来年度予算の中に小学校英語に対応できる専科教員の市費採用を盛り込む考えがないかどうか、改めてお尋ねいたします。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 英語の専科教員を市費で採用する考えはないかというご質問でございます。 専科教員の配置につきましては、本年3月定例会でもお答えしましたとおり、国も学級担任が授業を行うものとしていることから、市としての雇用は考えてはおりません。 なお、教科化に向け小学校で不安を持っている先生がいることも考えられますので、教育委員会としても本年度は小学校教員を対象に県外の小学校で英語教育を実践されている教員による研修会の開催、英語教科化推進委員による公開授業、英語教育担当指導主事の学校訪問及び授業支援、教職員ポータルサイトへの動画配信などを積極的に行ってまいりました。先行実施を行う来年度以降も小学校の先生方が自信を持って授業に臨むことができるための支援を今年度以上に行ってまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 来年度以降市費採用は今のところ考えていないというご答弁でした。 私、一昨年中学校に派遣をされている4名のALTと懇談する機会を得まして、彼らに話を伺ったところ、中学の先生とのコミュニケーションが十分にとれない、これは言葉の壁の問題もあります。と同時に、時間的な、先生方の多忙の中で時間的に十分とれないと、この原因両方あるようでした。また、授業のコンテンツの指示が十分に出されないなど、ALTの能力が十分に生かされないことに対する意見が多く出ておりました。教育委員会として、中学のALTの活用における課題をどのように把握されているでしょうか。 また、現在も小学校の外国語活動の中で中学のALTが派遣される機会がありますけれども、来年度からの教科化としての英語に指導助手としてALTを派遣した場合に、小学校の先生たちの中には英語による意思疎通が十分にできない先生もおり、授業の打ち合わせや教材検討などに支障を来すことも懸念されます。小学校へALTを派遣した場合、想定される課題は何でしょうか。 以上2点答弁願います。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) ALTについてのご質問でございますが、本年度は10名のALTを拠点校として10中学校に配置しまして、中学校での授業や中学校区内の小学校に派遣し、外国語活動を行っております。中学校における課題といたしましては、議員のご指摘にもございますが、先生方とのコミュニケーションと申しますか、意思疎通がなかなか難しいといった点が考えられます。これは、打ち合わせをする時間がとりにくいという時間的な課題もございますし、学習指導要領に沿った授業の内容をALTに十分伝えられないという言葉の問題も大きいものと考えています。 次に、小学校へ派遣した場合の課題といたしましては、こちらは中学校と違い、英語の免許を持っている専科教員がいないことから、さらに現場の先生方との意思疎通が難しくなるのではないかと懸念しているところでございます。 なお、これらの課題に対しましては、学校のみで解決することが難しい面も考えられますので、教育委員会として取り組むべきものと考えておりますことから、平成27年度からALTミーティングの定期的な開催、英語教育担当指導主事による授業指導を通じ、ALTへの教育の指導力向上を図っております。また、来年度からの小学校英語教科化に際しましては、英語による指導案例の作成を教育委員会として考えておりまして、この英語による指導案によりましてALTと短時間での打ち合わせで授業が展開できるようにしたい、こんなふうに考えているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) ただいまの質問に関連して1つお伺いします。 日本人で英語力が非常に高く、指導経験もあるような人材をALTに準じる指導助手として、あるいは国際理解講師として市費で採用することができれば、担任との打ち合わせなども円滑に行われるだけでなく、教員の指導力の向上が一層図られることになり、子供たちにより質の高い授業を提供できるのではないかというふうに考えます。専科教員ということではなく、あくまでも英語指導助手という立場でサポートをしていただければ、年間1人300万円かけるALTよりも費用対効果の観点からも英語教育における上田モデルの構築は市内小中学生にとって大変有益なことであろうというふうに考えます。このことについて教育委員会の考えをお聞かせください。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 日本人の語学助手についてのお尋ねでございます。 次期学習指導要領では、実際に英語を用いた言語活動を通じて体験的に日本語との違いを知り、言葉のおもしろさや豊かさに気づくことや、言語材料と言語活動を効果的に関連づけ、実際のコミュニケーションにおいて活用できる技能を身につけることが求められておりまして、そのためにもALTや、あるいは英語に堪能な人材を活用することの効果は大変大きなものと、こんなふうに認識しているところでございます。 英語教科化に際しまして、担任主導の授業にあってアシスタント役として外部の方に入っていただくことは大変有効だと考えておるところでございますけれども、そのアシスタントの力を十分に発揮させるためにも、まずは来年度担任主導の授業がしっかり行えるよう、教員の指導力向上を優先したいと考えているところでございます。 その際に現在雇用しているALTをどのように市内小学校に平準化して配置していくかを研究する中で、議員ご指摘の日本人の英語指導助手の活用なども含めまして、本格実施となる平成32年度を目指し研究してまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 市内の小学校で来年度からの外国語活動あるいは英語の授業の対象となる小学校3年生以上の学級数、これをざっくりと数えてみると200学級、つまり約200人の担任の先生が来年度から子供たちに対して英語あるいは外国語活動を担当するということになるわけです。これに対して全学級に指導助手を置くということは、200人もいるわけですから、これはかなり困難なことだというふうに思います。外国語支援ボランティアの活用というのも有効なサポート体制になるのではないかなと、このように思います。現在市内小学校において外国語活動支援ボランティアは、いる学校といない学校が混在しておりますが、その現状はどうでしょうか。また、外国語支援ボランティアを市内均一にするために、人材バンクの創設も提案したいというふうに考えます。教育委員会の見解はいかがでしょうか。 また、現在はボランティア保険のみ市で負担をしていただいておりますが、その他は全くの無償でそのボランティアが行われております。このボランティアに対してガソリン代プラスアルファ程度の有償とすることについての見解をあわせてご答弁願います。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 学習支援ボランティアについて何点かお尋ねをいただきました。 外国語活動を支援していただいているボランティアにつきましては、現在6小学校に計8人でございます。発展的な学習に寄与していただいていることに教育委員会としても感謝しているところでございます。教科化に伴う指導体制につきましては、教育課程に沿った展開が求められることから、ボランティアの位置づけや役割も今後変わってくる面もあると考えています。 しかしながら、授業に幅を持たせるためには英語が堪能な日本の方、また地域の人材の活用は重要な観点でもございますことから、人材バンクという組織化も含め、どのような指導体制をとるか、今後研究してまいりたいと考えています。 なお、有償化についてのお話でございますが、これにつきましては他のボランティアとの兼ね合いもございますので、将来的な課題とさせていただきたいと考えているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) さて、英語が教科化になるということは、テストを行い、通知表などで評価をするということを意味します。これは、英語嫌いな児童をつくり出してしまう危険性をはらんでいるという指摘も一部ございます。確かに英語は中学生になると3年間で大変大きな差がつく教科の一つであると、そういった現状もありますが、中学入学前にそういった子供をつくってしまうのでは何のための小学校の英語教科化なのかわからなくなります。この評価の仕方にはある程度の配慮が必要だというふうに思います。 そこで、お尋ねいたしますけれども、小学生英語の評価はどのような基準に基づいて行うのか、また小学校の段階で英語嫌いをつくらない方策についての考えはどうか。 以上2点お尋ねいたします。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) まず、英語の評価の問題でございますが、評価基準といたしましては、英語を使って何ができるようになったかという観点から、CAN―DO形式の評価が行われることとなります。これは、単なる数値の評価ではなく、児童一人一人のよい点や可能性、進歩の状況について、日々の教育活動や総合所見等を通じて記述形式で児童に積極的に伝えていくものでございます。平成32年度からの本格実施に当たりましては、国が示す評価基準によるものとなりますが、先行実施期間中の評価は暫定的なものでございますため、教育委員会でもCAN―DO形式をもとに統一した評価基準を作成し、記述式で行いたいと考えています。また、評価方法の研究及び指導も同時に行ってまいりたいと考えているところでございます。 児童が英語嫌いにならないための方策というご質問でございますが、これは英語のみならず他の教科にも言えることだと思いますけれども、1つに、苦手意識を持たせないことが大切ではないかと考えています。児童にとって英語は新鮮なものでありまして、初めて出会う児童も多い、こんなふうに考えています。小さな子供が日本語を少しずつ理解し話せるようになるのと同様、英語も使うことで単語を覚え、人に伝えることで理解が深まるものと考えています。小学校の英語教育は、体を動かしたり、リズムに合わせて発声したりと、楽しみながら授業を行う中で英語を使うことになれ、英語を使って何かができるという楽しさを実感できるものにしていくことが大切ではないかと考えているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 先行期間では記述式による評価というふうに受けとめました。また、32年度以降は国の新しい基準によって評価するという答弁だったかと思います。 来年度から導入される教科書、この教科書のタイトル「WeCan!」というのですが、この「WeCan!」をネット上から私はダウンロードして読み込んでみました。気づいたことを少々申し上げたいというふうに思います。 まず、そのボリュームの多さという点です。小学校5、6年生の年間70時間という時間の中で指導書のとおりに進めるには、子供たちに相応の宿題も絡めていかないとやり切れないというのが率直な感想であります。次に、音の問題では、子供たちに音声の違いに気づかせる場面というのがあるのですが、こうしたことを丁寧に扱うには、担任の先生は相当教材研究に時間を割かなければならなくなるだろうと、このように感じます。英語力の不足する教員のスキルアップは当面のところ大変大きな課題であろうというふうに思います。 先行実施をした塩尻市では、これまでの取り組みから見えてきた課題をレポートにまとめておるわけですけれども、その一部を読んでみると、担任のコミュニケーション力や英語力により学級間で活動の差異が大きい、よって担任の英語使用頻度の向上が必要である、こうした指摘がありました。来年4月から上田市でもこうした課題は現実問題として出てくるであろうというふうに思います。上田市として教員の英語力向上は待ったなしの状況だというふうに思いますが、この課題に対して教育委員会としてどのように取り組んでいくのか、お尋ねいたします。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 来年度からの英語力の向上についてでございますが、専科教員の配置を考えておりませんので、授業は担任が行うことになります。教員の英語力向上は重要な課題でございます。また、担任の力量により授業内容に差が生じることがないように取り組む必要があると考えているところでございます。来年度から導入される新教材は、これは平成32年度からの完全実施を想定してつくられているものでございますので、先行期間中にその内容全てを授業で扱うことは大変困難な場合も多いと、こういうふうに思いますけれども、学年による習熟度に配慮しつつ、先行実施中に確保した授業時間数を有効に活用して取り組んでまいりたいと考えています。 英語力向上につきましては、やはり先生方に力をつけていただくことが一番でございますので、教育委員会としても研修機会の充実、全体計画や指導案例の作成を行うほか、学校現場での英語の使用頻度を高めるため、ALTを小学校に配置する機会をふやすなど、先生方の英語力向上に向けて今後積極的に取り組んでまいりたい、こんなふうに考えているところであります。よろしくお願いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 来年度からの英語の教科化についてさまざま今お尋ねいたしましたけれども、新たな試みが始まるわけですから、その試行期間の中で試行錯誤を繰り返しながら、年々ベターなものにしていこうという姿勢は理解いたします。ただ、子供たちにとってその学年は彼らの生涯の中でたった一度しかない、その一学年がですね。上田市の未来を担う子供たちのために、予想される課題はできるだけ早い段階で解決をして、指導体制の完成度をより高めていただきたい、このことはお願いしておきます。 次に、市内中学校の部活動について質問を移します。平成26年に長野県では長野県中学生期のスポーツ活動指針の中で、過熱する部活動にならないよう、中学生が規則正しい生活を送れることを重視し、この指針をリリースいたしました。一方、ことしは過労死などの過重労働に起因する痛ましいニュースも大きく取り上げられ、国は働き方改革を推進する方針を打ち出しました。とりわけ部活動の顧問をしている多くの先生たちから部活動のあり方を見直してほしいという声が現場から上がるようになってまいりました。月100時間を超える残業や休日出勤の実態などが多数報告され、教員の過重労働を改善すべきという論評がさまざまなところでふえてまいりました。こうした動きを受けてスポーツ庁は、年度内にも練習時間や休養日のガイドラインを作成し、教員の働き方改革につなげていく考えのようです。 そこで、お尋ねいたしますけれども、市内中学校における中学生期のスポーツ活動指針がどの程度遵守されているのか、把握はされているのか、またその状況はどうでしょう。 次に、中学生期のスポーツ活動指針の中では、練習時間が十分に確保できない冬季、この冬場の、日の短い冬場ですね、この冬季は通常認めていない朝練習を認めているということから、放課後の練習は学校の定める時間までで終了するものだというふうに私は理解をしておりました。しかしながら、市内中学校では数年前からこの冬場、冬季に保護者の送迎を条件とする延長部活というものが行われております。教育委員会はこの存在を把握しているでしょうか。また、この延長部活はこのスポーツ活動指針の許容する範囲の活動だというふうにお考えでしょうか。 さらに、保護者の送迎を条件にしておりますが、送迎中の事故に対する責任の所在等補償の適用範囲、例えば親御さんが送り迎えできない時間帯で、ほかのチームメイトを同乗させているといったようなケースも含めて、その責任の所在と補償の適用範囲はどうなっているのか。加えて、土日に部活の遠征や練習試合で保護者が部員を同乗させていく場合に発生した事故の責任の所在はどうか、それぞれ教育委員会の見解をお尋ねいたします。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 初めに、部活動のガイドラインの状況でございますが、議員ご指摘の平成26年2月に長野県教育委員会が示しました長野県中学生期のスポーツ活動指針につきましては、上田市教育委員会では中学生の望ましい生活のあり方を考えることが重要であるという観点から、部活動を行う上において守るべきガイドラインとしておりまして、指針に沿った活動を行うように各中学校の校長を指導しているところでございます。 ご質問の把握につきましては、県教育委員会において毎年中学校運動部活動調査を実施しております。その調査結果につきましては教育委員会でも把握しておりまして、指針を尊重した部活動を行っていると、こういうふうに判断しているところでございます。 次に、延長部活につきましては、日没の関係で下校時間が早くなっている冬期間に特例として部活動の時間を延長することによりまして練習時間を確保していることでございまして、これは承知しておるところでございます。教育委員会としては、指針に規定された活動時間を遵守するように各学校長に指導をしております。延長部活を実施するに当たり、生徒の下校の安全確保のため保護者に送迎をお願いしているところでございまして、年間計画や月間予定で延長部活については生徒、保護者には十分ご理解をいただいていると考えておりますので、指針で示す活動基準を逸脱するものでないという判断はしております。 なお、生徒の登下校中の災害につきましては、日本スポーツ振興センターの災害共済の給付の対象となりますけれども、自動車に関する事故につきましては、日本スポーツ振興センターの災害共済給付と運転者の自動車損害賠償責任保険との調整が当然必要になってくるものと考えています。 ○議長(土屋陽一君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 私は、義務教育期にある子供たちは保護者の送迎なしで自分の力で、徒歩であったり、自転車であったり、自分の力で基本的には帰宅をするということがまず基本だろうというふうに思います。日のあるうちに安全に生徒を帰宅させることが学校の責任でもあろうというふうに思います。 ただいまの教育長の答弁の中で、保護者が運転して送迎のときに起こした事故については、責任の所在、もう一度お伺いしたいのですが、責任の所在は学校あるいは教育委員会がその事故に対する責任を負える範囲だというふうにお考えなのか、そうではないのか、そこのところもう一回明らかに答弁してください。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 今の質問にお答えいたしますけれども、自動車運転をした場合につきましては、運転者の自動車賠償責任保険というものがまずございまして、それと日本スポーツ振興センターの災害共済給付というものがございますけれども、まず運転者の自動車賠償責任保険の対象という形になるものと、こんなふうに理解しているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 運転中のその事故については、その運転者の任意保険による補償だというふうに私今理解をいたしました。ということは、学校の、あるいは教育委員会の責任の範囲からもう既に外れているものだと。ほとんどの場合、保護者の送迎というのは車によって行われます。それで、その保護者の送迎を条件につけなければならないような部活動というのは、本当にこの義務教育期にある中学生に許容される活動だというふうにお考えでしょうか。この点もう一度お聞かせ願います。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 学校教育の一環として行われる運動部活動につきましては、スポーツに興味と関心を持つ生徒が技能や記録に挑戦する中で、心身の健全な成長と豊かな学校生活を営む重要な役割を担っていると、こういうふうに考えているところでございます。当然学校は安全等に十分配慮して行うべきと考えておりますけれども、部活動の運営につきましては、保護者の方や地域の人々との協力が欠かせないという面もございますことから、活動目標や活動指針、年間計画などを十分説明して保護者のご理解とご協力を得ながら実施していく必要があると考えておりますので、先ほども答弁申し上げましたが、現状では許容されるものと判断しておりますけれども、今後も成果や課題をしっかり評価し、部活の過熱化というような問題もあわせて考えながら改善し、活動を進めてまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 越境のことはちょっと後回しにします。 11月5日付の毎日新聞に「部活のあり方にノーの声を上げ始めた先生たち」と、このタイトルで特集が掲載をされておりました。活動時間無制限のブラック部活、部活顧問をしているご主人が土日も家にいない部活未亡人、部活に忙殺されて結婚できない部活未婚など、過度な部活動が教員の生活を脅かす実態も出ているようです。こうした状況の中で、本来先生たちが優先しなければならない子供たちに確かな学力をつけさせると、そういういい授業ができるわけがありません。学校や教員が本来の仕事の本質を見失った結果、子供たちの学力に影響を及ぼしてしまうような状況も大きな懸念です。先生たちは生徒のことを思えば、大きな自己犠牲を払っても頑張ってしまうものだというふうに私思います。 働き方改革が叫ばれる中で、教育委員会として部活の実態把握、そして指導を徹底すべきと思いますが、その見解をいま一度伺います。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 学校教育における部活動の目的は、スポーツや文化芸術に親しむとともに、楽しさを味わいながら学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養にも資するものでありまして、好ましい人間関係の育成を学ぶ貴重な場であるというふうには認識しております。教育委員会としましては、中学校生活が規則正しく、また健康的かつ心身の健全な成長と豊かな学校生活の実現に向けて、県が行う中学校運動部活動調査の結果を把握した上で、指針に沿った活動となるように適切な指導をしてまいりたいと考えています。 また、今年度県では教員の多忙化を改善する観点から、学校における働き方改革推進のための基本方針を示しています。その中で、活動方針の基準に沿った部活動の運用の徹底が盛り込まれておりますことから、教師自身も自分の健康やワークライフバランスを考えながら部活動の指導をするように、学校長を通じて指導してまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) 私これまでに何度か過熱する部活動を正常化し、学校の中で先生が生徒とじっくりと向き合える心のゆとりを取り戻していただきたいと、こういった趣旨で何度か申し上げてまいりましたが、実際にはなかなか改善が見られてまいりません。 そこで、私自身どうしてこうなってしまうのかなということをじっくり考えてみました。過度な部活が学校へ持ち込まれる背景の一つに、地域における社会体育のクラブチームの不足があるのではないのかと。本来あるべき中学校の部活動だけでは満足ができない、あるいはスポーツによって自己実現を目指したいという指導者や生徒、保護者が一定程度いるという現状を踏まえると、この際競技力をつけること、強くなることを全面的に認めるクラブチームの創設が不可欠だと考えるに至りました。言うまでもなく国もオリンピックや国際大会で金メダルを初めとする上位入賞者を育成したり、プロのスポーツ選手を輩出することを念頭に置いており、スポーツ振興は重要な国の施策でもあります。ただ、学校教育の中における部活動の本来の目的と、スポーツ振興における競技力の高いスポーツ選手を育成するという目的は、互いに不一致の側面を持ち合わせているにもかかわらず、この両者が混然一体となって中学校の部活動に持ち込まれているということが学校の部活動にさまざまな矛盾を生み出しているわけです。 このように考察してみると、部活動と社会体育の線引きを行い、社会体育の中に各種種目、競技種目が好きなだけ行えるクラブチームを創設することこそが部活動の適正化及び教員の多忙化、あるいは負担感を根本的に解決できる唯一の方策ではないかというふうに私は考えます。このことについて教育委員会の見解を伺います。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 勝利至上主義とクラブチームについてのご質問でございます。 学習指導要領におきましても、部活動は学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意することと、こういうふうに明記されておりまして、勝つことだけが目的ではなく、仲間と互いに競い合い、励まし、協力する中で公正さとか規律を学ぶ場であることから、教育委員会といたしましては、中学校の部活動はあくまでも県が示す指針に沿って適切に運用されるべきものであると、こう考えております。 しかしながら、生徒や保護者の中にはより高い水準の技能や記録に挑みたいという目標を持つ場合もございますので、議員ご指摘のクラブチームや総合型地域スポーツクラブなどに参加する方法が考えられます。ただ、クラブチームやスポーツクラブは中学校体育連盟主催の大会に出場することができませんので、練習の成果を発表する場が非常に限られてしまうという点もございます。教育委員会としましては、県が示した学校における働き方改革推進のための基本方針の中で、中期的な取り組みとして総合型地域スポーツクラブの整備や地域の指導者の育成など、地域の取り組みを支援することを方針としていることもありますので、関係各機関と連携しまして、部活動以外のスポーツ活動の場の提供にこれも努めてまいりたいと考えているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 池田議員。          〔14番 池田 総一郎君登壇〕 ◆14番(池田総一郎君) ぜひ学校教育の中の部活動、そして競技力向上のためのスポーツクラブチーム、この切り分けをしっかりとしていただきたいと、こんなふうにお願いしたいと思います。 最後の質問になります。海外では子供に複数のスポーツに親しませるということが一般的に行われています。現在部活に入ると、なかなかそういう希望があっても、通年、一年を通して一つの所属しているその競技に縛られていると。したがって、例えば夏場に野球やったり、サッカーやったりする、そして冬にはスキーやりたいと言っても、なかなかそういう機会に恵まれないというのが現状であります。さまざまなスポーツを経験するということも人間形成の中でこういった中学生期の子供たちにとっては大事なことではないかなというふうに思います。こうした多様性が認められる部活動のあり方について、教育委員会の見解はいかがでしょう。 以上お尋ねして、私の質問を最後にします。 ○議長(土屋陽一君) 小林教育長。          〔教育長 小林 一雄君登壇〕 ◎教育長(小林一雄君) 議員ご指摘のとおり、中学校の部活動以外のスポーツ、あるいはそういうものに限らず文化芸術活動を経験することは、仲間づくりや生涯に及ぶ学習、健康づくりの面から非常に有意義なことだ、こう考えています。また、部活動は生徒の自主的、自発的な参加により行われるべきものでありますから、それぞれの活動が適切かつ継続的に実践できることが重要であると承知しているところでございます。 しかしながら、現在中学校で行われる部活動において、その競技しかできないというようなご指摘のような状況があるといたしましたら、校長会等を通じまして生徒の自主性が尊重される部活動のあり方を協議し、指導してまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。 ○議長(土屋陽一君) 池田議員の質問が終了しました。 ここで午後1時まで休憩といたします。          午後 零時13分   休憩                       ◇                                午後 1時00分   再開
    ○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(4)市政について ○議長(土屋陽一君) 次に、質問第13号、市政について、金子議員の質問を許します。金子議員。          〔7番 金子 和夫君登壇〕 ◆7番(金子和夫君) 通告に従い質問いたします。 冬の到来で火を使う機会がふえ、火災が心配な季節になりましたが、火災を起こさないことが最も大切ですが、実際には火災が起きてしまった場合にいかに早く消して被害を最小に抑える対応が求められます。私が現役消防団であった丸子町時代の実際に経験した恥ずかしい事例ですが、私の所属する分団で年末の仕事納めの日に火災が発生いたしました。前夜からの雪で道路は圧雪状態でありました。火災現場で隣の東部町から応援に駆けつけていただいた東部町消防署のポンプ車に消火栓からの水利を求められ、消防器具庫からホースを取り出し、消火栓に連結しようとしましたが、消火栓が見つかりません。近くにいたお年寄りに消火栓の所在を尋ねたところ、そこら辺にあるはずだがと言われましたが、見当たりません。何人かに聞いたときに消火栓が地下式に変更になったと教えられ、とびくちやスコップで周囲の圧雪を掘りましたが、地下式消火栓を掘り当てることができず、遠く離れた消火栓から水利をとらざるを得ませんでした。 日ごろ目にしているのは、従来からの地上に立っている消火栓しか確認できません。現在地下式消火栓を設置する場合の条件は何かを伺います。都会では地下式消火栓設置場所がわかるように地上に標識で示されておりますが、地下式消火栓のふたへの表示以外の工夫や、地域住民への伝達の状況はどうなっているのかを伺います。 ちなみに、地下式消火栓の写真をごらんください。地下式消火栓のマンホールには消防自動車の絵が描かれております。また、消火栓器具庫の中には地下から地上までの立ち上げと、地下式消火栓のホースの接続方法のマニュアルが設置されております。 次の質問に移りますが、地域の消防力向上のために、消防団経験者が退団後も地域活動に積極的に参加することが望ましいと考えますが、他市町村では機能別消防団のような組織を組んでいるところがありますが、私は機能別消防団的な組織は必要ないと考えております。上田市でも自治会によってばらつきがあると思われますが、消防署職員経験者、消防団経験者、防災士等々自主防災組織で活躍されている事例もお聞きしますが、退団後の消防団経験者をもっと地域で活用できる仕組みが望まれます。実際の火災現場を発見し、もしくは居合わせた場合の消火活動への協力方法をお尋ねしますが、消防団経験者であれば初期消火に協力することは可能だと思われます。現役消防団でなくても消火活動にかかわることは可能なのかを伺います。 ○議長(土屋陽一君) 長谷川消防部長。          〔消防部長 長谷川 好明君登壇〕 ◎消防部長(長谷川好明君) ただいまは消火栓についてのご質問等々いただきました。 消火栓は消火活動に必要な消防用水を供給するための設備で、地上式消火栓と地下式消火栓の2種類に分けられます。それぞれ文字どおり地上式は本体が地上に立ち上がっておりますので、非常に目立つことで容易に位置の特定ができ、操作も当然容易でございます。逆に地下式消火栓は、議員がかつて経験されたように、降雪時には設置場所がわかりづらく、マンホールを開いてから操作を行うというデメリットもございます。それぞれこのような特徴を持ち合わせておりますが、市街地におきましては交通事情の変革によりまして地上式消火栓を破損する交通事故が多発したり、また他市の事例ではございますが、自転車で歩道上の地上式消火栓に衝突した子供が大けがをしたというケース等が発生しており、その当時から当市におきましては、市街地における危険性のある地上式消火栓を地下式に変更するという取り組みを実施してまいりました。 また、近年では消火栓の用地について貸借関係を結んで設置していたものが、世代がかわったことにより用地の返還を求められたり、また移設等の要望もございまして、直近の公道上に地下式に変更して設置するという状況もございます。 このようなことで、地下式消火栓を設置するための条件というものは特段ございませんが、その地域の実情を勘案しまして設置しておる状況でございます。ただし、近年では地下式消火栓の設置が多くなってまいりました。 なお、現在の消火栓の設置状況につきましては、上田市全体で4,666基が設置されておりまして、そのうちの地下式消火栓は1,632基で、全体の35%でございます。また、地域ごとの地下式消火栓の設置率は、上田地域では60.2%、丸子地域では6.2%、真田地域では1.6%、武石地域では0.3%となっており、市街地の多い上田地域においてはやはり地下式消火栓が多いという状況でございます。 次に、消火栓の設置場所をわかりやすくするために標識等を立ててはということでございますけれども、地上式消火栓の地下式への変更と同様に、市街地においての設置というのは現在上田市では行っておりません。しかしながら、消火栓の約90%には付近に消火栓用の器具箱が設置してございます。それがある程度の目標になるものと考えております。また、消火栓器具箱は自治会の管理となっておりますが、箱の中には放水用の筒先、ホース及び消火栓開閉器などが収容されまして、そのほか地元の消防団員の皆さん等によって消火栓の位置図やその写真を入れたファイルが扉の内側に貼付され、冬場の除雪などに大きな効果を発揮しておりますことから、ぜひその普及に努めてまいりたいというように考えております。また、降雪時には常備消防でも早急に除雪の対応を講じておりますが、消防団や付近住民の方々にも除雪の協力をいただいているところでもございます。 次に、地元の住民に対する消火栓等の設置の周知ということでございますけれども、消火栓を設置する際には、自治会長初め近隣の方に立ち会いをいただいております。設置場所を決定するとともに、設置が完了した段階では文書をもちまして地元の自治会、また分団長宛てに通知をいたしまして、回覧板等を通じまして地域の住民の皆様にも周知をしているところでございます。 次に、火災現場におきます消火の協力ということでございますが、火災現場での消火の協力ということにつきましては、まず火災を発生させた者、それと及びその関係者につきましては、消防法上通報の義務、また消火の義務、そして人命救助の義務がございます。また、現場付近にいる方につきましては、初期消火等に協力する努力義務があることから、消火栓等の消防水利は有事の際に初期消火のため地域の皆さんが積極的に使用していただくものであるというように認識しております。そのようなことを考えて、付近の住民の皆さんたちにも消火栓の取り扱い訓練を行っていただきまして、現在地域防災力の向上ということにも努めているところでございます。 市といたしましては、議員が冒頭おっしゃったとおり、まずは火災を発生させないことが一番であることから、火災予防に対する啓蒙というものをより一層深めるとともに、自主防災組織等の訓練指導も充実をさせてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(土屋陽一君) 金子議員。          〔7番 金子 和夫君登壇〕 ◆7番(金子和夫君) 答弁をいただきました。日ごろ車で走っているときに消火栓を目にしているわけでありますけれども、地下式の消火栓がこんなに多いということを私自身知りませんでしたし、また火災現場に出くわした場合には、現役消防団、また消防署の皆さんに迷惑にならないように初期消火にかかわりたいと心に誓いました。 次の質問に移ります。午前中の久保田議員の質問と重なり、大分重複しておりますけれども、お許しをいただきたいと思います。上田市塩川の陣場台地にある大手ワインメーカーメルシャン株式会社の自社管理農場のマリコヴィンヤードに椀子ワイナリー建設が決定いたしました。長野県が推進する信州ワインバレー構想においては、今まで上田にワイナリーがなかったために具体的な動きはできませんでした。このたびの椀子ワイナリー建設決定に至る経緯として、2003年からマリコヴィンヤードでワイン用ブドウの栽培が始まり、これまでにもマリコヴィンヤード産のブドウから醸造されたワインがマリコシリーズとして発売され、国際舞台でも数々の賞を獲得してきたことからも、我が上田市塩川藤原田地域陣場台地が欧州系ワイン用ブドウの栽培地の適地であることが証明されたからにほかなりません。 10月17日に記者会見で塩尻市と上田市にワイナリーの建設が同時に発表されました。塩尻市は1938年、昭和13年にメルシャン塩尻セラーが設立され、1976年、昭和51年より桔梗ヶ原地区で欧州系ブドウ品種メルローの契約栽培を始め、2015年、平成27年からは新たに片丘地区に9ヘクタールのブドウ畑を開園いたしました。塩尻市の桔梗ヶ原ワイナリーに醸造設備は新設いたしますが、一般への開放日を限定して、車庫のような小規模なスペースでつくるガレージワイナリーを建設すると発表されました。 上田市の椀子ワイナリーは、マリコヴィンヤード及び北信エリアのブドウを醸造し、周囲360度をブドウ畑に囲まれた絶景の中から、栽培から醸造までを一貫して見学できるワイナリーとして、セラードアからブドウ畑を一望できる見晴らしのよいテイスティングルームを設置し、ブティックワイナリーでシャトー・メルシャン勝沼ワイナリーに次ぐ中規模かつ品質志向を持つワイナリーを新設するとのことであります。 今後は新たな観光の起点になると予想されますが、上田地域周辺に目を向けると、千曲川ワインバレー構想の一角にあり、近隣市町村に点在するワイナリーや関連施設との回遊が見込まれます。本年の小諸市にあるマンズワイン小諸ワイナリー収穫祭に参加してまいりましたが、当日は天候に恵まれなかったのですが、多くの来場者と大型バスによる来場の多さに驚かされました。例年マンズワイン小諸ワイナリー収穫祭には6,000人ほどの来場があると工場長からお聞きをいたしました。近隣ワイナリーや高速道路からの椀子ワイナリーへの誘導ルートや道路整備が急がれるところであります。千曲川ワインバレー一帯の菅平高原の根子岳、四阿山から浅間山までを見渡せる信州国際音楽村への国道152号の長瀬北街道東郷橋入り口交差点から小牧線に入り、生田茂沢交差点の改修も終了し、信州国際音楽村への取りつけ道路も開通し、丸子地域の大型バスへの対応も進んでおりますが、これからは椀子ワイナリーまでの大型バスへの対応も必要であります。 また、農産物直売所あさつゆや、トランプ大統領来日時に飲まれたマンズワインソラリス信州東山カベルネ・ソーヴィニヨンのワイン用ブドウの契約栽培をしている畑の近くにある東山観光農園や、鹿教湯温泉、別所温泉との連携や、今後開催が見込まれるであろう近隣市町村とのワインイベントの同日開催等について働きかけを行う考えがあるか伺います。 ○議長(土屋陽一君) 中澤農林部長。          〔農林部長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎農林部長(中澤勝仁君) まず、椀子ワイナリー予定地へのアクセスについてでございますが、国道18号や国道152号などの幹線道路から主要地方道丸子東部インター線や、通称千曲川ビューラインを経由したルートなどが想定されます。その後椀子ワイナリー建設予定地に接する道路であります市道陣場6号線を経てワイナリーに到着することとなります。ワイナリーが完成することにより多くのお客様がお越しになり、大型観光バスも立ち寄る目的地の一つになると考えてございます。議員ご指摘のとおり、今後ワイナリーに向かう大型観光バスが安全でスムーズに乗り入れするには、この市道の道路改良が必要であると考えておりますが、市道の改良に当たりましては、地権者の皆様あるいは関係者のご理解、あるいは財政的な負担も発生することから、市といたしましては早期に関係部署と検討してまいりたいと考えてございます。 続きまして、あさつゆ、東山観光農園等の各施設や別所温泉、鹿教湯温泉等の団体との連携についてでございますが、先日行われました記者会見では、シャトー・メルシャンの2大ビジョンの一つとして、日本ワインの世界的飛躍というものと、2つ目といたしまして、ブドウ生産地、地域との共生というものが発表されました。特にブドウ生産地、地域との共生につきましては、CSVの実践を核とし、ブランドを通して人や社会とのつながりを持ちまして、地域活性化への貢献活動を積極的に実施するとのことであります。このCSVとは、クリエイティング・シェアード・ヴァリューの略でございますが、社会と企業が共有できる価値を生み出すことと定義されておりまして、メルシャン株式会社の親会社でございますキリン株式会社が進めております社会貢献事業の中核をなすものとされておるところでございます。 キリン株式会社では、岩手県遠野市におきますビールの材料でありますホップを通じたTKプロジェクトを初めとしまして、長崎県佐世保市や新潟県長岡市など全国各地でこのCSVを通じた地域への社会貢献事業を行政とかかわりながら進めているとお伺いしているところでございます。 例えば、遠野市でございますが、社会的には遊休荒廃地の解消ですとか新規就農者の獲得、また集客力のあるイベントに成長いたしました遠野ホップ収穫祭など、地域の活性化が図られており、また企業的には国産ホップを使用するという付加価値がついた商品が開発されることで、ブランド化や他商品との差別化が図られるなど、社会と企業が共有できる価値がたくさん生み出されていると伺っております。 今回椀子ワイナリーの建設に当たりましては、この取り組みを上田市においても進めたいという意向が示されたことは大変ありがたいものと認識しておるところでございます。今後具体的に椀子ワイナリーを起点としたCSVの取り組みがなされる場合には、市としても積極的にかかわる中で、各施設や各団体との連携を図りながら、さまざまな産業を有機的に結びつけて地域社会の活性化につなげてまいりたいと考えてございます。 次に、近隣市町村とのワインイベントの同時開催等の働きかけについてでございますが、現在地域で行われております広域的なワインイベントといたしましては、千曲川ワインバレー特区連絡協議会が主催いたしますイベントがございます。上田市では先日ワインメーカーとワインを楽しむ会イン丸子が開催されましたが、これまでも丸子地域においては陣場台地研究委員会の皆様などが中心となったイベントが継続的に開催されてきました。また、小諸市では、先ほど議員ご紹介のマンズワイン小諸ワイナリー収穫祭、東御市では東御ワインフェスタなどがございます。 議員ご提案のこれらのイベントの同時開催につきましては、近隣市町村で協議できる場といたしまして、千曲川ワインバレー特区連絡協議会がございますので、椀子ワイナリーの建設を見据える中で、まずは千曲川ワインバレー特区という範囲におきまして特区内ワインの知名度向上や集客による交流人口の増加を目的としたイベントの開催に向けまして、どのような方法が考えられ、何が効果的なのか等の調査研究から進めてまいりたいと考えてございますので、どうぞよろしくお願いいたします。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 金子議員。          〔7番 金子 和夫君登壇〕 ◆7番(金子和夫君) 答弁をいただきました。 キリンビール、メルシャンの持っている資産、そしてこの上田地域、マリコヴィンヤードが持っている資産、それぞれのいいところを持ち寄って、どうかこの上田地域の発展に役立てていただきたいものであります。椀子ワイナリー建設が決定したことにより、千曲川ワインバレー地域に大きな影響を与え、この地域が一体となってワインイベントが開催されることを楽しみにしております。 冒頭にも触れましたが、上田地域がワイン用ブドウの栽培に適していると立証される遊休農地でのワイン用ブドウ栽培への期待が高まるが、ワイン用ブドウが収入につながるまで時間を要するために、新規に参入するには障壁が高いわけでありますが、椀子ワイナリーが建設されるマリコヴィンヤードの周辺や近隣の遊休農地解消やワイン用ブドウ栽培への新規就農者をふやすためにも、椀子ワイナリーや千曲川ワインバレーの既存のワイナリーで醸造することにより安定した収入の見通しにつなげるために、ワイナリーとの契約栽培の形式をとることが理想的だと考えられますが、椀子ワイナリーや地域のワイナリーとの契約栽培での遊休農地解消や新規就農者への支援への見解はどうか伺います。 ○議長(土屋陽一君) 谷仲丸子地域自治センター長。          〔丸子地域自治センター長 谷仲 英彦君登壇〕 ◎丸子地域自治センター長(谷仲英彦君) 塩田地域の東山地区や丸子地域陣場台地のマリコヴィンヤードのように、この地域周辺は降水量が少なく、日照時間が長く、また昼夜の寒暖差が大きいという気象条件などから、ワイン用ブドウの栽培適地とされております。この地域で栽培されたブドウから大手ワインメーカーにより評価の高いワインが醸造されていることから、新たにワイン用ブドウの栽培を行おうという方からは大変注目される地域となっております。 2015年には東御市に小規模ワイナリーを起業する人材の育成を目的として、ワイン用ブドウの栽培とワイン醸造、ワインの起業と経営について学ぶための千曲川ワインアカデミーが設立されております。ここで学ばれた方を含め千曲川ワインバレー内で就業する方も多く、現在上田市内においては8名の方、上田地域に5名、丸子地域に3名の方がワイン用ブドウの栽培に取り組まれております。 新規にワイン用ブドウの栽培に取り組まれる方の多くは個人ワイナリーの設立を視野に入れておられます。しかしながら、ワイナリーの設立までには、議員ご指摘のとおり、多額の資金を要すること、苗木の確保が大変難しい状況にあること、果樹であることから、定植してから収穫できるようになるまでに年数がかかること、そしてその間の収入の確保はどうするかなどさまざまな課題がございます。 こうしたことから、ワイン用ブドウの栽培からワインの醸造に関しましては、大きく分けて3つのやり方が考えられるところでございます。まず1つ目として、アカデミーの受講者の多くが理想としているように、みずからワイナリーを設立し、栽培から醸造まで一貫して行ってワインを世に出すというやり方、2つ目として、ひとまずはワイナリーは持たずに、自身の栽培したブドウを近隣のワイナリーに醸造を委託することにより、みずからのブランドのワインを世に出すというやり方がございます。近隣のワイナリーといたしましては、千曲川ワインアカデミーのワイナリーであるアルカンヴィーニュを初め、委託醸造を受け入れる体制もございますので、当面はこうしたやり方が主流になるものではないかと考えられます。 3つ目といたしましては、ワイナリーの設立を目的とせず、ワイン用ブドウの栽培をワインメーカーとの契約によって行う契約栽培というやり方がございます。なお、この契約栽培を行いたいという意向をお持ちの方は、現在丸子地域にはおらない状況となっております。契約栽培は、ワインメーカー側の求める品質など非常にハードルの高い諸条件について農家側が応えていく、応じていく必要がございまして、ワインメーカーと栽培農家との相対での契約によって成立するものであります。ちなみにというお話になりますが、メルシャン株式会社からお話をお聞きしましたところによりますと、メルシャン株式会社といたしましては、将来的には契約栽培も検討する場合もあろうかと思うけれども、現在は自社農場の管理運営を最優先させたいとのことでございました。したがいまして、市といたしまして契約栽培の橋渡しということに関して積極的に関与していくことにつきましては、現時点では難しいのではないかというふうに考えております。 上田市にワイナリーができることによる波及効果といたしまして、ワイン用ブドウの栽培適地である地の利を生かした農業経営を行いたいという方がふえる状況になれば、地域の振興、活性化はもとより、遊休荒廃農地の解消、その利活用が進むという効果も期待されるところでございます。市といたしましては、今後ワイン用ブドウの栽培などに取り組みたいという方に対しましては、苗木、トレリス等栽培に必要な資器材の購入、設置費用に対する市の補助制度等もございますので、これらの活用を促していくとともに、また農地の貸し借り等についても積極的に相談に乗るなど、遊休荒廃農地の解消につながるよう取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(土屋陽一君) 金子議員。          〔7番 金子 和夫君登壇〕 ◆7番(金子和夫君) 答弁をいただきました。新規就農者がふえ、上田市塩川藤原田陣場台地を中心とした地域でワイン用ブドウを栽培することが誇りに思える地域に育っていってほしいものであります。 メルシャン株式会社の源流である大日本山梨葡萄酒会社が山梨県勝沼に設立されて140年を迎え、今日の日本のワインに至っております。今世界から注目を集めるまでに成長しつつある日本ワインですが、欧州系ワイン用ブドウの栽培が上田市に適していると実証され、大手ワインメーカーのワイナリー建設が実現となり、これからが上田市でのワイン用ブドウの栽培から観光分野までの新たな可能性にかけるときであります。トランプ大統領が飲まれたマンズワインのグループ会社のトップはキッコーマン株式会社であり、伊勢志摩サミットで飲まれたメルシャン株式会社のグループ会社のトップはキリンビール株式会社であります。いずれも日本を代表するナショナルブランドの企業であります。今回のメルシャン株式会社の椀子ワイナリー建設決定は、今後の上田市にとっては果てしない可能性を秘めているものであります。メルシャン株式会社の椀子ワイナリー建設決定を端緒に、母袋市長のこれからの上田市への思いをお聞きし、私からの質問を終了とさせていただきます。 ○議長(土屋陽一君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 金子議員の質問に答弁いたします。 まず、椀子ワイナリー設立に関して地元で長年にわたってサポートを続けてこられました陣場台地研究委員会の皆様、そして前丸子町政において町民協働のもと行政として取り組んでこられた皆様へのご労苦に対しまして改めて感謝、敬意を表したいと思います。私自身マリコヴィンヤードには何度ももちろん行ったことがございますし、収穫もさせていただきました。大変楽しいものでございました。約21ヘクタールの広大なブドウ畑はイタリアのワイン畑をほうふつさせるようなすばらしい景観でもございます。これまでもマリコシリーズのワインが世界で高く評価されていることを誇らしく感じておりましたが、一つのブランドであるオムニス、1万2,000円でしょうか、決して安いとは申しません。高いものではございます。こんなものがこの上田で醸造されると、もう思い描いただけでもわくわくしてきますし、名実ともにこの上田でつくられるワインとなることを心からうれしく思っております。 また、上田市観光プレジデントである草刈正雄さんが「広報うえだ」10月1日号に寄せていただいております「プレジデント通信」の中においても、マリコヴィンヤードシリーズのワインについて記事にしてくださいました。 このようにワイナリー設立の発表前から関心の高いマリコヴィンヤードでございますので、今後ワイナリーが設立されることによってさらにさまざまな面、今も波及効果等もお話ございましたけれども、さらにそんな効果も含め注目を集めるようになると、このように思っております。先般小諸市長にもお会いした際、小諸、東御、上田でもっともっとアピールしようぜと、こんなことも言われたことも紹介させていただきます。 ソフト面において、上田市の協力、連携を模索する取り組みとして認識しているブドウ生産地、地域との共生、先ほど来お話がございます。シャトー・メルシャンのビジョンとしていただいて、これも大変ありがたく存ずるところでございます。メルシャン株式会社の親会社でありますキリン株式会社、先日訪問させていただきました。社長との面談の中で、CSVという彼らの社の方針、これを上田でも展開したいという大変意欲満々の発言が出まして、私どもも驚き、またその可能性というものについて果てしない広がりというものを感じたところでございます。 上田市のワインに対する施策といたしましては、まず農業の活性化や遊休荒廃地の解消等のためにもワイン用ブドウの産地化をぜひとも図りたいと考えており、次のステップといたしましては、市において地域の魅力ある農産物を活用した6次産業化を推進している中で、ワイン産業はまさに6次産業化の典型的なものであろうと、このように思います。そして、先ほど来出ている裾野が広いということから、観光誘客、農産物の販売、消費拡大などさまざまな分野への波及効果にも期待して、これらの産業を有機的に結びつけたワイン産業化を図りたいな、このように思います。 そして、最終的にはかつてこの地域のシルクが世界的なブランドになったように、次はワインによる上田市のブランド化、そしてシルクからワインへ、そんな展開につなげてまいれれば、このようにも思っております。これからもそういった視点を含めまして、CSVの取り組みも本当に楽しみにしているわけでございますので、さまざまな関係を包含しまして連携よろしく展開してまいりたい、このように思うわけでございます。 いずれにいたしましても、今回椀子ワイナリーが建設されることによって上田市のブランド化に向けた可能性の大きさ、それを市民の皆様とともに十分認識をいたしながら、上田市のブランド化へ着実につなげていくために、信州ワインバレー構想の一翼を担う千曲川ワインバレーの各地域との一層の連携を図って、市としての厚みのある施策を展開していくべきであろう、このように考えております。 以上です。 ○議長(土屋陽一君) 金子議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 1時37分   休憩                       ◇                                午後 1時55分   再開 ○副議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(5)地域おこし協力隊のこれまでの課題と現状及び今後の展開について ○副議長(小林隆利君) 次に、質問第14号、地域おこし協力隊のこれまでの課題と現状及び今後の展開について、三井議員の質問を許します。三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) 今回私は地域おこし協力隊のこれまでの課題と現状及び今後の展開について質問いたします。 地域おこし協力隊は、平成20年度末の3月31日に総務省により地域おこし協力隊推進要綱が制定され、平成21年度から運用が始まった制度です。この地域おこし協力隊推進要綱では、趣旨として次のように述べています。地方では人口減少や高齢化等の進行が著しく、地域力の維持、強化を図るために担い手となる人材の確保が課題となっている。一方、豊かな自然環境や歴史、文化等に恵まれた地域で生活することや地域社会へ貢献することについて、若年層を含め都市住民のニーズが高まっている。人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に誘致し、その定住、定着を図ることは、都市住民のニーズに応えながら地域力の維持、強化に資する有効な方策であるとしています。 つまり、地域おこし協力隊という制度は、都市部に住んでいる若者に人口減少、高齢化が進んでいる地方へ来て定住、定着してもらい、地域の衰退を抑えていこうという制度です。上田市でも平成27年8月から地域おこし協力隊を募集、採用し、地域に入ってもらっています。ただ、上田市が総務省の意図するところに沿ってこの地域おこし協力隊という制度を活用し、また活用しようとしているかというと、私は甚だ疑問に思っています。 そこで、上田市における地域おこし協力隊のこれまでの問題点を抽出してみながら、現状はどうであるか、そしてこれからどのように地域おこし協力隊を活用し、上田市の発展につなげていくのかをお聞きしていきます。 まず初めに、これまで地域おこし協力隊員を募集したのは、豊殿地域自治センター、川西地域自治センター、真田地域自治センター産業観光課、武石地域自治センター地域振興課、商工観光部商工課、丸子地域自治センター産業観光課の6課所ですが、6課所それぞれの地域おこし協力隊員の募集した人数と合格した人数、合格したが着任を辞退した者の数と採用できた隊員の数、想定任期の3年を待たずに退職した隊員の数、募集した人数に対する現在の充足数はどのようになっているか、それぞれの課所ごとの数字をお聞きして、第1問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 小野塚政策企画部長。          〔政策企画部長 小野塚 究君登壇〕 ◎政策企画部長(小野塚究君) これまでに地域おこし協力隊員を募集した所属ごとに募集人員、合格者数ということでしたので、順次それぞれお答えしてまいります。 まず、豊殿地域自治センターでございますけれども、募集人員は2名、合格者は2名、着任の辞退者及び途中退職者はおりません。募集人員2名に対しまして充足されている状態でございます。 次に、川西地域自治センターでございますが、採用辞退者と途中退職者がおりまして、また募集の活動はしましたけれども、応募者がなかったということもございまして、平成27年度に3回、29年度に1回の募集を行っております。合わせまして募集人員は1名、合格者は通算で3名おりますけれども、合格者のうち着任を辞退した者が1名、着任後の途中退職者が1名で、現在は1名が活動しており、募集人員1名は充足された状態でございます。 次に、真田地域自治センター産業観光課でございますが、1名の募集人員に対しまして1名が合格し、採用いたしましたけれども、任期途中で退職しております。現在は協力隊業務の再点検や地域の受け入れ準備の再調整等が必要と考えて、現在再募集は行っておりませんので、当初の募集人員1名に対しましては1名が不足している状況ということでございます。 次に、武石地域自治センター地域振興課でございますが、採用辞退者と途中退職者がおりまして、平成27年度に2回、平成28年度に1回の募集を行っております。合わせまして募集人員は2名、合格者は通算で4名おりますけれども、合格者のうち着任を辞退した者が1名、任期途中の退職者が2名おりまして、現在は隊員1名が活動しており、当初の募集人員2名に対しましては1名が不足しているという状況でございます。 次に、商工課でございますが、こちらも採用辞退者と途中退職者がおりまして、平成27年度に1回、平成28年度に1回の募集を行っております。募集人員は2名、合格者は通算で3名おりますけれども、合格者のうち着任を辞退した者が1名、任期途中の退職者が1名おりまして、現在は隊員1名が活動しており、当初の募集人員2名に対しましては1名不足した状況でございます。 最後に、丸子地域自治センター産業観光課でございますが、採用辞退者がおりまして、平成27年度に1回、28年度に2回の募集を行っております。募集人員は2名、合格者は通算で4名おりますが、合格者のうち着任を辞退した者が2名おりまして、現在は隊員2名が活動しており、募集人員2名は充足されている状況ということでございます。 それぞれの状況でございました。 ○副議長(小林隆利君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) それぞれの数字をご答弁していただきました。採用が決まったのに辞退したり、途中でやめたりという方が大勢いるということで、今のご答弁まとめますと、募集したのが6課所で、合計10名を募集したのに対して、合格したのに辞退した人が5人いるということでした。わざわざ応募してせっかく合格したのに、2人に1人は上田市に来ることをやめたということですが、この原因はどのように分析しているでしょうか。 それから、補充や再募集を含めて全体で12名採用したうち、既に5名は途中でやめてしまっているとのことでした。率にすれば4割以上の隊員が途中でやめてしまっているということになります。着任した隊員は希望を持って都市部から上田市に来たのだと思いますが、上田市が平成27年8月に制度を導入して2年するかしないうちに隊員がどんどんやめていってしまうという現実をどのように分析していますでしょうか。 特に川西地域自治センターです。ご答弁にもありましたが、まとめますと、最初に1名募集して採用を決めたのですが、この方には辞退されてしまったと、再募集したら応募者はゼロであったと、3回目の再々募集でやっと採用できたと思ったら、この方も途中でやめてしまったということでありました。これは川西地域自治センター固有の問題ということではなく、これまでの上田市の募集方法、募集内容、また着任後の上田市の対応等に関しての何らかの問題がたまたまこの川西地域自治センターの現象に象徴的にあらわれたのではないかという懸念を持ちますが、どう考えていますでしょうか。 ちなみに、ご答弁にもありました川西地域自治センターはこの9月1日に新たに若い隊員さんに着任していただき、私もよかったなと思っています。隊員さんにおかれましては、地域に溶け込み、また地域はこの隊員さんを盛り立てて活躍していただけることを願っています。 もう一つ聞いておきます。冒頭言いましたように、平成21年3月31日に総務省が制定した地域おこし協力隊推進要綱では、事業推進に当たっての留意事項として、地方自治体はあらかじめ地域協力活動の年間プログラムを作成し、地域協力活動の全体をコーディネートするなど、責任を持って地域おこし協力隊員を受け入れることとしています。今見てきたように、協力隊員の退職が多いという事実は、推進要綱にあるような年間活動プログラムの作成や責任を持ったコーディネートを今までしてこなかったからではないかと感じますが、いかがでしょうか、お聞きいたします。 ○副議長(小林隆利君) 小野塚政策企画部長。          〔政策企画部長 小野塚 究君登壇〕 ◎政策企画部長(小野塚究君) 採用辞退者あるいは途中退職者が出ている原因ということでございました。 まず、協力隊員の選考に関しましては、書類審査と面接試験を行っております。合格者には合格通知の発送とあわせまして、着任する意思を最終確認するために誓約書を提出していただいてございます。合格後に辞退を申し出た5名につきましては、誓約する際に着任を辞退する旨の連絡をいただいておりまして、その主な内容でございますが、本人もしくは家族の体調不良によるもの、民間会社への就職及び他の自治体への協力隊への採用が決まったといった別の就職が決まったことによるものでございました。とりわけ他自治体への採用により辞退をされた方からは、上田市よりも人口減少が著しい自治体を支援したいという理由でとのことでございました。いずれの場合も本人の置かれました家庭環境や、より困難な課題への挑戦という本人の意思による辞退であったものと確認しております。 また、任期途中で退職しました5名の退職理由は、一身上の都合と申し出を受けております。具体的には、家族、親族などがいる地元へ戻るケース、民間企業等への再就職、復興支援業務等他の社会貢献事業への転換などがございますが、一方で地域に溶け込むことに苦労をした話など、協力隊業務の難しさを語る隊員も一部ではございますがいらっしゃいました。 上田市として初めて実施した募集に対しましては、4地域5名の募集を一度に行い、選考結果の上位5名に対しまして勤務地を割り当てる方式をとっておりまして、協力隊員の中には第1志望の勤務地につけなかったということから途中退職につながったケースもあるというふうに考えております。 このような状況を踏まえて、協力隊員が任期を全うし、地域に定着するためには、家族など親族も含めた移住への賛同が必要であることや、上田市に定住する強い意思を持つことの確認に加えて、地域おこしをするということの難しさも想定した入念な準備と効果的な募集方法が地域と行政の双方に必要であるというふうに分析しております。 川西地域自治センターの件のご質問ございましたが、こちらのセンターでは再募集でも応募者が集まらなかった件につきましては、当時の募集期間が8日間と極端に短かったことが原因と思われまして、その後に募集期間を延長し1名が採用されております。総務省では地域おこし協力隊推進要綱のほかに、地域おこし協力隊の受け入れに関する手引きによりまして制度活用の指導を行っており、ここでは協力隊員を受け入れる際には期待する役割など具体的なイメージを準備する一方で、隊員が持つスキルを生かせるよう、柔軟性を持って対応するということが求められております。 活動の年間プログラムの作成につきましては、業務内容が具体的に決まっている場合には迅速な活動につながる一方で、隊員のアイデアで自由度が高い活動を期待する場合では、協力隊員みずからがプログラムの作成から取り組むことが可能となっております。上田市では協力隊員の導入を希望する地域、あるいは所属の要望に合わせまして具体的な業務内容を示しつつも、隊員みずからが新たに業務を追加できるよう、これまでの募集では活動項目を示すにとどまっておりました。協力隊活動の全体コーディネートに関しましては、協力隊員の導入を希望した地域及び所属に対しまして、協力隊員が着任後にスムーズに活動できるよう働きかけを行ってまいりました。既に各地域では地元の団体と協力隊員との連携が生まれているといった状況もございます。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) それぞれ答弁していただきました。約4割の人が途中でやめてしまっているというその理由について、今お聞きすると、地元へ戻りたくなったとか、ほかのところに就職決まって退職したというような方が何人もおられたというお話だったと思います。もともとがこれそれなりの、また後で言うかと思いますが、それなりの覚悟をしてこれ都会から地方へ来ているはずなのですが、その方がやっぱり、想定任期というのは3年間あるわけですが、その間に、早い人は1年しないうちにやめていってしまっているのですが、何か地元へ戻るとかほかに就職決まったからというのは、やはり何らかのその受け入れ側に問題があったのではないかなという気がしているのですが、それはまた後で質問の中で出てくるかと思います。 次の質問いたします。総務省地域力創造グループ地域自立応援課が平成29年9月22日に発表した平成29年度地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果によりますと、協力隊員のうちの37%、約4割が女性であり、年代別では20代、30代の若者が75%、つまり隊員の4人に3人は若者であるという数字が出ています。地域おこし協力隊制度を立ち上げた椎川忍元総務省地域力創造審議官が編著者となっている「地域おこし協力隊」という書物を読みますと、椎川さんは、もっと直接的に都市部から地方部へ人口、特に働き手の世代や若者が移住することを後押しできるような仕組みが考えられないかと思ったのが地域おこし協力隊の制度をつくるきっかけだったと述べておられます。また、同じ書物の編著者で、内閣総理大臣が開催するふるさとづくり有識者会議の座長を務められました小田切徳美明治大学農学部教授は、この制度は若者と農山漁村という異質の組み合わせによって成り立っている仕組みであると言っておられます。繰り返しになりますが、地域おこし協力隊という制度の眼目は、都市部の若者に来てもらい、定住、定着してもらうということであります。 そこで、お聞きいたしますが、現在上田市におられる協力隊員の男女比、年齢構成、それから20代から30代の若者の隊員の比率はどのようになっているか、お聞きいたします。 ○副議長(小林隆利君) 小野塚政策企画部長。          〔政策企画部長 小野塚 究君登壇〕 ◎政策企画部長(小野塚究君) 現在上田市の協力隊員は7名でございまして、そのうち男性隊員が5名、女性隊員が2名でございます。したがいまして、女性の割合は約29%ということになります。 隊員の年齢構成でございますけれども、20代が2名、30代が2名、40代が1名、50代が1名、60代が1名となっております。 20代と30代合わせた人数の比率でございますが、隊員7名に対しまして20代と30代合わせました隊員数が4名でございますので、約57%というふうになっております。 ○副議長(小林隆利君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) 構成等教えていただきました。分母が7人と小さいので、データとしては余り意味をなさないのかもしれませんが、全国では37%が女性隊員であるのに対して、上田市では29%であるというご答弁でした。それと、20代と30代を足した若者の比率、これは全国では75%、4人に3人が地域おこし協力隊員は若者であるというのに対し、上田市では若者の割合は57%、約半分であるというご答弁でした。 次の質問です。今まで述べてきたように、また総務省の資料等で見てきたように、地域おこし協力隊制度は任期終了後の隊員の定住、定着が前提となっている制度ですが、それを踏まえてこれまでの募集及び採用決定に男女比、年齢等に関して考慮した点はありましたでしょうか、お聞きいたします。 ○副議長(小林隆利君) 小野塚政策企画部長。          〔政策企画部長 小野塚 究君登壇〕 ◎政策企画部長(小野塚究君) これまでに上田市が行ってきました協力隊員の募集でございますが、男女比及び年齢についての制限は特段設けてございませんでした。地域や所属が求める人材であれば、男女及び年齢を制限することなく採用することに主眼を置いてきたということでございます。 しかしながら、議員のご指摘のとおり、任期終了後に定住、定着することが前提となっている制度であるということを鑑みまして、今後はより移住、定住に結びつくような一定の条件をつけた募集方法についても検討してまいりたいというふうに思っております。 ○副議長(小林隆利君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) この制度の根本というか眼目自体が、先ほど言いましたように、都会の若い人を地方に来てもらって定住、定着してもらうと、これがこの制度の根本なわけですよね。それが特段これまでは考えていなかったというご答弁で、なるほど途中でやめていってしまうのも無理がないかなというような気はいたしました。これからは要件、年代要件等も検討していくということなのですけれども、またこれは後で質問いたします。 次の質問です。先ほど引用した地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果によりますと、任期終了後には63%、6割以上の隊員が同じ地域に定住をしております。調査結果中の都道府県別任期終了者数と定住率という表を見ますと、長野県は協力隊員を受け入れている44道府県で11番目、68.4%と、隊員の実に3人に2人はそのまま定住しているという結果が出ています。地域おこし協力隊推進要綱の事業推進に当たっての留意事項では、地方自治体は地域おこし協力隊員が地域協力活動を終了した後も定住、定着できるよう、隊員に対する生活支援、就職支援等を同時に進めることとしています。 また、平成29年5月にやはり総務省地域力創造グループ地域自立応援課が地方自治体向けに出した地域おこし協力隊の受け入れに関する手引きのチェックリストでは、自治体がチェックする項目として、隊員の定住意向(就業、就農、起業等)が実現できるような活動体制になっていますかと問うています。そして、隊員が任期終了後に定住したい、就業、就農、起業等の意向を抱いているかについて、ここ大事だと思うのですが、定期的かつ具体的に確認することが重要であるとしています。 そこで、お聞きいたします。隊員が定住できるような活動体制をつくることを前提として、定住する意向があるか定期的に確認するようにとこの手引きでは言っているわけですが、着任してはやめるという、初めの答弁にございました、着任してはやめるというこれまでに関しては今さら問いませんので、今後希望を持って上田市に来ていただいた隊員に定住、定着をしていただくためにどのようなフォローをしていくつもりか、あるいはしていかなければならないと考えているか、お聞かせください。 ○副議長(小林隆利君) 小野塚政策企画部長。          〔政策企画部長 小野塚 究君登壇〕 ◎政策企画部長(小野塚究君) 協力隊員を希望する方の中には、募集時の活動内容が自身の持つ専門性、あるいは移住後に求めるライフプランとマッチしているということを重視して応募してくる傾向が見られます。結果としまして、協力隊活動の延長線上に定着して生活していくためのきっかけがあるというふうに考えております。また一方で、協力隊活動を進める中で新たな目標を見つける隊員もいることから、移住定住推進課では所属課も交えながら、協力隊員の意向について個別に機を見ながら確認をしているという状況でございます。 加えまして、上田市内では地元企業の人材不足も深刻な状況にあるということから、地元企業への就職に関しましても雇用促進室と連携して相談できる環境を整えているということで定住支援を行っていきたいというふうに考えております。 ○副議長(小林隆利君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) 企業等への紹介等も雇用促進室と連携しながらやっていくということですか、やっているということでしたか、ということでぜひ定住、定着していただくように、就職関係もしっかりとフォローしていただきたいというふうに思います。 次の質問です。同じ地域おこし協力隊の定住状況等に係る調査結果によりますと、同一市町村内に定住した隊員のうち、29%、約3割が起業しているとの結果が出ています。起業内容は、古民家カフェやパン屋さんを開店したり、農家民宿を開業したり、まちづくりや観光関連の仕事を立ち上げたりとさまざまですが、総務省では起業を志す隊員には任期終了の1年前から任期終了した後の1年後まで財政支援がされることになっています。先ほどの質問で述べたように、任期終了後に起業の意向を抱いているか、具体的に隊員に確認するようにという自治体の果たす役割というものがありますので、お聞きいたします。 現在の隊員で起業を志す方の可能性はどうでしょうか。定住して新たに産業を興していただければ地域が活性化しますし、新たな雇用が生まれる可能性さえあるわけですが、起業を志す隊員への支援は今後どのようにしていくつもりか、お聞きいたします。 ○副議長(小林隆利君) 小野塚政策企画部長。          〔政策企画部長 小野塚 究君登壇〕 ◎政策企画部長(小野塚究君) 上田市では平成27年8月に初めて地域おこし協力隊員が着任しておりまして、平成30年の7月末に任期満了となる隊員が1名おります。当該隊員は現在も地域で精力的に活動を進めておりまして、任期終了後は地域に定着して起業することを目標に準備を進めているとの報告を受けております。制度では任期満了を迎えた協力隊員もしくは1年後に任期満了を迎える予定の協力隊員が起業をする際に要する経費を自治体が負担した場合には、100万円を上限に特別交付税措置されるということになっております。当該隊員からは既に起業の意向を確認しておりますことから、現在は起業に関する具体的な相談を始めたところでございます。また、ほかの隊員につきましても、任期終了後に起業の意思があるか、支援制度の活用予定があるかなど、早い段階からきめ細かいフォローをしてまいりたいというふうに考えております。 ○副議長(小林隆利君) 三井議員。          〔17番 三井 和哉君登壇〕 ◆17番(三井和哉君) 一番初めに上田市が総務省の意図するところに沿ってこの地域おこし協力隊という制度を活用し、また活用しようとしているか、私は疑問に思っているということを言いました。それは、総務省が自治体向けに出した地域おこし協力隊の受け入れに関する手引きのチェックリストで、市町村長を初め行政内部で地域おこし協力隊の意義や狙いが十分共有できていますかと問い、人員補充として捉えていないか、共通認識を持つようにと自治体に促しているように、お金は総務省から出るのだから、とりあえずイベント要員として雇っておくかくらいの気持ちがこれまではあったのではないかという疑念を、実際にやめていった隊員の話を聞いたり活動を見ていたりして感じたからです。 そこで、お聞きいたします。これまでの質疑を踏まえた上で、上田市として地域おこし協力隊をどう位置づけ、隊員に何を求め、何を期待しますでしょうか。地域おこし協力隊員、またそれを受け入れる地域にはどのような心構えや対応が必要であると考えますでしょうか。また、行政は今後それをどう支援していくのか、お聞きいたします。 ○副議長(小林隆利君) 小野塚政策企画部長。          〔政策企画部長 小野塚 究君登壇〕 ◎政策企画部長(小野塚究君) 地域おこし協力隊制度につきましては、議員から冒頭でご説明をいただきましたとおり、地方の人口減少問題の解消と都市部の若者を地方で活躍させることで生まれます地域活性化を趣旨とした制度でございます。長野県で現在人口規模第3位の上田市におきましても人口減少問題は深刻でございまして、本制度の活用によりまして若者など生産年齢人口と言われる働き盛りの世代が増加することは大きな意味を持つと考えております。 一方で、本制度が全国に飛躍的に浸透した背景には、国からの財政支援が後押ししたことも事実であると思います。限られた財源で地域を運営する自治体としましては、今後も国の動向を注視しながら進めてまいりたいというふうに思っております。 協力隊員に対して求め、期待するものでございますが、本制度の最終目標同様に、協力隊の活動を通して地域になじんでいただき、上田市へ定住、定着していただくことでございます。また、本制度を活用する際の心構えや対応としましては、協力隊員には3年間の任期終了までの間に上田市へ定住、定着できるための準備を協力隊活動とあわせて進めていただきたいというふうに考えております。また、受け入れ地域の皆様におかれましては、協力隊の任期は最長でも3年であることから、協力隊員が任期を終えた後もそれまでに活性化した活動が維持できることを目指して、協力隊員とともに活動していただきたいというふうに思っております。また、協力隊員は全て移住者でございます。地域内で活動するためには地域の皆様の手助けが必要不可欠であることをご承知おきいただき、温かくフォローしていただければというふうに思っております。 協力隊制度は、協力隊員と受け入れ地域が良好な関係で活動を進めることが重要でございまして、行政としましても本制度の効果が最大限に発揮できますよう、両者に寄り添いながら柔軟かつ迅速な支援に努めてまいりたいというふうに考えております。 以上です。 ○副議長(小林隆利君) 三井議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 2時29分   休憩                       ◇                                午後 2時44分   再開 ○副議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(6)国民健康保険について ○副議長(小林隆利君) 次に、質問第15号、国民健康保険について、古市議員の質問を許します。古市議員。          〔15番 古市 順子君登壇〕 ◆15番(古市順子君) 通告いたしました国民健康保険について質問いたします。 まず、現状と課題について質問いたします。国民健康保険は、誰でも安心して医療を受けることができるよう、全ての人が何らかの医療保険に加入することになっている社会保障である国民皆保険制度の中核を担う日本最大の医療保険です。現状市区町村が保険者として運営されていますが、地方自治体の役割は住民の福祉の向上であり、全ての住民が対象です。市は国民健康保険の果たす役割をどのように認識しているか伺います。 現行の国保制度がスタートした1960年代、加入する世帯主の4割は農林水産業、3割は自営業でした。現在は年金生活者など無職が4割、非正規労働者が3割を占めるようになっています。国保加入世帯の平均所得は、1990年代前半の270万円をピークに下がり続け、2015年度は139万円まで落ち込みました。ところが、自民党政権は1984年の定率国庫負担割合の引き下げを皮切りに、国保の財政運営に対する国の責任を後退させてきました。国保の総会計に占める国庫支出金の割合は、1980年代前半の50%から2015年は20.3%まで下がっています。このように加入世帯の貧困化と国の予算削減が進む中で、国保税は上がり続けてきました。 長野県社会保障推進協議会では、県内19市の今年度の保険税を試算しております。それによりますと、給与年収240万円、所得150万円、資産3万円、大人2人、子供1人世帯の上田市の国保税は27万5,715円、対所得18.4%です。また、給与年収443万円、所得300万円、資産3万円、大人2人、子供1人世帯の国保税は45万4,965円、対所得15.2%です。 また、国保は所得がなくても均等割、平均割があり、減免制度があったとしても国保税が発生いたします。長野県保険医協会のことし1月時点での調査によりますと、上田市の滞納世帯2,116のうち、総所得なしが815、基礎控除以下が151、所得100万円以下が425、200万円以下が492で、計89%を占めております。 このように国保税は所得に対して大変重い負担であり、また低所得者ほど負担の大きい制度です。払いたくても払えないという被保険者が多いという実態です。どのように認識しているか伺います。 共産党議員団では、以前から医療費が10割負担となる資格証明書の発行は行わないように求めてきましたが、状況はどうでしょうか。また、有効期間の短い短期被保険者証の発行状況を伺います。短期被保険者証の発行基準及び発行を除外する際の留意点を伺います。 以上で1問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 3点ほど質問をいただきました。 最初に、国民健康保険制度の果たす役割について申し上げます。社会保障制度の一つである医療保険制度において基盤的な役割を果たしている国民健康保険制度は、国民皆保険の中核を担うとともに、最後の支え手として大変重要な制度であると考えております。その重要な国民健康保険制度を維持していくために、国、県及び市町村がそれぞれの責務を果たすとともに、被保険者の相互扶助により支え合う保険制度の仕組みをとることで、持続可能な制度として成立しているものというふうに認識をしております。 続いて、支払いが困難である被保険者についての認識を申し上げます。国民健康保険制度は被保険者の相互扶助により支え合う仕組みであるため、加入者1人ごとに負担する均等割額、世帯単位で負担する平等割額を加入者全員に負担いただく制度となっております。このほか、所得に応じた所得割もご負担いただくことになっております。低所得者の世帯につきましては、負担の軽減を図るため国民健康保険税の軽減制度が設けられており、被保険者の世帯の所得状況に応じて均等割額、平等割額についてそれぞれ7割、5割、2割の金額を減額しております。また、それでも納期ごとに納付が困難な被保険者に対しましては、収納管理課と連携をとり、生活状況に応じた納税相談を行っております。医療費を加入者全員で支払う相互扶助の制度においてきめ細かな対応に努めておりますので、ご理解をお願いしたいと存じます。 続いて、資格証明書と短期被保険者証の発行状況について申し上げます。直近の被保険者証の一斉更新を行いました平成29年10月1日現在、資格証明書の発行はありません。短期被保険者証の発行状況は、更新総数2万2,737件のうち2,213件となっております。 短期被保険者証の発行基準としては、上田市国民健康保険税の滞納者に係る措置の実施要領に基づき、過年度において国民健康保険税の滞納があり、定期的に納税相談等の必要がある方に対して、12カ月の満期被保険者証ではなく、6カ月を期間とした短期被保険者証を交付しております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 古市議員。          〔15番 古市 順子君登壇〕 ◆15番(古市順子君) ご答弁をいただきました。 資格証明書の発行はないということで評価いたしますが、短期被保険者証の発行は2,213件ということです。私がいただいた資料は昨年の資料で、ここは1,950件でした。昨年の場合ですが、県内で最も多く、上田市だけで県内発行数の約2割を占めていた、そういう最悪の状況です。上田市では短期被保険者証の発行基準も発行を除外する留意点も滞納納付相談を理由とされております。きめ細やかな対応をされているということでございますが、収納管理に役立っているのでしょうか。全ての市民が安心して医療を受けられることを目的とした国民皆保険制度の目的にかなっているでしょうか。 長野市では国保の社会保障としての役割に鑑み、高校生世代以下の被保険者がいる世帯、世帯主の所得が150万円未満など、短期被保険者証発行除外の留意点を挙げております。また、納付相談も前年4月1日以降にした場合除外されるとのことで、大変緩やかな内容となっております。そのため、長野市の短期被保険者証の発行数は、6カ月の有効期間のもののみで58件だけです。上田市も参考にして、短期被保険者証の発行のあり方を見直すべきと考えますが、見解を伺います。 また、長野県保険医協会の調査によりますと、上田市ではことし1月時点でこの短期被保険者証の未交付330件あるということです。こちらも県内最悪の状況となっております。参考までに申し上げますと、長野市は51件、松本市はゼロです。未交付の理由と対応状況を伺います。 ○副議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 短期被保険者証の発行を除外する考えについて申し上げます。 上田市では先ほど答弁させていただいたとおり、短期被保険者証は過年度に国民健康保険税の滞納がある世帯に対し、期限を定め発行しています。長野市の例もただいまお聞きしましたが、上田市では滞納額が大きくなる以前の段階で相談の機会を確保し、きめ細かい対策を実施していくため、現行とおりの扱いとし、短期被保険者証の発行について、現在のところ除外基準を定める予定はございません。 続いて、保険者証の未交付やとめ置きする理由について申し上げます。上田市では短期被保険者証対象者のうち、納税相談に応じていただけない方、連絡などが全くつかない方につきましては、まずは納税相談を兼ねて窓口に来庁していただいた上で保険者証を交付することとしてとめ置きをしています。被保険者証のとめ置きについては、状況に応じた相談の機会を確保するということが一番の理由、目的でございます。滞納したらすぐに差し押さえ等の滞納処分を行うのではなく、収入や支出状況を含めた生活状況全般の聞き取りなどを行い、低所得者などの方に対しては支払い方法の相談を受けるなど、きめ細かい対策を行うこととしております。 また、保険制度の仕組みとして、医療給付費の一部を被保険者の皆様の国民健康保険税で賄っているほか、ルールとしての公費負担を一般会計から繰り入れていることから、被保険者間ばかりでなく、市全体の税の公平性を保ち、厳しい国民健康保険財政運営のため万やむを得ない手段の一つであると考えております。 なお、窓口交付対象の被保険者の中で高校生世代までの18歳以下の被保険者に対しましては、被保険者証をとめ置きすることなく、6カ月の期間とした短期被保険者証を有効期限到来前に郵送し、交付しております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 古市議員。          〔15番 古市 順子君登壇〕 ◆15番(古市順子君) ご答弁をいただきました。 未交付の短期被保険者証についてですけれども、先ほど市の一般会計からも繰り入れているということですけれども、上田市は法定内繰り入れだけ行っているということで、法定外は行っていないという状況のことを申し上げておきたいと思います。 未交付の短期被保険者証は10月からの有効期間です。最も寒い1月に保険証が手元にない世帯が330件もあったということは大きな問題ではないかと私は思います。国保税の収納管理を保険証を盾にとって行っている、そういう現実が明らかとなりました。それでは、上田市の収納率は低い状況です。他市は被保険者証の未交付をそれほど行わずに収納率を上げているわけです。他市の取り組み、学ぶべきではないでしょうか。保険証の取り上げは命にかかわる問題です。ことしも寒い冬を迎え、早急に改善を考えるべきですが、見解を伺います。 また、保険証を持たずに医療機関を訪れた場合の医療機関からの照会に対する対応も含め、被保険者が医療を受けることに支障を生じることがないよう対応しているか伺います。 厚生労働省は05年、国保税の徴収強化に向けたプランを作成するよう自治体に通達を出し、職員研修会でも預金、給与の口座凍結、家宅捜索による物品の押収など強権的な取り立ての例を示し、実践を呼びかけてきました。その結果、国保税の滞納者に対する差し押さえ件数はこの10年間に全国で9.5万件から29.8万件へ3倍加いたしました。先ほど申し上げたとおり、上田市の滞納者のほとんどは低所得者です。払いたくても払えないという中で滞納者に対する差し押さえが行われれば、貧困に追い打ちをかけることになります。差し押さえによって生活に困窮する事例はないのか伺います。 ○副議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 被保険者証が手元にないことで医療を受けるのに支障を来さないかというご質問でございます。被保険者証の窓口交付は、先ほど申し上げましたとおり、相談の機会を確保するために行っており、来庁された世帯につきましては、国民健康保険税の納付の有無にかかわらず被保険者証を交付しております。まず相談をしていただき、被保険者証の交付を受けていただくようにお願いをするものでございます。 なお、手元に保険証がなく医療機関にかかった場合においては、病院からの問い合わせに応じ国保資格の有無を確認し、回答しております。また、救急車等で搬送された場合につきましても同様の対応をしており、医療を受ける支障にならないように努めております。 以上でございます。 大変失礼いたしました。1つ答弁漏れをしてしまいました。差し押さえを行ったことにより生活困窮する事例はないかという質問でございます。差し押さえにより生活困窮に至るかどうかというようなことでございますけれども、根拠法となる国税徴収法においては、そのような事態を招くおそれのある場合の措置として、差し押さえの執行を暫定的に停止する処分が規定されております。申し上げるまでもなく、納税は国民がひとしく負う義務でありますが、一方で突然の失職や病気など予期せぬ生活環境の急変等により納税が困難な状況はどなたにも起こり得るものであります。差し押さえに至る過程では、まず十分な財産調査を行うとともに、納税相談や納付に向けての相談の機会を持つ中で、社会通念や市民の皆様への説明が可能な客観性を確保しながら、差し押さえが直ちに生活困窮に結びつくものと判断される場合には、法令に基づき適切な措置を講ずるよう努めておりますので、ご理解をお願いしたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 古市議員。          〔15番 古市 順子君登壇〕 ◆15番(古市順子君) ご答弁をいただきましたが、再質問いたします。 今年度の短期被保険者証の発行枚数2,213件とのことでございますが、昨年よりふえております。そして、今の直近のこの短期被保険者証のうち未交付の件数伺います。 そして、先ほど保険証がなくても医療機関にかかった方、よほど悪化してからではないかとも考えられます。無保険となった方が手おくれで死亡するケースは、全日本民主医療機関連合会の調査だけでも2016年58件ありました。県内の事例も報告をされております。まさに保険証の取り上げは命にかかわる問題です。師走となり寒さも一層増してまいりました。この寒い冬を健康保険証がなくて過ごさなければならない市民はどんなに心細いことでしょう。国民健康保険は住民の命と健康を守るという本来の役割、忘れてはいないでしょうか。今からでも収納管理課とも相談をして早急に対策を講じるべきではないでしょうか。再度見解を伺います。 ○副議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 保険証のとめ置きの数字について申し上げます。 先ほど短期被保険者証の対象、2,213件というふうに申し上げましたが、このうち窓口の交付対象は1,133件となっております。12月に来庁依頼をして再通知する件数は328件となっております。差し引き805件は既に来庁され、交付済み、または社会保険等に加入をして国保の資格については喪失しているという状況でございます。 保険証のとめ置きにつきましては、厚生労働省の通知にもございますが、短期被保険者証を経ずに資格証明書に移行するのでなく、短期被保険者証を活用することにより相談の機会に努めること、被保険者が市町村の窓口に納税相談に来ないことにより、これを窓口で留保することはやむを得ないとなっております。こういった通知も踏まえた上で上田市としても事務を進めているところでございますが、取り上げているわけではございません。先ほど答弁をさせていただいたとおり、保険証のとめ置きは、とにもかくにも相談の機会を確保することが一番の目的です。相談を受けることによりその被保険者の方の生活実態等がわかり、納付困難な被保険者に対しましては、分納などその方に合った納付方法を提案するなど、きめ細かい対策を行うためでありますので、理解をお願いしたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 古市議員。          〔15番 古市 順子君登壇〕 ◆15番(古市順子君) ご答弁をいただきました。でも、ほかの市ではやっていないことを上田市はやっているという状況なのですね。この点についていかがでしょうか、再々質問いたします。 資格証明書ではなく、相談の機会を確保するために短期被保険者証にしているということですけれども、手元に保険者証がないということは同じことですね。本当に医療を受けるのをためらう、そういう状況だと思います。328件まだ未交付の状況ということです。これで例年どおりの取り組み、未交付件数減っていくのでしょうか。最も寒い時期になってまいりました。上田市政は低所得者に対して大変冷たい市政、そう言わざるを得ないではないかと私は思います。市長はこの事実承知されているでしょうか。第二次上田市総合計画のタイトルは、市長のマニフェストでもあります「ひと笑顔あふれ 輝く未来につながる健幸都市」です。この件について市長の見解を伺いたいと思います。 次に、国民健康保険の都道府県化について質問いたします。来年度からは県が財政運営の責任主体となり、市町村が納付する国保事業費納付金の額を決定いたします。市は県が示した標準保険料率を参考にして条例で国保の保険税率を決定し、賦課徴収を行います。県から最終的な試算結果示されておりませんけれども、来年度実施に向けた上田市のスケジュールはどうなっているか伺います。 ○副議長(小林隆利君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 10年後の将来都市像はご案内のとおりです。それにつけては今さまざまな状況を我々は担当それぞれが駆使して、そして相談に乗り、そしてそのことにおいての十分な説明もしながらしんしゃくをして納税方法を決めているという理解をいたしております。この地域全般の課題として、収納率、長野、松本に比べて悪いという全般的なやはり問題はあることはご案内のとおりかと思います。これについては、低所得者向けのさまざまな支援方法やらいたわり、行政としての思いを持って事務的なこともしているわけでございますので、今お話のあったような件についても、ぜひとも相談というか、やっぱり滞納しているという現実の中での国保加入者のご配慮をお願いするというのは私も筋だと、このように思っております。 ○副議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 国保制度改革に伴う30年度に向けたスケジュールをご質問いただきました。 来年4月から始まる制度改革の変更点の一つに、市町村は県の示す納付金を納めるために必要な保険税率を決定し、保険税を賦課徴収することとあり、今後の国民健康保険税のあり方について国保運営協議会へ諮問し、現在協議を行っているところでございます。県は平成30年1月に上田市の納付金等を示すとしておりますので、これを受け、来年の3月議会に国民健康保険税条例案として提案させていただくことを予定しております。 また、住民に身近なきめ細かい業務は引き続き市町村が行いますので、保険者である上田市と被保険者である市民との関係は今までどおりであり、変更点などは広報紙などを通じ市民の皆様にお知らせをしてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 古市議員。          〔15番 古市 順子君登壇〕 ◆15番(古市順子君) ご答弁をいただきました。先ほどの未交付の件ですけれども、少しでも少なくなるように、それでは収納管理課、また国保年金課、働きかけをしていただくこと要請をしておきたいと思います。 それでは、国保の都道府県化について質問をしてまいります。来年度から県に移管される国保事業の市町村の納付金について、第3回の試算結果が9月22日示されました。それによりますと、保険料額ベースの比較で上田市は平成28年度1人当たり保険税が10万3,332円、これは昨年度基金から1億4,500万円取り崩した結果の金額です。29年度の試算は10万3,948円、100.6%の伸びとなっております。県では29年度も28年度同様の基金取り崩しをした場合の金額も示しております。それによりますと、9万9,064円、95.87%となっております。来年度からの国保税については決して上げることのないよう、そして高過ぎる国保税を少しでも下げることができるように、基金からの繰り入れ等も検討すべきと考えますが、見解を伺います。 市町村が被保険者に賦課する国保税の参考にするための市町村標準保険料率は、所得割、均等割、平等割で示されます。上田市では現在資産割も含めた4方式となっております。固定資産税を根拠に低所得者にも負担を強いる資産割はなくし、上田市も3方式とすべきではないでしょうか。 また、家族の数がふえるごとに保険料を加算していく均等割は、低所得者への負担が重く、子育て世帯など家族の多い世帯の保険税を上げる要因となってきました。子育て支援の逆行という批判の声が上がり、全国知事会などからも見直し要求がされております。この均等割が上田市は1人当たり2万2,500円で、県内19市のうち3番目に高い状況です。均等割を下げる検討をすべきではないでしょうか、見解を伺います。 ○副議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 30年度の国民健康保険税について申し上げます。 現在国保運営協議会では制度改革の趣旨を尊重しつつ、制度改革により被保険者に対し過度な保険税の負担を強いることにならないよう、保険税率等について慎重に検討を進めています。ご提案いただきました基金からの繰り入れ、資産割の廃止、均等割の減額等につきましては、国保運営協議会の中で総合的に判断をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 古市議員。          〔15番 古市 順子君登壇〕 ◆15番(古市順子君) ご答弁をいただきました。運営協議会の中で慎重に検討されるということです。先ほど申し上げたとおり、保険税の軽減、ぜひとも前向きに考えてください。 それでは、来年度には国保の都道府県化と一体に保険者努力支援制度という新たな仕組みも始まります。この制度は都道府県、市町村の国保行政を国が採点し、成績がよいと判断された自治体に予算を重点配分する仕組みです。保険者努力支援制度は保険者共通の6つの指標及び国民健康保険固有の5つの指標があり、国民健康保険固有の中では収納率の向上に関する取り組み状況がトップとなっていますが、先ほどから申し上げているとおり、国保はあくまでも社会保障との観点で取り組むべきと考えます。共通指標の中で特に重要視されるのが特定健診の受診率です。28年度の上田市の実施率は37.8%で、高い状況ではありません。特定健診の受診率向上には市民への啓発が大切です。地域ごとの状況等を健康推進委員、民生委員、自治会の役員の皆さんなどに示し、さまざまな場面で呼びかけていただくこと、また医療機関への協力要請は重要です。取り組み状況と関係者の反応はどうか伺います。 また、今年度より特定健診の受診料無料としておりますけれども、現時点で効果はあったと考えているでしょうか。来年度以降も継続すべきと考えますが、見解を伺います。 ○副議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 特定健診の受診率の重要性と向上への取り組みについて申し上げます。 特定健診は、被保険者一人一人が自身の健康状態を確認し、みずからが健康であるための行動を起こすきっかけとして多くの方に受診していただくことが必要であると考えております。それに加え、特定健診の受診率が国保制度改革に合わせて創設された保険者努力支援制度により、国保財政への支援措置の中で重要な評価項目として示されたことで、さらなる受診率向上への取り組みが必要であると認識をしております。本年10月末に確定値が出ました平成28年度の受診率につきましては37.8%であり、前年度と比較し0.2ポイント上昇いたしました。保険者に実施が義務づけされました平成20年度と比較しますと6.4ポイント伸びている状況であり、受診率は上昇傾向にはあるものの、県平均よりも8.7ポイント低く、県内順位としては19市中16位となっています。 受診率向上のための取り組みとしては、毎年「広報うえだ」への掲載、パンフレットの配布及び未受診者へのはがきや電話による勧奨、保健師など専門職の戸別訪問による勧奨などに取り組んでおります。ほかにも健康推進委員の皆さんには地区ブロック会において担当保健師から受診勧奨の取り組み強化を依頼し、地域での活動に生かすよう取り組んでおります。また、保健師が医療機関を訪問し、医師からも特定健診の受診を促していただくようお願いをしているところです。これらの取り組みに加え、本年度は地域においてより身近な立場で住民に接する活動機会の多い民生委員の皆様に、17の会場で特定健診の受診勧奨活動への協力をお願いしてまいりました。特に民生委員の皆様方には高い関心を持っていただくことができ、説明後には地区の自治会長会や地域の福祉活動にかかわる関係者が集まる地区住民福祉大会での説明依頼をいただくなど、徐々にではありますが、効果が出てきているものと感じているところです。引き続き従来の勧奨活動に加え、自治会役員、健康推進委員、民生委員を初め、より住民に身近な立場で活動をされている皆様のお力もおかりし、健診への理解を深め、受診啓発に努めてまいります。 続いて、特定健診受診料の無料化の効果及び来年度以降の継続についてのご質問でございます。特定健診受診率向上の取り組みの一つとしまして、平成29年度は対象者全員の自己負担金を無料といたしました。平成29年10月末現在の特定健診の受診状況は、受診対象者数が2万4,912人、受診者数が4,398人となっています。平成28年度の同時期と比較しますと、受診対象者数は770人減少しておりますが、受診者数は250人増加しております。受診対象者数が減少している中、受診者数そのものが増加していることから、自己負担金を無料としたことも受診者数増加の要因になっていると考えております。自己負担金の無料化につきましては、来年度以降も継続できるよう必要な措置を講じ、特定健診を受診しやすい環境整備を進め、受診率の向上に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 古市議員。          〔15番 古市 順子君登壇〕 ◆15番(古市順子君) ご答弁をいただきました。 また、指標の中には糖尿病等の重症化予防の取り組みの実施状況もなっております。糖尿病について、大変上田市は多いというお話も聞いております。また、重症化した場合は人工透析などしなければならない状況になるということです。レセプトの分析はどのように行っているでしょうか。糖尿病患者数と割合の推移はどうか伺います。 また、分析結果を生かした重症化予防の取り組みはどうか伺って、私の質問を終わります。 ○副議長(小林隆利君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 糖尿病重症化予防の取り組みについて申し上げます。 高齢化が進む中、生活習慣の変化に伴い糖尿病患者数の増加が課題となっています。糖尿病は放置すると腎症、網膜症、神経症などの合併症のほか、脳卒中や心筋梗塞を引き起こし、患者の生活の質、クオリティー・オブ・ライフ、QOLというふうによく言われますけれども、これを低下させるのみならず、結果として医療等の社会保障費の増加につながることから、国、県では糖尿病性腎症重症化予防のためのプログラムを作成し、力を入れているところでございます。そのため、糖尿病等の重症化予防の取り組みは保険者努力支援制度の評価指標の中で最も配点が高い項目の一つとなっております。 国保加入者の健康状態や地域課題につきましては、平成25年度に国保中央会において導入された国保データベースシステムを活用して分析をしております。国保データベースシステムは、健診データ、レセプトデータ等を利活用し、分析することにより、効果的かつ効率的な保健事業につなげることを目的に開発されたシステムで、上田市でも糖尿病重症化予防の取り組み等に活用をしているところでございます。 国保加入者の40歳から74歳までの糖尿病患者数は、平成20年と平成28年で比較すると、平成20年は3,220人でしたが、平成28年は4,640人と、8年間で1,420人増加しています。また、加入者に占める割合を見ると、平成20年は10.7%でしたが、平成28年は16.2%に増加しているという状況でございます。 さらに、そのうち糖尿病が悪化した糖尿病性腎症の患者は、平成20年は171人でしたが、平成28年には498人と、8年間で約2.9倍に増加し、人工透析治療を必要とする患者数も約2倍にふえています。増加した背景としては、国保加入者の高齢化に加え、糖尿病は自覚症状がないことから、糖尿病があっても医療機関を受診しない、あるいは治療を中断している、また健診未受診者のため、自分自身が糖尿病と気がついていないなどの理由で放置している方が多いのではないかと考えられます。糖尿病は早期に発見し、適切な治療を継続することで重症化を予防し、健康な状態の人と変わらない日常生活を続けることができます。そのためには自身が糖尿病を正しく理解すること、治療の基本である食事と運動を日常生活の中で実践することが必要です。 今年度からは平成24年度から平成28年度まで5年間の健診受診者のうち、糖尿病の疑いのある方、また糖尿病の患者さんなど約2,000人を保健指導対象者として、健康推進課の保健師、管理栄養士が訪問による保健指導を行い、治療状況、生活状況から一人一人の実態に即した重症化予防の取り組みを始めました。また、7月には上田市医師会、小県医師会にご協力をいただき、糖尿病の疑いのある方、そのほかに糖尿病患者の方も中心として、糖尿病重症化予防シンポジウムを開催し、糖尿病について理解を深めていただきました。開催に当たっては、保健師や管理栄養士などが健診結果とレセプトデータの分析結果から重症化予防が必要であると、ぜひ参加をしてほしいという方を戸別訪問し呼びかけるとともに、市内の医療機関を訪問して周知とご協力のお願いをしてまいりました。その結果、約420人の方に参加をいただきました。 今後も国保データベース等を活用した積極的な保健指導を行うとともに、糖尿病の重症化予防に取り組む上で医療との連携が必要になることから、医師会、かかりつけ医と連携を図り、重症化予防に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 古市議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 3時25分   休憩                       ◇                                午後 3時40分   再開 ○副議長(小林隆利君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際申し上げます。議事の都合により、本日午後5時を過ぎても会議を続行しますので、ご了承願います。                       ◇ △(7)市政について ○副議長(小林隆利君) 次に、質問第16号、市政について、西沢議員の質問を許します。西沢議員。          〔19番 西沢 逸郎君登壇〕 ◆19番(西沢逸郎君) 通告に従いと言うべきところですが、昨日のスーパームーンの朝、かつて上田を舞台とした大泉洋主演の「青天の霹靂」という映画がありましたが、まさしく青天の霹靂の出来事がございましたので、通告の順番を変えて、今振り返りますと母袋市政と真摯に向き合いまして、是々非々で真剣勝負で質問をしてまいりました15年間ではありましたが、連続59回目の登壇による質問を報恩感謝の気持ちでさせていただきます。理事者の皆さんは大変お疲れかとは思いますが、答弁の順番を間違えることなく、自分の言葉でご答弁をしていただければと思います。 それでは、1として農林業の振興等について、2としてスポーツ振興、3として樹木に関する市民の皆様の困り事に対する対応について質問を順次させていただきます。 まずは、さきの台風21号で被災されました市民の皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、消防団、防災支援協会、上下水道事業協同組合など多くの関係機関の皆様の活動、そして何よりも市の職員の方々の活動、働きに対しまして心より感謝申し上げます。 それでは、第1に農林業の振興等について伺います。信濃毎日新聞社は母袋市政の検証として特集記事を掲載されましたが、残念ながら大変重要な課題である産業振興には余り触れられておりませんでしたが、1として、母袋市長が旧上田市長に就任されてから15年余りが経過いたしましたが、この間に農林業の成長産業化にどのように取り組み、成果を上げられたのか。また、担い手農家や林業従事者の育成はどの程度進み、5年先、10年先を見越した将来の見通しはどうかをお聞きいたします。 次に、2として、果樹専業農家さんの切実な声として、今後5年から10年で担い手は激減してしまうとの声がありますが、農家の高齢化や後継者不足、後継者の育成といった全国的な課題解決に向けてどう取り組まれているのか。また、農業の後継者に対する支援や新規就農者に対する研修事業等をさらに強化する考えはどうか。また、農業の担い手である女性農業者への研修や支援をさらに推進すべきと私は考えますが、市の見解をお聞きし、私の第1問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 中澤農林部長。          〔農林部長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎農林部長(中澤勝仁君) 農林業では従事者の高齢化、所得の低迷による後継者や担い手の減少、それらに伴う耕作放棄地の増加や森林の荒廃化など、従来からの課題解決に向けまして、市では農林業の競争力や稼ぐ力を高める政策とあわせまして、農地や森林が持つ多面的機能を発揮するための政策を進めてまいりました。 まず、農業分野におきましては、農業の生産性を高めるため、農地の貸し手と借り手をマッチングさせる農地利用集積円滑化事業や農地中間管理事業等を活用しながら、担い手への農地集積に取り組んでまいりました。5年ごとに実施されます農林業センサスの統計によりますと、上田市における1経営体当たりの耕地面積を平成17年と平成27年で比較しますと、田では58.7アールが86.9アールへ、また畑では26.7アールが43.9アール、果樹地におきましては30.4アールから41.4アールと、いずれも1経営体当たりの耕地面積が増加していることから、担い手への集積の成果は出てきているものと考えてございます。 一方で、農家数が年々減少いたしまして、耕作放棄地面積も増加しておりますことから、農業の新たな担い手としての新規就農者をふやす取り組みも重点的に実施してまいりました。具体的には、農業経営を目指す45歳未満の新規就農者への支援事業である農業次世代人材投資事業を活用いたしましたり、またこの事業が始まった24年度から今年度まで36経営体が独立を目指して、遊休農地の再生を含めまして48.1ヘクタールの農地を活用しているような状況でございます。また、担い手などの人の課題や農地の問題につきましては、上田東、西部、塩田、丸子、真田、武石の各地域単位で今後誰が地域の担い手になるのか、地域の農業をどうするのか等につきまして、10年後の地域の姿を見据えながら、地元の実情に詳しい地域の皆さんで話し合いを行っていただきまして、人・農地プランを毎年見直しいたしまして、集落単位で計画を共有するなど、将来を見据えながら農業、農村の活性化に向けた取り組みが進められておるところでございます。 次に、林業分野につきましては、昭和30年の木材の自由化により外材に押される中、国産材の需要が減少し、林業が低迷してまいりました。国ではこの状況を打開するために、平成22年に森林・林業再生プランを策定いたしまして、10年後までに木材自給率を50%以上にする目標を掲げておりまして、外材に打ち勝つ林業政策が進められております。県でも平成20年から森林づくり県民税を導入いたしまして、1期目の5年間は集約化と切り捨て間伐を中心に、2期目の5年間は切り捨て間伐材の搬出を加える中で里山整備を進めてきております。市でも信州上小森林組合が行う里山再生のための森林整備や施業の集約化に対する補助のほか、素材生産効率の向上に欠かせない高性能林業機械の購入等への補助を行い、林業の成長産業化への後押しをしてまいりました。加えまして、平成22年に施行されました公共建築物木材利用促進法を受けて、上田市木材利用方針に基づきまして、市有林から切り出した間伐材をふんだんに使用し、木質感あふれるサントミューゼなど中低層の公共建築物15棟に市産材、県産材を利用した木造化を促進して、木材の利用拡大に努めてまいったところでございます。 上小地域管内で最大の林業技術職員を雇用している信州上小森林組合における10代から40代の職員比率は、県下18の森林組合全体の構成比率を上回っております。さらに、県下森林組合全体の新規採用者比率が平均で6%であるのに対し、信州上小森林組合は12%と若者の就業が進んでおりますことから、若者が定着し、若い力で5年先、10年先の林業が再生されていくものと期待しておるところでございます。 市といたしましては、こうした構造的な課題解決や農林業の生産振興の取り組みに加え、農林業の生産物の販路拡大等の出口戦略も重要との認識から、今年度から農産物マーケティング推進室を新たに設置し、さらなる地産地消と6次産業化の推進を図り、農産物によるシティープロモーションに努めております。本年10月には上田市6次産業化等に関する戦略を策定いたしましたので、今後は事業所等への周知と聞き取りなどを計画的に行う中で、稼げる農業につなげてまいりたいと考えてございます。 また、地産地消をさらに進めるために、上田地産地消推進会議では、5年に1度の見直しを図りながら基本計画を策定しております。さらに、食をテーマといたしましたまちづくりの取り組みも検討しており、全国的な発酵ブームの中、上田には古くから伝わる発酵食品も多くありますことから、発酵によるまちづくりを進めてまいりたいとも考えてございます。 昨年のNHK大河ドラマ「真田丸」放送で向上した上田市の知名度を生かしながら、生産者の皆さんと連携する中で、上田で生産された各種農産物等のブランド化や6次産業化による新商品の開発が促進されるよう、また生産者の生産意欲拡大につながるよう、都市圏の高級ホテル、各種メディアへ出向きまして、特徴ある上田の農産物のPRをしながら販路開拓や拡大に努めております。新たな販路といたしましては、首都圏飲食店や高級ホテルでの上田産の農産物等の提供が決まるなど成果が徐々に出始めておるところでございます。 いずれにいたしましても、農林業が抱える担い手の高齢化、後継者不足などの構造的な課題は一朝一夕で解決できる課題ではないため、地道に稼げる農林業を目指しまして取り組んでまいりたいと考えてございます。 上田市は朝夕の気温の寒暖差が大きく、日照時間も長いため、リンゴ、ブドウなどの果樹栽培に適しており、果樹産地として上田の農業を支えておりますけれども、議員ご指摘のとおり、果樹農家も高齢化が進み、後継者がいなく、荒廃化が進んでおる果樹園もございます。果樹経営の新規参入は、果樹苗木を新植し、収入につながる収穫量を確保するまでは一定の年数を要するため、他の農産物に比べまして経営が安定するには年数がかかるという課題がございます。 この課題解決に取り組んでいるのが平成12年に設立しました信州うえだ農業協同組合の子会社であります有限会社信州うえだファームでございます。信州うえだファームは設立以来地域活性化のために耕作放棄地再生・利用事業や新規就農者育成事業に取り組み、その取り組みは高く評価され、本年6月に第9回農林水産大臣賞を受賞いたしました。その取り組みの一つに、高齢により果樹栽培が困難な樹園地や荒廃した樹園地を事前に調査、把握しておき、果樹での就農を希望する新たな担い手が出た場合には、研修生として雇用し、その果樹園を研修圃場として活用し、研修生が独立就農が可能となったときにその樹園地を継承してもらうことで、将来にわたって樹園地の維持につなげていく取り組みを行っています。また、担い手等がいない場合は信州うえだファームで借り受け、荒廃化しないようにみずから栽培管理を行いまして、リンゴ、ブドウ等を新たに改植しておき、果樹への就農希望があったときに研修圃場として活用し、新規就農者へ継承していくといった取り組みも行っております。 市ではJAなどと開催している農地賃貸相談会などを通じて信州うえだファームと連携し、荒廃した樹園地等を再生する場合には、国や市の遊休荒廃農地対策の補助金を支給するなど対応しておるところでございます。また、独立を目指す新規就農者へは、農業次世代人材投資事業による資金交付や、参入障壁となる収穫量確保に時間がかかるという課題に対しましては、果樹経営起業準備支援事業などを活用いたしながら果樹農家の育成を図っておるところでございます。 また、人口減少が進む中、どの産業分野におきましても労働力不足が深刻化してございます。女性の社会進出は農業分野でも大切な担い手となりますことから、これまでも県主催の農村女性のつどいや交流の場、研修会などへ参加を促すなどの取り組みを行ってまいりました。今後ともこうした取り組みを一層推進するとともに、女性農業者のネットワークである農村生活マイスターなどの活動を紹介するなどして女性の農業への進出を応援してまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 西沢議員。          〔19番 西沢 逸郎君登壇〕 ◆19番(西沢逸郎君) おのおのご答弁をいただきました。 近未来においては、AI人工知能、ロボットに仕事の置きかえが困難な農業や材の活用期にある林業の成長産業化による仕事の創出、働く場の提供、人材の育成は、市民の皆様の安全保障、すなわち食料自給率の向上、エネルギー自給率の向上、そして自然災害が多発する森林の環境保全は防災上も大変重要な課題であると私は考えます。近い将来飢饉、干ばつ、有事等、原油や食料が日本に入ってこなくなることも十分想定されます。国も県も市も農林業の成長産業化に取り組むことを提言いたします。 そこで、農林部長に再質問いたします。ひょう害、台風等自然災害が多発し、何年も続くと農業離れ、離農が進むことも十分考えられますが、農家の皆様への支援が大変重要な取り組みになると私は考えます。昨日の小坂井議員さん、山田議員さんの質問の答弁にもございましたが、農林部長も率先してみずから行動して、農林部を中心とした全庁的な農家支援は効果、成果が上がっている大変重要な支援であると私も思います。今後も新規就農者の育成、後継者の育成、女性農業者の支援を進める上で、大自然に左右されやすい農業だからこそ、現場第一主義で被災現場、収穫現場へ行ってその状況を自分の目で確かめて政策に反映させる、現場に行くことの重要性、被災された生産農家さんに対する支援を行うことが農業の担い手を育てることにもつながることの重要性に対する農林部長の率直な見解を伺い、私の再質問といたします。 次に、スポーツ環境の整備について伺います。新生会は去る11月17日、政務活動費を活用してスポーツのまち天理市、人口6万7,000人余り、面積86.42平方キロメートルの取り組みについて行政視察に行ってまいりました。天理市はスポーツをより能動的な政策としてまちの活性化や市民生活の向上に結びつけるため、平成27年から教育委員会にあった市民体育課を市長部局に配置がえし、スポーツ振興課に名称を変更し、天理大学と連携してスポーツの推進及び健康増進に関するさまざまな事業を実施されて成果を上げ、まちを元気にしておられました。そして、何よりも驚いたことは、市本副議長さんの冒頭の歓迎のご挨拶で、オリンピック選手がまちにごろごろしているとの挨拶でありました。また、天理市のおもてなしとして印象に残ったことは、天理教の信者である議会事務局職員の方が視察終了後、親切にも天理教の総本部や観光資源をバスで案内してくださったことであります。 そこで、お聞きいたします。1として、市長が旧上田市長に就任してから15年余りが経過いたしましたが、この間に旧上田市、上田地域のスポーツ環境の整備はどの程度進んだのか、また上田地域、旧上田市におけるスポーツ環境の整備は上田市の課題と言えないか、お尋ねいたします。 2として、長野大学の土地や金融資産を活用することで上田地域で整備が進んでいない人工芝のサッカー場を整備できると私は考えますが、市から長野大学に働きかけを行い、共同で整備を行う考えはないか、お尋ねいたします。 3として、スポーツ推進課を市長部局に移管し、自転車のロードレースやマラソン、スカイランニング、ボルダリングの大会など各種スポーツイベントを充実させ、スポーツツーリズムを推進し、スポーツを生かした交流をさらに促進する考えはないかを伺い、私の第2問といたします。 ○副議長(小林隆利君) 中澤農林部長。          〔農林部長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎農林部長(中澤勝仁君) 再質問にお答えいたします。 ことしは5月31日の降ひょう被害、さらに追い打ちをかけるような台風第21号による強風被害は、果樹農家の皆様を中心に大変厳しい年となり、つらい思いを抱えての師走をお迎えのこと、心よりお見舞い申し上げたいと思います。私といたしましては、災害が発生するたびに被災現場に出向きまして、可能な限り自分の目で確認するよう努めているところではございますが、今まで以上に被災されました皆様方に寄り添いながら、可能な限り被災者のお立場に立った対応となるよう心がけてまいりたいと思っております。「現場にこそ神宿る」ではございませんが、現場第一主義をモットーに、農林部職員一丸となりまして今後とも生産者支援に努めてまいりたい覚悟でございます。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 中村教育次長。          〔教育次長 中村 栄孝君登壇〕 ◎教育次長(中村栄孝君) 私からは上田地域のスポーツ環境の整備についてお答えいたします。 最初に、市長就任以降の上田地域におけるスポーツ施設の整備状況でございますが、合併前の平成15年に前山地籍に27ホール全面天然芝の塩田の郷マレットゴルフ場を整備いたしました。また、平成17年には芳田地籍の市民の森公園内に市民の森馬術場を整備いたしました。合併後の平成19年には、国分地籍の千曲川市民緑地広場グラウンドにおきまして、利用団体からの要望を受けまして天然芝グラウンドに改良する工事を実施いたしました。さらに、平成24年には古里地籍にございました旧県営野球場の老朽化に伴い、解体撤去をした後、野球、サッカー、グラウンドゴルフ等の競技が可能であります染屋台多目的グラウンドとして整備をしたところでございます。 上田地域におけるスポーツ環境の整備は上田市の課題と言えないかとのご質問でございますが、上田地域におきますスポーツ施設は県内他市と比較をしましても非常に数が多い状況でございます。また、あわせて年々維持管理費が増加する傾向にございましたことから、各施設の現状維持を優先に考えまして、これまでも必要な修繕を実施してまいりました。また、スポーツ施設を新設する場合には、建設場所や施設規模によりまして多額の費用が必要となります。このようなことから、今後のスポーツ施設整備のあり方や取り組みを明らかにするため、公共施設マネジメント基本方針等に基づきまして、本年5月に上田市スポーツ施設整備基本構想を策定したところであり、その構想に基づき現在個別施設の整備計画を明確にするため、上田市スポーツ施設整備計画を策定中でございます。 既存のスポーツ施設は老朽化の著しい施設が多く、上田市体育協会や競技団体より総合体育館やテニスコートの建設のご要望をいただいております。また、老朽化した施設は修繕では維持していくことが困難な状況になりつつあるものもございまして、あわせて2027年には長野国体も開催予定であることからもスポーツ施設の早期整備が求められている状況となっております。今後はスポーツ施設の個別整備計画において公共施設等総合管理計画に基づき総量コントロールを図るとともに、長寿命化も視野に入れながら、これからの上田市における人口推移も見据えた上で計画を策定し、財源を確保しながらスポーツ施設整備を進めてまいりたいと考えております。 私からは以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 小野塚政策企画部長。          〔政策企画部長 小野塚 究君登壇〕
    ◎政策企画部長(小野塚究君) 長野大学に人工芝のサッカー場を整備する考えという質問にお答えいたします。 長野大学の施設整備につきましては、大学内で学部、学科の改編や大学院の設置等を考慮した検討を進め、2020年度までに中長期的な整備計画を策定していくことが公立大学法人長野大学の中期計画に示されております。整備計画の策定に当たりましては、大学が現在保有しています校舎あるいは体育館などの施設の老朽化が見込まれる中で、いつ、どの施設を整備していくか、学部、学科の再編等の方向性とあわせまして、市としても法人の設立主体として大学とともに慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。 一方、人工芝のサッカー場につきましては、この5月に策定されました上田市スポーツ施設整備基本構想では、既存施設の活用を視野に人工芝グラウンドの整備を検討するとの方針も示されております。今後教育委員会においてスポーツ施設整備計画を策定する中で、当該施設の必要性について議論が深まれば検討する段階にもなるというふうに考えております。 また、長野大学の土地及び金融資産でございますけれども、大学の研究、教育のために保有しているものでありまして、金融資産のうちの積立金につきましては、旧学校法人が将来の施設整備のために積み立てたものであることから、一義的には今後策定される整備計画に従い、大学運営に必要不可欠な校舎等の施設整備に活用すべきものと考えているところでございます。このため、議員ご提案の大学の資産を活用した人工芝サッカー場の整備でありますけれども、現状におきましては長野大学に働きかけを行う段階ではないというふうに考えております。 ○副議長(小林隆利君) 神代総務部長。          〔総務部長 神代 芳樹君登壇〕 ◎総務部長(神代芳樹君) スポーツ推進課の市長部局への移管のご質問でございます。 人口減少社会を迎え、より戦略的な市政経営が求められる中、第二次上田市総合計画や上田市まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づく取り組みを着実に実行し、最少の経費で最大の効果を上げるため、本年4月に大規模な組織改正を行ったところでございます。とりわけ文化芸術を生かしたまちづくりを推進するため、教育委員会が所管していた文化行政を政策企画部に移管し、サントミューゼと一体となった施策展開を図るとともに、国際スポーツ大会を契機とした文化プログラムやホストタウンなど波及効果が生かされるまちづくりにつながる取り組みを展開するため、交流文化スポーツ課を新たに設置いたしました。 一方、スポーツ行政につきましては、これまで教育委員会において上田市スポーツ振興計画等にのっとり、学校体育や生涯スポーツの推進、トップアスリートの育成に向けた環境づくり等に取り組んでおりまして、昨年度健康づくりや観光振興などまちづくりの視点から、文化行政とあわせて市長部局へ移管することも検討いたしましたけれども、スポーツ施設の整備が課題になっていることから、引き続き検討することといたしました。 2019ラグビーワールドカップキャンプや2020東京オリンピック・パラリンピックに係るキャンプ地誘致を契機とした人と人との交流、あるいは議員ご指摘の各種スポーツイベントの充実、さらには交流人口の拡大や地域経済への波及効果等を目指す取り組みであるスポーツツーリズムの推進など、スポーツ行政を取り巻く状況が変化し、その多面的な価値をまちづくりに最大限生かせるような新たな体制づくりも求められていると認識をしております。2027年国体の長野県開催も控える中、今後のスポーツ行政につきましては、市長部局と教育委員会とが連携を図ることができる組織体制が必要となってくることから、引き続き教育委員会との協議も重ね、より効果的、効率的な体制を検討してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 西沢議員。          〔19番 西沢 逸郎君登壇〕 ◆19番(西沢逸郎君) おのおのご答弁をいただきました。農林部長より率直なご答弁をいただきました。「現場に神宿る」といいます。現場第一主義で今後も生産農家さんに真摯に向き合い、寄り添って、命の産業であります農林業振興に取り組んでいただきたいと考えます。 ここで、スポーツ振興について母袋市長へ再質問いたします。長野大学の公立大学法人化は母袋市政の大きな成果であると私も考えますが、今後の取り組みとして、長野大学の資産を活用して、あるいは民間企業の協力を得て人工芝のサッカー場や総合体育館等を共同で整備して、市民の皆さんにも利用していただく中で、長野大学を私たちのまちの大学としてより身近に感じていただくこと、そしてラグビーワールドカップキャンプ地誘致を契機といたしまして、ラグビーをより身近なものに市民の皆様に感じていただくためにも、長野大学に女子ラグビー部を創設することを働きかけることも考えられますが、今後旧上田市の課題であるスポーツ振興にスポーツを通じたまちづくりに長野大学を上手にうまく活用していくこと、長野大学との連携について母袋市長の率直な見解を伺い、再質問といたします。 最後に、樹木に関する市民の皆様、管理団体の困り事に対する対応についてお聞きいたします。一昨日のニュースでもインド南部とスリランカにサイクロンが上陸して大きな被害が発生しているとのことですが、今後地球温暖化によってより巨大化する台風にどう対応するかが自治体の防災対策上重要となると言われております。最大瞬間風速28.7メートルの暴風雨が吹き荒れた台風第21号の倒木被害に対して、市の職員の皆さんが迅速に対応いただきましたこと、心より感謝申し上げます。 そこで、お尋ねいたします。平常時においても庭や神社など大きくなり過ぎたり、倒れそうだったりする樹木、巨木の安全対策に個人や管理団体の皆様が苦慮することがあり、今般のような超大型の台風などによる災害発生時には市民の皆様や管理団体が倒木等の処理に困っている状況が市内各地で散見されましたが、このような課題や困り事に対し、解決する方法や仕組みを市で考えることはできないものか伺います。 また、他の自治体の取り組み事例といたしまして、人口12万人余、面積681平方キロメートルの滋賀県長浜市では、地域おこし協力隊員3名が有限責任事業組合を設立し、小規模な自伐型林業を仕事として安定収入で定住を図ろうと、樹木の伐採やまきの販売、狩猟等を行い、地域住民の皆様のニーズに応えているとのことですが、地域おこし協力隊を活用したり同様の取り組みを行うことで樹木に対する市民の皆様の困り事の解決につながると私は考えますが、この地域課題について市として何ができるかをお伺いし、私の一般質問を終わります。 ○副議長(小林隆利君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 今の質問は通告にございませんが、長野大学ということでございますので、メモをさせていただきながらの答弁をいたします。 要点としては、長野大学の資産活用やら、人工芝グラウンドあるいはラグビー部創設、そしてスポーツ振興における連携ということかと思います。先ほども部長からも答弁したとおり、まだスタートして間もない長野大学であります。おかげさまで来年の入試も順調に人が集まっているという報告もあり、女性がかなり以前よりふえているということの中で、さまざまこれからの新しい部、科をどう設けていくか、こういったものも決まらない中で、老朽化した施設の建物、これの建てかえについても結論がまだ出ておりません。そういう中でグラウンドだけ先行するということはまずあり得ない、このように思います。これからの中で何をどうつくっていくのかということが明らかになってこないと、現預金としてある資産を彼らが活用していけるのか、市からの応援も必要なのか等々、さまざまなやっぱり視点でこれから考えていかなければいけないことだと思います。そういう中で、ラグビー部創設についてはもうかねがね私からの、この地域におけるラグビー部の創設についてはお話はもう出してあるところでございます。 したがって、長野大学公立大学法人化になった中でのスポーツ振興だけにおける連携ということは、これまた少し特異過ぎる話でございますので、全体の中での連携策というのはまさにこれからと、このように思っているところでございます。 ○副議長(小林隆利君) 中澤農林部長。          〔農林部長 中澤 勝仁君登壇〕 ◎農林部長(中澤勝仁君) 豊かな自然環境は健康で文化的な市民生活を送る上で欠くことのできないものでございまして、緑化の推進や樹木の保存、保全は緑豊かなまちづくりには大変重要であると考えてございます。残念なことに、10月23日の台風第21号の強風によりまして倒木や枝の落下により建物等への被害が多数報告されております。通常これらの樹木の維持管理につきましては、所有者または管理者により行われるということでございますが、万が一立ち木が倒木したり、枝が落下するようなことがありまして第三者に被害を及ぼした場合には、その管理責任は立ち木所有者等とされているところでございます。市が管理する施設の立ち木が倒木した場合や、道路や河川などの公共施設への倒木が発生した場合は、その機能を確保するため撤去などの措置を行っておりますが、それ以外の場合は市では対応が困難であることにご理解をいただきたいと思います。 このような中、市では松くい虫被害により枯れましたアカマツにつきましては、個人の庭木以外のものであれば伐採などの対応を行っておるところでございますが、境内地や墓地、住宅地周辺で樹木の伐採を行うことは大変危険な作業となります。特に樹高20メーター以上もある大木を伐採する場合には倒すスペースが確保できないことが多く、クレーン車や特殊技術を必要とすることから、森林内で行う一般的な施業とは比べものにならない、いわゆる特伐と言われる高度で危険な作業を伴うものとなります。 さらには、周辺の住宅や電線に影響がないよう細心の注意を払う必要もございまして、伐採後の丸太や枝葉の運搬、処理など多額の経費がかかるようになります。 現在市内には神社などのケヤキやクヌギなど保存樹木として27カ所43本、またケヤキ林や杉並木などを保存樹林として13カ所、約315アールを指定してございます。市では保存樹木及び保存樹林におきます適正な管理を行っていただくため、剪定などに必要な維持管理費につきましては補助制度を設けまして、平成27年度より補助を行っております。先ほども申し上げましたように、立ち木の管理責任は所有者にございますので、適切な管理をしていただくようお願いしておるところでもございます。 しかしながら、災害時における倒木や危険木につきましては、常に発生場所や被災地の状況によりその対応が問題となっています。また、今回の倒木による被害では、土地の所有者と樹木の管理者が異なる場合もあり、地元ではその対応に大変お困りになられたケースもございました。議員ご紹介の長浜市においては、こうした困り事に対応するための仕組みがあるようでございますので、これらの事例も参考にさせていただきながら、今回の災害を教訓に今後の対策につきまして市として整理してまいりたいと考えてございます。 以上でございます。 ○副議長(小林隆利君) 西沢議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 4時22分   休憩                       ◇                                午後 4時40分   再開 ○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(8)東信州次世代産業振興について ○議長(土屋陽一君) 次に、質問第17号、東信州次世代産業振興について、松山議員の質問を許します。松山議員。          〔9番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆9番(松山賢太郎君) 通告に従い東信州次世代産業振興に関して質問してまいります。 2016年7月に東信地区の10市町村が連携し、次世代の新たな産業の創出と地域振興を目指して同協議会が組織されてから早くも1年半近くが経過しようとしています。発足からさまざまなプロジェクトが同時進行し、先月11月には300社近くの地元企業に対して訪問してのヒアリングやアンケートを実施して集計を完了、その成果をもとに来年3月には基本的な方針を導くなどスピード感を持って確実に進捗され、今後大いにその活躍が期待されています。東信州次世代産業プロジェクトは、今までの各地域振興施策とは大きく異なり、行政単位の枠を超えた大規模かつ革新的な試みであり、製品出荷額1兆3,800億円、人口43万人規模の巨大な地方経済圏での新たな挑戦であり、地元東信地区関係者のみならず、全国でも注目されている試みでございます。そのような大規模なプロジェクトの中心的な役割を担っているのが上田市であり、その責任は東信地区の中核都市として重大なものであり、構成市町村からもこのプロジェクトの推進役としての役割を大いに期待されているところでございます。 このような状況を踏まえつつ、まず中核都市として上田市の各種関係機関との取り組みについて伺ってまいります。発足から1年半の間にさまざまな会議や企画などが実施されるなど、実際に運営していく過程の中で構成市町村との連携はどうだったのかを伺います。 設立当初10市町村でスタートがされましたが、現在では御代田町が退会されておられます。ご承知のように、御代田地区にはミネベアミツミの軽井沢工場やシチズンマシナリー等の高い技術力と開発力を持った企業があり、今回の次世代産業振興プランでは必要不可欠な企業がたくさん存在しておられます。幸い御代田町さんの退会はあっても、御代田地域の企業との連携は継続するとのことですが、御代田町さんとの今後の取り組みはどのように検討されているのか伺います。 また、今回の振興プランの事務局はARECに置かれ、東信州次世代イノベーションセンターが事業主体となって活動されておられますが、ARECとは今までも上田市内の各種産業振興においてさまざまな協力を要請していますが、上田市との役割分担や運営責任の所在の明確化などは十分に協議され、相互に納得の上で無理のない体制構築がなされているのか伺います。 次に、このような広域連携での大規模な挑戦を成功させるためには、国や県などの各種関係省庁との連携や綿密な報告、相談は欠かせません。特に主導的な役割を担っていただいている関東経済産業局との連携などは十分にされているのか伺い、私の第1問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 東信州広域連携について幾つかご質問をいただきました。 初めに、他市町村との連携及び現在脱会をしている御代田町とのこれからの取り組みについて答弁をさせていただきます。東信州広域連携による取り組みにつきましては、エリア内の高度なものづくり技術の集積を生かす次世代産業の創出と個々の企業の競争力向上を目指し、事業の推進主体としてAREC内に東信州次世代イノベーションセンターの機能を置き、関係自治体との連携、支援体制として、東信州次世代産業振興協議会を設立し、相互に連携を図りながら各種事業に取り組んでおります。 今年度の主な取り組みといたしましては、来年度から平成34年度までの5年間の次世代産業創出に向けた目指すべき方向性や具体的な戦略を明らかにする戦略プランの策定を進めているとともに、企業向けの技術講演会、セミナー、技術展示会の開催のほか、地域内企業の人材確保支援事業など、スケールメリットを生かして取り組みを推進しているところでございます。 取り組みの推進に当たりましては、9市町村の担当課長で構成する幹事会で年度ごとの事業計画案を立てまして、全市町村長に出席いただく協議会で協議し、決定いただく形で進めております。9市町村の連携につきましては、上田市が協議会の事務局を担う中で、担当課長による幹事会に加え、担当者会議を随時開催しておりまして、職員間の意思疎通が円滑に図れるよう努めているところでございます。また、行政間の連携に加え、各種産業支援機関の協力が不可欠なことから、9市町村の商工会議所及び商工会等に赴き、広域連携の取り組みについての理解を得まして、エリア内のコーディネーターによる情報交換会を開催するなど、産業界とともに推進する体制ができつつあると感じております。 御代田町につきましては、残念ながら本年7月に開催した協議会で退会に至ったところでありますが、東信州エリア全体の産業振興に向け、御代田町商工会や企業に対しましては引き続き取り組みへの参画を働きかけてまいりたいと考えております。 次に、ARECとの役割分担等についてのご質問をいただきました。まず、ARECとAREC内の東信州次世代イノベーションセンターの役割分担についてでありますが、AREC内の東信州次世代イノベーションセンターは、専任コーディネーターによりエリア内企業を対象といたしまして東信州広域連携の取り組みを担当しております。ARECでは会員企業向けの販路開拓支援や製品開発等に向けた技術支援、国の補助金を活用した創業支援事業、専門家派遣事業等を主に担っております。 続きまして、東信州エリア広域連携の推進主体である東信州次世代イノベーションセンターの専任コーディネーター2名と協議会の事務局を担う当市の担当者2名の役割分担についてでございます。現在の役割分担といたしましては、各種セミナー、技術展示会、人材確保支援事業等の企画運営を東信州次世代イノベーションセンターの専任コーディネーターが担当し、構成市町村やエリア内産業支援機関の連絡調整や広報活動等を主に当市の担当者が担い、戦略プラン策定に向けた企業ヒアリングや意見集約につきましては共同で取り組んでいる状況でございます。取り組み2年目となる今年度から事務局を担う当市の担当者2名がARECにほぼ常駐できる体制が整ったことから、役割を明確にしつつも、常に意見交換をしながら協力体制で取り組んでおります。 次に、関東経済産業局や各種関係省庁との連携に関するご質問でございます。東信州エリアの広域連携の取り組みにつきましては、担当者が経済産業省や関東経済産業局に随時赴き説明を行っている一方で、機会あるごとに国からも訪問をいただき、その都度激励やアドバイスをいただいているところであり、引き続き国の関係機関とのパイプを密接にとりながら、今後の事業推進に活用可能な補助金等の財源確保に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(土屋陽一君) 松山議員。          〔9番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。関係市町村には幹事会、これ課長さんたちの皆さんが一堂に会しているということで、非常に具体的かつ実効的な母体があるのだなというふうに感じました。また、協議会、首長さんもしっかりその部分を踏まえて常時お会いしていただいているということで、安心をしたところでございます。また、ARECに関しても2名の専任職員の方が対応していただくということで、一番はARECさんとしっかり協力関係、また役割の明確化ができているかという部分に関しては安心したところでございます。 そして、一番これから大切な部分というのは、やはり国、県及び各構成市町村初め多くの皆さん方に協力をいただくという中では、しっかりお話をしていただき、そしてやはり補助金の部分というのも、今部長のほうからご説明ありましたけれども、重要な部分ですので、ぜひしっかり対応していただきたいというふうに思います。 次の質問に移ります。次世代産業振興プラン作成におけるRESAS等のビッグデータの活用について伺います。これからの各種産業振興施策は、より具体的に科学的なデータを分析しながら実現性の高い政策を立案することが要求され、全国各地の地方公共団体でも各種ビッグデータの活用が推進され、全国各地でさまざまな取り組みが行われています。産学官連携はさらに深化し、大手広告代理店や携帯通信キャリア、損保会社など全く分野の異なる企業が連携して特色のあるさまざまなプロジェクトを展開しておられます。県内でも一般社団法人オープン&ビッグデータ活用・地方創生推進機構が主催する地方創生に資するデータ活用プランにおいて、塩尻市が信州大学と連携して各種センサーデータやオープンデータを使う最先端の研究成果を活用し、塩尻市内に集積している中小IT企業の手によって土砂災害予測分析システムを開発し、市民生活の安心、安全に貢献する試みを実施されており、ビッグデータの活用における科学的な政策立案などは当たり前になりつつある状況です。 そんな中、今回の調査では調査実施企業300社の抽出等でRESASを活用した分析をされたとのことですが、上田市として現状でのRESASの活用状況及び専門的に活用する人材の育成はどうされているのか伺います。これからますます重要な分野です。私は、外部から専門的な人材の積極的な活用も含め、早急に検討すべきと考えますが、上田市の見解を伺います。 また、今回の振興プランではビッグデータを活用した視覚的でわかりやすい資料作成が予定されていますが、具体的にいつごろ、どのような内容で公開され、その情報は地元民間企業が独自で活用することは可能なのか伺います。 時代の要望は確実にビッグデータの活用を含めた科学的なアプローチがさまざまな分野にて要求される方向ですが、RESASだけでなく、民間企業の所有する詳細な優良のビッグデータサービスを活用して現状の分析の精度を向上させた上で、各種政策立案など積極的に活用する姿勢はどうか、見解を伺います。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) ビッグデータの活用についてご質問いただきました。 ご質問の地域経済分析システムRESASにつきましては、東信州エリア内企業の資本金、製造品出荷額及び域内外の取引状況等の実態調査に使用し、戦略プラン策定に向けたヒアリングを行う企業の選定などに活用しているところでございます。 データを活用するための人材の育成につきましては、昨年度から協議会の行政職員及び産業支援機関の職員等を対象といたしまして、講師を招いたRESAS勉強会を開催し、RESASの活用事例やシステムの操作等について研さんを深めているところでございます。外部の専門家の活用につきましては、策定中の戦略プランにおいて具体的な戦略を立てている中で、民間シンクタンクの専門家のアドバイスを取り入れており、今後も事業を推進する上で必要に応じて活用してまいりたいと考えております。 次に、ビッグデータを活用した視覚的な資料の内容、公開予定等についてのご質問でございます。視覚的な資料につきましては、戦略プランにおいて東信州エリア全体の経済状況の分析資料や具体的な戦略の裏づけデータとして地域経済分析システム、RESASでございますが、このほか各種統計資料に基づく数値などを図表やグラフを用いてわかりやすく盛り込んでいくこととしており、戦略プランの公表は来年度の第1回協議会以降を予定しております。公表に当たっては、東信州次世代イノベーションセンターのホームページで広く周知するとともに、ヒアリング調査にご協力いただいたエリア内企業ほか、国の関係機関、地域の産業支援機関等に配布いたしまして、有効に活用していただきたいと考えております。 次に、民間等のビッグデータの活用についてのご質問でございます。戦略プラン策定に当たりましては、RESASや各種統計資料のほか、民間シンクタンクが保有するデータも活用しているところであり、引き続きデータをフル活用してまいりたいと考えております。 ○議長(土屋陽一君) 松山議員。          〔9番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 まず、RESASの活用に関して、情報的に私たちがわかる部分と行政関係者の皆さんがわかる部分が若干違いますので、なかなか判断ができないところではありますが、やはりいろいろな人材の育成も含めてしっかり対応されておられるということですが、この部分に関してはこれからもっとデータサーチャー的な専門的な方も必要になってくると思いますので、しっかり人材育成はしていただきたいと思います。 それから、いろいろな分析をしっかり来年の第1回の協議会以降に出していただけるということですが、ここの部分も有効活用するということはわかるのですけれども、例えばこれ、ではこういう部分どうなるのだろうかというような企業側からのリクエストに対して対応していただけるのかというような部分に関しては再質問させていただきますので、ご答弁のほどお願いいたします。 それから、優良データ、またRESAS以外のビッグデータの活用ということで、以前半田議員のほうから一部そのような観光振興に関して質問がありましたが、非常にすばらしいデータで、特にRESASの持っている対象セグメントがよくわからない部分というのが、大手の通信キャリアを中心としたデータはしっかりどこで、どういう方が、どういうふうに活動したかというのがより詳細にわかりますので、ぜひそういう部分を活用して、今回の大きなプロジェクトにはしっかり科学的な分析をしていただきたいなというふうに感じております。 それでは、次の質問に移ってまいります。今回11月末までにRESASを活用して抽出した地元300社余りの優良企業へのヒアリングや回答方法に大変工夫を凝らしたアンケートが集計され、振興プラン策定の重要な資料として検討される予定であり、このような大規模な調査に対して実際に企業を訪問してヒアリングを実施しながら並行して地元企業調査を科学的なデータ分析を用いた方法は初めての試みであり、その集計、分析に大いに期待しているところでございます。 そこで、伺いますが、1として、上田市内において実施されたヒアリングやアンケートを実施した現状での成果や上田市としてどのように集計結果を評価しているのか伺います。 2として、約300社のうち上田市内の企業は一体何社だったのか、教えてください。 3として、大規模なヒアリングやアンケートを実施した中で、実際に業務を行った市の職員さん及び市内産業支援機関の協力などはどのような状況だったのか伺います。また、他の構成市町村などがヒアリングやアンケートを実施する中で、全体的な事務的対応及び集計を担った際の問題点や今後の課題などどうだったのか。 以上4点上田市としての対応及び見解を伺います。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 初めに、再質問部分でございますけれども、企業側からのリクエストがあった場合ということでございます。この場合につきましては、内容にもよりますけれども、できる限り対応してまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。 続いて、アンケートや企業訪問をして得た集計結果のうち、上田市管轄内の結果あるいは評価についてのご質問をいただきました。7月末から進めてきたヒアリングでは、地域企業が抱える共通課題や保有する技術とともに、各企業がこれから挑戦したい新たな分野、技術開発などが浮かび上がり、戦略プランの策定や次世代産業創出を目指す研究会の立ち上げに向け大変有意義な情報収集を行うことができたと受けとめております。また、ヒアリングでは人材確保、販路開拓、補助金申請、企業同士のネットワーク強化等に関する要望も伺っているところでございまして、今後の取り組みに生かしてまいりたいと考えております。 次に、上田市内でのヒアリング等の実施数、担当した職員についてのご質問でございます。まず、ヒアリングの件数につきましては、11月末現在、東信州エリア全体で219件実施しておりまして、そのうち上田市内は98件でございます。また、上田市内の実施に関し対応した市職員と産業支援機関の割合につきましては、市職員と産業支援機関合同による訪問が87件、市職員のみが9件、産業支援機関のみが2件でございまして、大多数が合同によるものとなっております。 次に、調査実施上の問題点や課題といたしましては、訪問の日程がスムーズに調整できなかったことや、ヒアリングの集計作業に手間がかかっていることなどがございますが、一方ではエリア内企業に対しまして広域連携の取り組みをお知らせする絶好の機会となっておりますし、各市町村の職員にとっても地域企業の状況を知り、有益な情報が得られる取り組みであると考えております。 ○議長(土屋陽一君) 松山議員。          〔9番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 まず、非常に驚いたことが1つあります。今までいろいろな議員の皆さんがやはりこのような地元の企業に直接訪問していろいろヒアリングをしたらどうだというような部分でなかなか難しいというご答弁の中で、7月から11月のわずか4カ月で98件、これは非常に大変な成果ではないかなというふうに驚きました。また、その中で、部長のほうからもご答弁ありましたけれども、やはり企業さんとしてしっかりフェース・ツー・フェースで話をしながらいろんな情報交換、そして今対応しているさまざまな政策等の説明というのはやはり企業側も安心してくる部分でございます。そういう部分では非常に大きな成果を上げられたのではないかなということで、今後ますますこの分析結果、期待しているところでございます。また、各関係市町村との連携というのも、今大変ご苦労はいただいているようですが、非常にいい成果が出ておるということで、私もうれしい限りでございます。 続きまして、次の質問に移ってまいります。今回の協議会では産学官連携プラス地元金融機関もご協力をいただいておりますが、このプロジェクトが順調に進み、大きな成果を上げるためには、大変重要な役割を地元金融機関様には担っていただかなければなりません。現在アベノミクス効果で徐々に製造業に関してもリーマンショック以降久々に回復傾向が鮮明になっています。少しずつでありますが、地元製造業の中でも受注量が安定し、中には新たな設備を実施するような企業も確実にふえ始めています。 しかし、そのような元気のある企業さんを分析いたしますと、この10年間の間に設備更新や新たな成長産業への投資をされてきたところが大多数を占めておられます。ご承知のように、製造業はたゆみない技術や経験の蓄積はもちろんでございますが、その土台は長期的な方針のもと安定的に実施される設備や人的投資による部分が大変重要であり、そのためには資金確保は常に検討しなければならず、中小企業は特に重大な課題となっています。次世代産業振興プランをもとに地元企業が具体的に活動を始めた場合、まず最初に資金的な問題に直面することは明確であります。この部分の支援を充実させることができるのはやはり第一に地元金融機関様であり、そのご理解と協力なしでは成功は考えられないと思います。特に上田市にはほぼ全ての地元金融機関様が存在し、早期から今回のプロジェクトに積極的にかかわっていただく努力を上田市としてもしっかり対応すべきと考えますが、いかがでしょうか。 そこで、伺ってまいります。1として、各種地元金融機関との現状の取り組みの状況と、金融機関に対して今後の具体的な役割及び協力依頼について、中核都市の上田市としてどのような方針を検討しているのか伺います。 2として、ふだん企業とおつき合いが多い各種地元金融機関の持っておられる企業情報や経営分析能力及び近年充実されつつある金融関連シンクタンク等、人材と情報の活用についてはどのように検討しているのか伺います。 3として、新たな企業の挑戦的な投資や新規事業への積極的な資金的な対応などについて、地元金融機関と具体的にどのような協議をしているのかも伺います。 また、現在でも大変充実している上田市独自の金融補助制度に加え、今回の東信州次世代産業振興プランに沿った上田市内の企業の挑戦的な投資に対する市の支援策や各種保証制度などを金融機関や国や県などと連携し新たに検討するお考えがあるのか。 以上4点を伺います。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 地元金融機関との連携に関するご質問をいただきました。 地方創生の取り組みにおいて金融機関の果たす役割が期待されている中で、東信州エリア広域連携の取り組みにおきましても金融機関とのかかわりが重要なものと認識をしております。現在はARECと市内の1金融機関が連携協定を締結している関係から、東信州の取り組みにおきましても連携のもと実施している個別の事業がございますが、加えて複数の金融機関から東信州次世代イノベーションセンターとの連携協定締結を打診されておりますので、今後金融機関が持つ企業情報、コンサルティング機能、融資機能を活用していくためにも協定締結を検討してまいりたいと考えております。 次に、金融機関の持っている人材や情報の活用についてのご質問でございますが、現在進めている戦略プラン策定におきましても、県内にシンクタンクを持つ地方銀行の参画をいただき、アドバイスや提言を取り入れているところであり、引き続き積極的に活用してまいりたいと考えております。 次に、企業の挑戦的な投資など資金面での地元金融機関との協議についてでございますが、東信州エリア広域連携の取り組みでは、次世代産業につながる新分野への進出や新製品開発に取り組む企業を応援してまいりますが、研究開発などに伴う資金的な需要が出てくることも想定されますので、必要に応じて金融機関と協議してまいります。 次に、東信州広域連携の取り組みにおける市内企業への対応ということのご質問でございますが、東信州広域連携のプランに沿った取り組みは基本的に9市町村で構成する東信州次世代産業振興協議会の予算の中で支援してまいりますが、上田市の企業に対しましては、必要に応じて上田市の制度である産金官連携雇用創出事業補助金や市の制度融資の活用も想定してまいります。また、協議会事務局といたしましては、現在活用している県の元気づくり支援金や地方創生推進交付金にかわる財源を国、県と連携する中で確保していくことに努めてまいりたいと考えております。 ○議長(土屋陽一君) 松山議員。          〔9番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 まず、非常にありがたいことは、1機関以外多くの金融機関さんが連携協定を打診されているということでございます。ぜひこの部分は早急に締結をしていただいて、多くの企業様の人脈、そしてノウハウ、いろんな部分を活用させていただければ大変ありがたいなと思っております。 また、いろいろな資金的な融資の部分も積極的にお考えいただいているということですけれども、私お伺いしているところ、もう既に10件近くの案件があるということで、その中には大変今までのいろんな融資部分ではおさまり切れない部分もたくさんあるようにお見受けしております。ぜひそういうところも細かく対応していただくような対応を今後ご検討いただければありがたいなと思いますし、その辺に関しましても国、県などに働きかけていただくという力強い答弁でございました。ぜひ今後そういう部分対応していただくように希望いたします。 次の質問に移ります。今回の東信州次世代産業振興プランは実にさまざまな地域課題に対する取り組みがなされ、この1年半近くで多くのイベントや講座、研修会などが実施されておられます。信州大学を中心に据え、地元企業が中心となった製品開発、人材確保及び人材育成、地元企業同士の技術交流の推進、そして次世代産業創出など多岐にわたっています。その研修会やイベントなどの企画だけでも大変な労力が必要であり、人材確保の分野でのイベントだけでも大学生、女性起業家、留学生、シニア人材、もちろん地元の企業様向けまで開催され、最近では定住希望者用のイベントまで対応されているなど、この分野だけでも一大テーマで対応してもよいようなボリュームがあるように思います。今後本来のプランの実施に向けた分析や集計、そのまとめ等などの作業や国、県や各種関連機関、そして構成市町村との調整役、プラン実施の実質的な進行役など膨大な作業量と責任がある役割満載であると予想します。このような状況が簡単に予想される現在、上田市として2名の専任者をARECに派遣しておられますが、今後人材のさらなる支援についてどのように検討されているのか、現状の体制分析も含めて伺います。 派遣された人材は貴重な経験と人的、知的財産を得ることが予想され、今後の地元の産業振興施策を担っていただける貴重な人材育成のよい機会になることは明白であります。ぜひ前向きに積極的な人材の登用をお願いするところでございます。 また、東信州次世代産業振興プランの進捗状況により、さらなる専門的な知識や経験を持った即戦力となる人材が必要になると推測できますが、今後さらに外部からの人材の採用や登用など積極的に推進することを検討しているのか、市の見解を伺います。ご承知のとおり、優秀な人材確保は日々の努力による人的ネットワークの活用及びそれなりの人件費も含めてあらかじめ準備しておく必要があり、必要なときになって慌ててもうまく対応することはできません。長期的な展望も含めて優秀な人材の確保に対する上田市としての見解を伺います。 ○議長(土屋陽一君) 倉島商工観光部長。          〔商工観光部長 倉島 義彦君登壇〕 ◎商工観光部長(倉島義彦君) 今後の人員体制についてご質問をいただきました。 今年度から体制を拡充し、上田市から東信州次世代産業振興協議会事務局の専任職員2名を配置するとともに、協議会予算で専任コーディネーターを新たに雇用しているところでございまして、今後、当面は市職員を拡充する予定はございません。 次に、外部からの人材登用についてのご質問でございます。今後次世代産業創出に向けた分野別研究会が立ち上がってまいりますと、より専門性の高い企画運営等の業務が増加してくることが想定されますので、協議会として必要に応じて外部人材の活用を検討してまいります。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 松山議員。          〔9番 松山 賢太郎君登壇〕 ◆9番(松山賢太郎君) ご答弁いただきました。 何度も出ているように、2名、そして専任のコーディネーター1名ということですが、やはり予想以上にこれから多くの課題、そしていろいろな対応が必要になると思います。私は、個人的にはこれだけでは足りないという部分も感じておりますし、先ほど私もお話ししたように、非常に地域振興では大変すばらしい人材育成の場でもあるというふうに考えれば、ぜひ多くの方を参加していただくことを希望しております。 また、外部人材のほうに関しましても積極的に検討していただけるということで、こちらの部分は非常に重要な部分になると思いますので、こちらのほうもしっかり対応していただきたいというふうに思います。 それでは、次の最後の質問に入ります。今回の東信州の次世代産業振興プランは、東信地域のみならず全国からも注目されている革新的な取り組みであり、その中核を担う上田市も大変重要な役割を担うわけであります。必ず目覚ましい成果を上げ、先進的な成功事例として多くのさまざまな試みの模範になることはもちろん、これからの日本経済を下支えするような国家的なプロジェクトに成長する可能性を十分秘めています。 そこで、その中心的な役割を担う母袋市長に伺います。まず、今回の成功には地元企業との連携は必要不可欠であります。ぜひ今まで以上に上田市内の企業経営者と市長が定期的に意見交換する機会が必要であると考えますが、見解を伺います。 また、これから構成市町村や各種団体との調整、特に国や県や各種機関との対応など膨大な作業や時間的な制約が予想される中、例えば経済専門の副市長など特任専門職を任命する必要性は高いと思いますが、いかがでしょうか。 そして、今回の一大プロジェクトである地元製造業に新たな将来への挑戦に関して、上田市だけでなく東信地区全体を考え、中核都市の上田市が責任を持って具体的な施策の実現を推進するための市長の見解を伺い、私の質問を終わります。 ○議長(土屋陽一君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 松山議員の質問に答弁いたします。 今まで質疑あった中での東信州エリア広域連携による次世代産業創出、まことに夢もあり、これをいかに物にできるかというのが大きな課題だと思う中で、まず東信州エリアでの強みを発揮するために、やっぱり全国へアピールし、連携による新たな創造とか人材育成、これをしていくことが目的だと思います。取り組みもようやく2年目に入りました。地域のものづくり産業を支援する9市町村の連携体制が整いまして、次なるステージに向けた取り組みも着々と進み始めていると受けとめております。今後は戦略プラン策定に向けた企業ヒアリングをもとに、産業界のアクションを後押ししていく段階と、このように思います。 かつて市内優良企業各経営者と定期的に面談をいたしましたし、また工場の視察も何社かさせていただいておりますが、現在経営者の皆様とお会いする機会あるごとにこの東信州広域連携についての話にも触れ、取り組みへの理解、周知に努めてもおります。産業界の皆様の思いや要望を伺うことに心がけておりますが、今後上田市として市内だけでなく、周辺の市外の経営者の皆様ともお会いする機会は有意義だと、このようにも思っておりまして、つまり製造業の振興に向けた施策、制度の充実にやっぱり意を配してまいる必要を感じております。 次に、副市長というお話がございました。地域のさまざまな産業、雇用を維持確保し、市民の皆様の安心の暮らしを支える基盤でありますから、市政におきましては将来を見据えた持続的な振興、発展に向け最も力を注がなければいけない重要な分野の一つとまず認識をいたすわけでございます。そういう中で、目指すは先ほどお話ししたような内容と、やっぱり新たな価値を創造してこの地域の豊かさや魅力を高めていくことが重要でもあろうと思っております。そのためにも市の組織のあり方としては、経済分野を統括する専任の副市長制ということが有効な手だての一つかとは思いますが、現状においては引き続き現行の副市長、そして各担当部長のライン、指揮のもとに、そして縦割りというものは排除しながら、職員が互いに連携の意識を強く持って職務に当たることを進めてまいりたい、このように考えているところでございます。 最後に、私は将来の上田市の製造業の発展においては、これまでの単独の発展ということから、殻を破って今回我々が進めておる結びつき、密接な結びつきによる広域的な経済圏の中での各社の発展をやっぱり目指す、そういう新たな段階に入っているのではないかと、このように思っております。国の成長戦略あるいは為替の安定もありまして、先ほどもお話ありました全国各社業績も好調になっております。幸いそういう中にもこの上田市内あるいは他地域においても大きな設備投資が計画されておると承知をいたしております。したがって、この東信州エリア全体での取り組みにおいて、ものづくり産業の振興に向けて他自治体との連携、また予算建て、こういったものが必要となってくるわけでございます。 しかし、意思統一、意識の共有が図れなければ前へ進まない、御代田町みたいに入っておいて脱退するというのは、負担があれば脱退するよと、こういう話だったわけでありますので、大変残念であります。そういうこともありますので、やはり各自治体首長あるいは副市長レベルの話をきちんとしながら、中核都市として進める必要も感じておりますので、その辺の役割についてはこれから果たすべきと、このように考えておるところでございます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 松山議員の質問が終了しました。 ここで15分間休憩といたします。          午後 5時24分   休憩                       ◇                                午後 5時39分   再開 ○議長(土屋陽一君) 休憩前に引き続き会議を開きます。                       ◇ △(9)国民健康保険について ○議長(土屋陽一君) 次に、質問第18号、国民健康保険について、深井議員の質問を許します。深井議員。          〔30番 深井 武文君登壇〕 ◆30番(深井武文君) 一般質問2日目ということで、きょうのしんがりを務めます。大変皆さんお疲れと思いますが、もうしばらくおつき合いいただきたいと思います。 それでは、通告いたしました国民健康保険について何点か伺います。この質問に先立って古市議員からも何点か質問出ておりますが、私は制度が抱える問題点などを中心に伺ってまいりたいと思います。1958年、昭和33年、国民健康保険制度は国民の命と健康を守るため、安心して医療が受けられる制度として国の方針により制度化され今日に至っております。加入者は現在約3,200万人と言われております。一方、大手企業を中心とした加入者で構成する健康保険組合あるいは中小企業の組合員で構成する協会けんぽ、また75歳以上が加入する後期高齢者医療制度などと並び、国民の命と健康を守る重要な役割を担い今日に至っていることは周知のとおりであります。世界に誇るこの国民皆保険制度は、一方で国民皆年金制度とあわせ我が国の高度経済成長を支え、世界最長寿国に押し上げた陰の原動力となった社会保障制度でもあります。 しかし、これらの保険制度の中にあって国民健康保険のみが持つ体質的あるいは構造的な弱点が高度医療の進化、また長寿社会の進行に伴って市町村の国保会計は慢性的な財政悪化が加速度的に進み、この不安定化を解消するため、国は平成27年度の改革案により、これまで市町村で全て担っていた運営を都道府県が財政運営の責任を負う医療保険制度改革としての案がまとまり、明年30年4月1日から事務の一部を除き県に移管されることになったわけであります。現在この移管に向けて市も準備を進めておりますが、これらの経過を踏まえ、移管に向けての課題と上田市としての取り組み状況等について伺ってまいります。 まず最初に、3点ほど伺います。まず、運営移管によってこれまで担ってきた国保関係の市の事務量はふえるのか、減少するのかどうか。また、運営業務の具体的なすみ分けはどうか伺います。 2点目でありますが、移管に向けて具体的な変更点など市民への説明や周知は今後どのように進めていくのか、詳しく伺いたいと思います。 3点目、この移管による運営の制度設計などを審議する新たな県の運営協議会の組織の設立についてはどうか。また、現行で市が設置している運営協議会とあわせ、その今後の状況、そしてまた引き続き被保険者の意見、声などはどのように反映される仕組みになるのか。 以上3点伺い、最初の質問といたします。 ○議長(土屋陽一君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 3点質問をいただきました。 まず、県への移管により上田市の事務量はふえるのか、またすみ分けはどうかという質問でございます。平成30年4月から実施される国民健康保険制度改革においては、これまでの市町村の単独運営から都道府県が財政運営の責任主体となり、市町村とともに共同で運営を行う制度へと移行いたします。移行後は県では財政運営や各市町村の納付金、標準保険料率の算定、保険給付に必要な費用の市町村への交付等を行います。市では引き続き国保の加入、脱退や保険証の交付、保険税の賦課徴収、保険給付のほか、健診や保健指導、人間ドック補助などの身近な業務の運営を行いますので、市民の窓口となる事務に変更はありません。事務量に関してですが、実際に移行、運用が始まってみないとわからないこともありますが、当面は県への報告や改正後の経過的事務の増加が見込まれますが、適切な事務の執行に留意をしてまいります。 2つ目として、県への移管について市民への周知や説明はどのように行うのかというご質問でございます。まず1点目として、本年度の当初に被保険者へ配布をしております「平成29年度上田市国保のしおり」において、項目を新たに設けて「平成30年4月から国民健康保険制度が変わります」との広報を行っております。 2点目として、7月にも国保制度改革の趣旨、概要及び効果などを説明したチラシを作成し、国民健康保険税納税通知書とともに課税対象となる全世帯へ送付するなど、被保険者への周知に努めてまいりました。 3点目として、さらに国民健康保険に加入されていない市民にも広くご理解をいただけるように、平成30年1月16日号の「広報うえだ」においても国保制度改革の基本的事項について掲載する予定として、現在準備を進めております。今後は国民健康保険税率や被保険者証の様式変更など、被保険者や市民にとって身近で関心が高い事項が決定してまいります。引き続き適切な時期にわかりやすい周知や広報を行ってまいりたいと考えております。 続いて、これまでの市町村の国民健康保険運営協議会のほかに県における運営協議会の組織の設置についてのご質問でございます。まず、市町村の国保運営協議会は引き続き設置され、保険給付や保険税の徴収等の市町村の国民健康保険事業に関する重要事項の審議を行います。委員構成は、国保加入者からの被保険者代表、診療を行う側からの保険医または薬剤師代表、学識経験者などの公益代表など3つの必須区分からの選出のほか、任意区分として、他の健康保険からの被用者保険代表も加えた4つの区分からの選出が原則とされ、従来からの体制に大きな変更はありません。 県においては、国民健康保険事業費納付金の徴収や県の国民健康保険運営方針の作成などの国民健康保険事業に関する県全体の重要事項を審議するため、長野県国民健康保険運営協議会が既に設置をされております。委員構成は、被保険者代表として3人、保険医または薬剤師代表として3人、公益代表として3人、被用者保険代表として2人、4つの区分から合計11人が選出されています。被保険者代表が選出されているほか、運営方針の策定において実際に被保険者と接する市町村からの意見聴取も義務づけられており、被保険者の声を反映する配慮がされております。 なお、この県の国保運営協議会では平成30年度からの3年間の県内の統一的方針となる長野県国民健康保険運営方針について、県知事からの諮問に基づき協議を行い、平成29年11月14日に答申を行いました。県では答申に基づき年内に運営方針を策定する予定とお聞きしております。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 深井議員。          〔30番 深井 武文君登壇〕 ◆30番(深井武文君) ご答弁伺って、移管される姿のアウトラインは大筋理解したところであります。 次に、1人当たりの保険税額の限度額において現在市町村間で大きい差が生じており、移管に向けて大きな課題となっております。統一した標準化に向けては時間かかると思うのですが、その辺の県の計画、方針等は現状において示されているのかどうか。 それから、2点目は、県が示す運営方針により市町村ごとの納付金が示され、これにより市の標準保険料率が示されるということでありますが、納付金の試算額は、先ほどの古市議員の答弁にもございましたが、年が明けて1月に示されるという答弁がございました。これまでの準備段階でも納付金の試算額が示されたようでありますが、県内市町村の動きを見ると、この試算額を受けて現在の制度運営の状況と比較して大きな保険料の引き上げを求められるような状況が生まれそうだというようなことで、スタート時からこの運営をめぐって不安視する市町村の声が非常に多く聞かれるわけでありますが、これらの県下の状況を踏まえて、我が上田市の場合どのような状況か、その辺を2点目として伺いたいと思います。 ○議長(土屋陽一君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) まず、将来の保険税額の統一に関してのご質問でございます。県内の保険税水準の統一については県の国民健康保険運営方針で定めることとされておりますので、先ほど申し上げた長野県国民健康保険運営方針の答申に基づきご説明を申し上げます。 まず、県内の保険税水準の状況ですが、平成27年度の1人当たり保険税調定額は、最大の川上村が13万3,185円、最小の大鹿村が3万8,657円となっております。この保険税額の格差は3.4倍で、これは全国の都道府県の中でも一番格差が大きくなっております。なお、上田市の同年度の1人当たり保険税調定額は8万6,082円であり、これは県内77市町村中37番目、19市中12番目という状況になっております。 また、新制度において県は国民健康保険事業費納付金や標準保険税率を被保険者数、所得水準、医療費水準をもとに算定することとなっております。このうち医療費水準は市町村ごとの高齢化の影響を調整して、年齢調整後医療費指数として示すこととなっており、全国平均は1.0というふうになります。 県内のこの医療費指数の状況ですが、平成25年度から平成27年度までの3カ年平均で、最大の平谷村が1.270、最小の小谷村が0.743で、こちらの格差は約1.7倍となっており、こちらもやはり全国的にも大きな格差となっている状況でございます。なお、上田市の指数は0.966で、県内77市町村中20番目、19市中では8番目という状況になっております。 県内の保険税を統一する場合は、この医療費水準の格差を考慮しないで算定することになります。このため、格差が大きい場合には医療費水準が低い市町村が高い市町村を支える構図となり、各市町村の合意形成が非常に難しくなるというふうに推測されます。また、市町村ごとの収納率に大きな差がある場合もやはり公平性が課題となってくると思います。 2点ほど具体的な事例を申し上げましたが、こうした状況を踏まえて県の国保運営協議会の答申においては、平成30年度から直ちに保険税水準を統一することは困難とされております。答申では保健事業等の医療費適正化のための取り組みにより医療費水準の格差を縮小させるなどの課題の解消を図り、3年ごとの運営方針の改定の都度、将来的な保険料水準の統一を検討するとしております。上田市といたしましても、特定健診・特定保健指導などを通じた医療費の適正化、収納率の向上など将来的な保険税水準の統一に資するような取り組みを推進してまいりたいと考えております。 それから、県からの試算が示されたがという点でございます。制度改革後は財政の運営主体が県へ移行するため、市は市町村ごとに算定された国民健康保険事業費納付金を県へ納め、保険給付等に必要な国民健康保険保険給付費等交付金の交付を県から受けることになります。先ほども答弁いたしましたとおり、納付金は市町村の被保険者数、所得水準、医療費水準により調整されます。また、県は市町村が納付金を集めるために必要な市町村標準保険料率を算定し、市町村はこれを参考に独自に保険税率を決定することになります。 県の算定方法ですが、市町村ごとの納付金額は県全体で当該年度において必要となる保険給付費等から公費等の収入を差し引いた額を、当該市町村の所得が県全体の所得に占める割合を応能分とし、当該市町村の被保険者数が県全体の被保険者数に占める割合を応益分として配分することによって算出をします。長野県全体ではこの納付金全体に対して応能分、所得に占める割合を49%、応益分、被保険者数の占める割合を51%として設定するというふうになっております。さらに、これに基づき納付金を集めるために必要な1人当たりの税額及び標準保険料率を算定しています。 現在県が公表しているのは仮計算として、平成29年度から財政運営主体が県へ移行した場合の試算として出ています。この試算について申し上げます。まず、上田市としての納付金額は約38億5,000万円余、1人当たりの納付金額に直しますと10万9,000円余となっており、これは県内で35番目の数字となっております。また、1人当たりの税額は10万3,000円余で、県内で45番目であります。標準保険料率については、現行の上田市の税率と比較いたしますと、全ての被保険者に課税される応益割が上昇しており、所得に応じて課税される応能割が低下しております。この試算はあくまで平成29年度の状況にありますので、それぞれの数値は今後発表される数字によって大きく変わる可能性がありますので、ご留意をお願いしたいと思います。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 深井議員。          〔30番 深井 武文君登壇〕 ◆30番(深井武文君) 移管後の状況も大分見えてきたわけですが、次に伺いたいのは、今も一部答えはありましたが、制度の県への移管により県下全市町村が一本化された一応運営となりますが、国保会計の財政運営上、当面の間安定化されることは間違いありませんが、その他の面でこの移管によって当面見えてくる効果、メリット、そしてまた課題について懸念される点はどういう点か、今の状況下で把握されておられたら、その点を伺いたいと思います。 それから次に、これまで上田市の国保会計の運営も年々ふえ続ける医療費の増大、いわゆる給付費ですね、それから当然のことながら高齢化の進行などさまざまな要因の中で給付費がふえ続け、基金の繰り入れなど国保税の負担に配慮しながら、いわゆるやりくりで運営してきたわけでありますが、県下の約半数に上る市町村が保険料値上げを抑制するために一般会計からの一定の繰り入れの枠を超えて、いわゆる法定外繰り入れをしてきたという実態が今回明るみに出てきているわけですが、これまで上田市のその辺の状況はどうであったか、伺いたいと思います。 ○議長(土屋陽一君) 近藤福祉部長。          〔福祉部長 近藤 聖一君登壇〕 ◎福祉部長(近藤聖一君) 県への移管による上田市にとってのメリットあるいは懸念される課題ということでございます。まず、国民健康保険の運営に関する事項として、これまでの国保の財政運営においては当年度の歳入額を超えて保険給付費が増加した場合は、基金を取り崩し、翌年度歳入の繰り上げ充用、一般会計からの繰り入れや借り入れなど、方策としては先ほど申し上げたような形で収支を均衡させる必要があるというふうになっております。今後は保険給付に係る費用が全額基本的に県から来ます。交付金として支払われるため、当該年度の給付に関しては収支が均衡することになります。また、制度改革に伴い、既に措置されている保険者支援の拡充とあわせて、国全体で毎年度3,400円の公費が投入されることになっております。こういったことにより、市町村の財政運営は従来と比べて安定するものと考えております。「3,400億円」でございます。失礼しました。申しわけございません。 続いて、次に被保険者へのサービス拡充に関する事項でございます。世帯ごとにその月の保険診療に係る自己負担上限額を超えた額を給付する高額療養費制度というものがございます。1年以内の上限額の支払いが4回目以降はさらに負担が軽減されるという仕組みになっております。現在の国民健康保険は市町村単独の運営でありますので、他市町村へ転出した場合は、引き続き国保被保険者であっても支払い回数の通算というものはございませんでした。しかしながら、4月以降は県内の他市町村への転出した場合でも、国保上同一世帯として認められる場合は支払い回数が通算されるという形になってまいります。 最後に、懸念される課題について申し上げます。先ほど平成29年度の試算において上田市に示された標準保険料率については、全ての被保険者に課税される応益割が現状と比較して上昇しており、所得に応じて課税される応能割は低下していると答弁を申し上げてございます。具体的に少し数字を申し上げますと、県の算定では応能分を49%、応益分を51%として配分していますが、現状の上田市では応能分を53%、応益分を47%というふうに配分しており、このため県が示す標準保険料率をそのまま採用すると、低所得者の負担が大きく増加してしまうという懸念がございます。 いずれにしましても、今後県が示す平成30年度に向けた算定を精査し、あわせて国民健康保険運営協議会でご協議をいただき、検討を進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。 また、一般会計からの法定外の繰り入れについてのご質問でございます。国民健康保険の運営においては、歳出に対して歳入が不足し、保険税改定による赤字の解消が難しい場合には、一般会計からの法定外繰り入れを行う市町村も多いという現状、議員ご指摘のとおりでございます。県内でも平成27年度には35市町村が行ったとなっております。上田市につきましては、直近で法定外繰り入れを行ったのは平成22年度でございます。当時は後期高齢者医療への負担金や保険給付費の歳出増加に対し、平成20年のリーマンショックに引き続く経済不況の影響で国民健康保険税の収納率が大きく低下し、保険税率の改定が必要な状況となりました。しかしながら、歳入不足額をそのまま保険税改定に反映すると大幅な上昇が見込まれたため、3億円の法定外繰り入れを行い、税負担の激変緩和を図ったものでございます。その後は上田市では一切の法定外繰り入れを行っておりません。 なお、県の国保運営方針の答申では、市町村に法定外繰り入れ等の赤字が発生し、その解消が見込まれない場合は、市町村は具体的取り組み等を記載した赤字解消計画を策定し、計画的に赤字を解消、削減していくこととされております。 市といたしましては、今後も安定した国民健康保険財政の運営に努めてまいりますので、ご理解をいただきますようお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(土屋陽一君) 深井議員。          〔30番 深井 武文君登壇〕 ◆30番(深井武文君) それでは、最後の質問とさせていただきますが、私今回の質問で一番強調し、訴えて、提言をしながらご答弁をいただければなというふうに考えます。今回県への移管によって県が財政運営の責任を担うという制度上の改革でありまして、しかし保険制度の性格から基本原則は相互扶助という精神でありますので、加入する長野県下約52万人の被保険者がいわゆる主たる財源を負担することに変わりはございません。単純に77市町村でプール化すれば将来にわたって安定化するという、そんな単純なものではないというふうに考えるわけであります。当面は制度的には成り立つわけですが、これから団塊の世代が急速にこの保険制度へ加わる中でさらに高齢化が進む、そしてまた医療の高度化による給付費の増加などさまざまな要因を抱える中で、この冒頭申し上げた国民健康保険加入者は、前段の古市議員の質問の中でも触れられておりましたが、構成する加入者層がいわゆる年金生活者を初め零細な自営の営業者など、比較的低所得階層が多く占めるのがこの国保会計の持つ構造的な大きな課題であります。自治体にとっても、加入する被保険者にとっても、将来にわたって不安を解消するまでの抜本的な制度改革には私は至っていないということを言わざるを得ない状況であります。 この将来にわたって国の、安倍総理なんかも常々国会答弁の中では、安心して暮らせる安定した日本の社会をつくっていくというようなことを総理もよく国会答弁で聞かれますが、本当に将来にわたって安心、安全で医療が受けられる、そういう抜本的な改革には国の大幅な財政支援、これが私は不可欠だというふうに思います。先ほどの答弁の中でとりあえず国が3,400億円の国費を投入するということではありますが、さらなる国費の交付税措置なり国庫負担なりを求めていかなければ、いずれまたこの国保、県自体の国保運営も大変厳しくなることも予測されます。そんな改善に向けて、今から地方三団体などを通じてさらなる充実に向けて働きかけをしていく必要があると思いますが、まだスタート前から転ばぬ先のつえではありませんが、少し早いかもしれませんが、その辺のことを見据えて、最後に市長にその辺の考え方、見解等を伺って、私の質問を終わりたいと思います。 ○議長(土屋陽一君) 母袋市長。          〔市長 母袋 創一君登壇〕 ◎市長(母袋創一君) 深井議員の質問に答弁いたします。 まず最初に一言言いますと、今お話あった深井議員の言われるそのとおりだと思います。国のまずしっかりした公的支援があり、一方で地方でできることもいろいろある。それはやはり住民の健康、これを健康寿命含めてやはり取り組むということによる影響というのは大きいと思っております。そういう中で、国民健康保険制度改革においては、財政運営単位が拡大して、国が公費投入を増額することによって目的はこれまで以上に安定した運営に向かうことが期待されているわけでございます。 しかしながら、現状国民健康保険が抱える、先ほど来出ている年齢構成が高く、医療費水準が高い、所得水準が低い、保険税負担が重い、こういったものはまさに構造的な課題だと、このように思っており、これらは残されたままであります。そして、本制度は国民皆保険の中核を担う最後のとりでとも言われておりまして、就業形態等を問わず幅広い方が加入できることで無保険者を防止するセーフティーネットでもあるということであります。そして、先ほど申し上げました構造的な問題というのは、まさに国民健康保険が果たすこうした役割に起因するものでありまして、こういったものは市が単独で解決することは到底できない制度的な問題であります。 また、国民健康保険は地域医療の確保、あるいは地域住民の健康の保持増進にとって欠かすことができない存在でありまして、まさに国民生活の重要な基盤でもございます。この保険を将来にわたって安定的で持続可能な制度とするためには、財政支援の拡充も含めて抜本的な改革を実施していくことはまさに国が行うべき重要な責務であると、このように思います。 先日開催されました知事と県市長会との懇談の場におきまして、まさに来年度の国保改革に当たって今後の進め方、特に進め方における、国の作業がおくれているということもあると思いますが、やはり県の明確な地方都市に対するスケジュール的なものから、それからオープンにする内容等がやはりおくれているというのが今喫緊の課題、したがってそういったものを早期に県の立場としてスケジュール的なものを明らかにしてほしい、あるいは公費投入のあり方、先ほど来出ている、そういったもの等についても多くの市長から意見が多く出されました。これまでも私どもは長野県市長会を通じながらも、何度も国保改革あるいは財政支援の拡充などについて全国市長会へ提言や要望をしてまいりましたし、国と地方の協議の場においても全国市長会も参画しておりまして、公費拡充等にその意見が反映されているところでございます。 今後とも制度改革後の市の国民健康保険運営の状況には十分配意をしながら、機会を捉えて地域の実情を伝え、引き続き要望、提言をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げたいと存じます。 ○議長(土屋陽一君) 深井議員の質問が終わりました。 お諮りします。日程はいまだ未了ですが、本日はこの程度にとどめ延会したいと思います。これにご異議ありませんか。          〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(土屋陽一君) ご異議なしと認めます。よって、本日はこれにて延会することに決しました。 次回はあす6日午前9時30分から会議を開きます。 本日はこれにて延会します。          午後 6時17分   延会...